the Saber Panther (サーベル・パンサー)

トラディショナル&オリジナルの絵画芸術、化石哺乳類復元画、英語等について気ままに書いている、手書き絵師&リサーチブログ

プレヒストリック・サファリ⑰ (更新世中期・地中海シシリア島) コビトゾウ(最小級パレオロクソドン種)

2015年07月07日 | プレヒストリック・サファリ


Prehistoric Safari

Pygmy Palaeoloxodon elephants from the mid-Pleistocene Sicilian island

Work in progress(copy & paste and any other forms of copyright infringement cannot be allowed)   


ローマ大学のM. R. Palombo女史とAsier Larramendi 共著になる研究論文のためにものした、中期・更新世の地中海諸島に産した
小型ゾウ、Palaeoloxodon falconeri の復元画です。お二人から監修を受けており、形態、プロポーションの正確さには万全を期しています。

本作は最終的な仕上がりまでには至っておらず、掲載されるのは異なる改作版(version)となるはずですが、それでも著作権上の問題から、コピー&ペイスト等をすることは控えてください。お願いをします。

●手前から:

Palaeoloxodon falconeri


Cygnus
sp.

論文の詳しい内容に触れることは叶わないですが、コビトゾウ (ピグミーゾウ) の形態的特徴について、ごく皮相的な次元ですが、少しく記述してみます。

まず頭骨と歯型に関しては、概ねPalaeoloxodonElephas の他種と共通項の多い形質をしていると指摘できます。頭頂部はアジアゾウとは異なり、シングル・ドーム状をなしておりますが。

postcranial の場合はどうかというと少し事情が違って、相対的な胴体の長さ、それにも増して特異に長いと言える頚部などは、本種に独特な要素だと言えます。長い首はグレージングの効率を高めますが、その反面、長鼻に関して言えば比較的に短かったかもしれません。

また、不可解なことには(考え得る原因を私が把握していないだけですが)、Loxodonta 種との形質上の類似点の多さ(形態的収斂)が目につくのです。

前述の二人によれば、全身は顕著な量の体毛に覆われていたことが推測されるとのこと。

ともかく、雄成獣の肩高が1mに満たない驚嘆すべき小柄なサイズを差し引いても、パレオロクソドン属の中でも実にユニークな特徴を多く有する種類であったということは、言えるでしょう。

大陸の同属巨大種が島嶼の矮小化を経て派生したのが本種だとしても、Palaeoloxodon antiquus (ストレートタスクゾウ)をそのまま縮小したような姿をしていたわけではない、ということです。



イラスト、テキスト: ⓒサーベル・パンサー the saber panther

Morphological supervision : ⓒA.Larramendi, M.R. Palombo (All rights reserved)


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1 Comments

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Unknown (ma123)
2016-01-05 16:24:54
体毛があるのはナウマンゾウもそうなのではないですか?
あと、ストレートタスクゾウよりナウマンゾウのほうが類似点が多いのではないでしょうか?
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