名優フランシス・マクドーマントの
今年度オスカー最有力「ノマドランド」。
~家を失い、車で暮らす人々~
って聞くと、とても悲惨な印象だけど
こんなにもドリーミィな物語だったとは。
今やコロナや政治的なことですっかり最悪なイメージになっているアメリカだけど
こんなにも美しい大自然やどこまでも広がる平原があるのだということ。
自分も子供のころは世界を転々として暮らしたいと思っていたはずなのに
今はすっかり普通の考えにとらわれているのだと気づいた。
ノマドの人々は孤独を愛し、
だからこそ他人との交わりにも意味を見出している感じだった。
まるで「大草原の小さな家」の時代のようなのに
Amazonが出てきたりして急にリアルに引き戻されるのも面白い。
フランシス・マクドーマントがかわいらしくてたくましくて“妹”キャラなのが良かった。
日本の女優さんでいうと、この役は大竹しのぶとかかな。
もし家がなくてもこんな風に暮らす人生もあるんだ、
って簡単には言い切れないけど、なんとなく気持ちが楽になるのではないか。
以前、藤村さんと嬉野さんが
「昔、家は自分で建ててたんだから、家は建てられると思えば気楽になれる」
って言っていたのを思い出した。
実際には家を建てるのは大変だと、今は二人も思い知っていると思うけど(^^)
車さえあればどこにでも行けるし、眠ることができる、という気持ちになれば
それだけで自由が少し広がる気がする。
とはいえ、
ノマドたちもかっこいいキャンピングカーを見学したりして、
「いいな~」って感じだったのが、そうだろうな~と納得。
まさに今、絶対に見るべき作品。
食うことと、排泄することの大切さを再確認しました。
あと、あんなきれいな全裸も観たことないなぁ。。。ぼかしがなくてよかった(笑)
フランシス・マクドーマンドは今外れ無しの演技をみせてくれますよね。
時が作り上げた名優だと思います。
あの水の中に浮かぶシーンは素晴らしくて、
自由とか解放とか、水の温度や香りがすべて伝わってくるシーンでした。
良い映画でした!