スマートフォン撮影
油彩静物 『ミケランジェロの夢』 F15
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古典主義的な技法(スフマート、グレージング、キアロスクーロ)を用いて描いていますが、露骨な再現性、緻密さよりも、流動的なブラシス
トローク、インパスト、ソフトフォーカス、動性、抽象的な背景処理といった表現法に、より重点を置いています。すなわち、絵画技法の完成
形だと多くが考える、ヴェラスケスとレンブラントの描画法に範を取っていますが、より現代風(平面性、抽象性、即興性、省略、色彩…)の
アレンジを加味した作品作りを、目指しています。フィードバック等賜われると、幸いです。
静物として組まれた石膏は、古典ギリシャ時代の女神頭像と、損壊して原型を留めてはおりませんが、ミケランジェロの手になるジュリアー
ノ・メディチの頭像です。タイトルについては、大した意味合いはこめられていません。
ミケランジェロは、自らを厚く重用しながらもこき使うメディチ一族に対して、愛憎相半ばする複雑な感情を抱いていました。メディチ家が一
時的に失脚した際には、政敵の側に寝返るという、裏切り行為を働いたことすらあります。また、ミケランジェロが古典ギリシャ、ローマ時代
の彫刻芸術のクオリティを、自らの創作を通してルネサンス期のイタリアに蘇らせようと企図していたことは、有名です。
以上の事情をこじつけつつモチーフを組むとともに、作品のタイトルを付与しました。
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