マカイロドゥス亜科(剣歯猫)、シミターネコ群の代表的種類であ
まず、ホモテリウムの系統と現生ネコ科の系統とは漸新世‐
(ヒッパリオン属の古代ウマを追跡する、ホモテリウム latidens のパック)
イラスト ©the Saber Panther
私のブログに親しんでこられた人たちならご存知でしょうが、
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
追記
シベリアの永久凍土層で、ホモテリウム・ラティデンスの幼獣のミイラが発見されたという、大きなニュースが報じられています。およそ3万2千年前の標本とのこと。
The world’s first saber-toothed cat mummy has been found in Siberia
生後3週間程度の幼獣で、同じ年代のライオンの子に比べて、長い顔面部、長く太い首、長い四肢、手根球を欠くことなどが特徴的。また、閉口状態では、上顎「剣歯」は上唇・下唇に覆われ、「隠れて」いたことがわかりました。上顎犬歯の発達を終えた成獣のホモテリウムにおいてもそうであったらしいことは、私も以前、この記事で詳しく述べていました(ただし、これはホモテリウムのようなシミター型剣歯猫にいえる特徴で、更に長大な上顎犬歯を有するダーク型剣歯猫(スミロドンが代表格)の場合、犬歯は露出していたとされ、そういったことも英語版記事では説明があります)。
毛皮は濃い茶色で、無地に近かったことがうかがわれるようです。亜北極帯に分布したネコ科猛獣の毛色としては実に意外ですが、研究者は、「(ホラアナライオンのように)暗めの毛色で生まれ、成長するにつれ明るい色になっていった可能性」を論じています。また、凍土層の冷凍動物は、(実際よりも)赤褐色の色合いを帯びていることが多いそうです。成獣の毛色などについても、このミイラ由来のDNA調査で、後々判明してくるのでしょう。
古代のネコ科猛獣の中で、ホラアナライオンに続き、ホモテリウムの幼獣のミイラも発見されるに至りました。剣歯猫(ナショナルジオグラフィック日本語版の記事での、「サーベルタイガー」というのは、正確な表現ではありません。元記事の英語版では、ちゃんと「saber toothed cat(剣歯猫)」と記されています)という、古生物学における大きな謎の一つに光を当てる、世紀の発見だと思います。是非、成獣ミイラの発見も続くことを、期待しましょう。
さらに
ポストクラニアルについては、首が長く、ライオンの子の首よりも倍以上の太さですが、この太さは筋肉の発達によります。前肢はライオンの子よりも18~23%も長く、胴体は同等か、~10%ほど短い。
ただ、本記事でも述べたように、ホモテリウム属は極めて広大な分布域を持つタクソンなので、例えばアフリカ分布の個体群などは、異質な形態を有していたことが考えられましょう。
Don't ever use any of my contents for AI generating!
作品、記事内容の無断転載、転用、盗用、生成AIを用いての模倣を禁じます
【参照学術論文】
Barnett et al., 'Genomic Adaptations and Evolutionary History of the Extinct Scimitar-Toothed Cat, Homotherium latidens', 2020
【関連記事】