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お久しぶり!

「劇場版再会長江」

2024-12-22 22:19:45 | 映画

2024年はドキュメンタリーが心に残る1年だった。

一番に思い出すのは「再会長江」。

この写真の赤い色が印象的なシャングリラの女性、ツームーさん。

ツームーさん、ではなく、ツームーちゃんと呼びたくなるくらい可憐な彼女は

雲南省シャングリラ市で大きな旅館を経営している。

 

このドキュメンタリーは竹内亮監督が10年前に中国を訪ね、

長江源流を目指したものの叶わなかったということが根本にある。

当時中国で出会った人々と10年経って再び出会いたいという旅。

そしてもちろん今度こそ長江の最初の一滴を確認したいという旅。

 

発展を続ける中国の様々な顔をあぶり出して、とても興味深い。

そんな中、シウを虜にしたのがこのツームーさん。

 

10年前彼女はまだ18かそこらで、

シャングリラの高台の観光場所で

観光客相手に「ヤギを抱いた民族衣装の少女と写真を撮りませんか?」という仕事をしていた。

1回数十円くらいの安い仕事なのに、押しの弱い彼女は無料で勝手に写真を撮られてしまったりして、

なんとも素朴な引っ込み思案の少女だった。

生まれ育ったシャングリラ市から一度も出たことがなく、

空を飛ぶ飛行機は見ても、それがどういうものかも知らなかったくらい。

そんなツームーさんを、監督と当時同行していた俳優が彼女の家族と共に上海に連れ出した。

親戚の反対などがあって容易ではなかったが、

ツームーさんのぜひ上海に行きたいという気持ちが強く、実現したのだ。

初めての大都会でたくさんの刺激を受けたツームーさん。

旅によって自分の故郷シャングリラの良さに気付いたと言う。

そして「将来はここにホテルを建てたい。」という夢を監督に告げた。

それから10年。

監督が再び訪ねたシャングリラで、ツームーさんを探すと、

なんと村の人が教えてくれたのは、「ツームー」と名のついた立派なホテル。

彼女は夢を叶えて、自立したホテル経営者になっていたのだ。

監督と話している間にも仕事の電話がかかり、てきぱきと対応するツームーさん。

そこにはヤギを抱いて何時間も座っていたツームーさんはいなかった。

でも滞在し話していると、やっぱり昔の彼女の面影があり、

優しい心と魅力的な微笑みが健在なのがわかる。

再再会を約束してツームーさんと別れた一行は車の中で話し合う。

「今回はツームーとの別れが10年前ほど切なくなかった。

 それは彼女の世界と僕らの世界が近くなったからだね。」

 

20代の10年間でホテル経営者になる。

日本で若者がその夢を語っても本人も周囲もそれが容易ではないし、

おそらくたいていは挫折するのでは・・・って思ってしまうかも。

ところがそんな横やり的な考えが無いツームーさんはひたすら努力に努力を重ねて叶えてしまったようだ。

人の可能性って、環境が整えられているとか学歴がどうのっていうのを飛び越えたところにあることもあるのだ。

そんな風にシウは考える。

 

中国の広大な大地が実感できる作品だった。

どこでも人々は一所懸命に生きている。

ツームーさんは夢を叶えたけれど、同世代で夢を叶えられず、でも頑張っている女性も紹介される。

彼女もいつかきっと彼女の夢を叶えていくだろうと思った。

そんな強さが皆にある。

 

中国はあれこれと言われがちだけど

シウは中国が好きだ。

機会があったらぜひ行きたいと思う。

劇中にはあの赤壁も出てくるし、

知らなかった秘境の絶景も出てくる。

映像を通してもそのスケールの大きさと迫力が伝わる。

 

三国志と、キングダムと、宮城谷昌光さんの小説がシウの中国イメージのほとんど。

それを確かめに行き、さらにもっと中国を知りたいと思う。

 

本作公開時、舞台挨拶でツームーさんが来日したそう。

お会いしたかったな!

 


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