『悪人』

爽やか好青年を
１００パー、封印した妻夫木君、素晴らしいんだけど
この主役は深津絵里さんだよね。

モントリオール、見るとこ見てるな～、さすが。
って思った。
地味なんだけど
愛に飢えている女が
だんだんと深みにはまってしまう。
強烈な保護本能は、
自分自身もその対象。

誰でも一歩間違えば犯罪者になってしまう。
人物をよく知っていたら
本当は“悪人”じゃないって言うだろう。
でも、殺人者は悪人。
何をしたんだろうと
同情されるべきは被害者。

テレビのワイドショー的な場面だけだったけど
もちろん、あまり褒められたものじゃないけど
イマドキの娘だったヨシノは
かなり好奇の目にさらされている。
「自業自得」と言わんばかり。

何度も、分岐点があった。

出会い系なんかで出会わなければ。
アウディを追わなければ。
車から捨てられたヨシノに仏心なんかを出さなければ。
ざまあみろと言ってユウイチも置き去りにすれば。
警察署で降りたとき、出頭すれば。

“悪”などではなくて
愚かさと弱さ。
誰でも持っているそんなもので
下り坂を転がり始めたらもう止まれないものなのかも。

だから人間って良いんだ。
そんなことは言えない。

みじめ過ぎて悲惨。
見ながら何度も
「これは妻夫木君と深津絵里さんなんだ！」
って自分に言い聞かせちゃった。

それにしても満島ひかりって
ああいった女子の役が本当にぴったり。
シウは「プライド」しか見てないんだけど
同じような役柄だったよね。
ただし、ものすごい芸達者であることは感じます


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