あらかじめ伝えておいた、「既知の最も大型(最重量)のネコ科猛獣を問う」投票を実施してみました。
具体的には、ヒョウ亜科(ヒョウ属種)とマカイロドゥス亜科(剣歯猫群)の大型種を対象としています。
化石が断片的で全体サイズの推定が困難なものもありますが、いずれもネコ科史上最大級(それぞれの研究者が査読済み学術論文にて、推定体重400kg以上と出している)が云々される8タクソンを、厳選しました。
例によって私のDAギャラリーサイトのページで実施したもので、主にパレオアーティストたちが投票してくれたものです。
(いずれのイラストも by ©the Saber Panther (Jagroar) (All rights reserved))
得票をリードしているのは、南米のスミロドン属最大種(Smilodon populator)。「史上最重量」の剣歯猫としてつとに知られますから、全く意外な結果ではありません。もっとも私見では、フォシリス段階の更新世中期ホラアナライオン(Panthera spelaea fossilis)か、更新世東南アジアのトラ古亜種(更新世ボルネオトラ / ガンドントラ)、あるいはネコ科最長の上腕骨が知られる剣歯猫、ラハイシュププ種(cf. Nimravides (sp.) lahayishupup)のいずれかだろう、とみていました。
まだポスト後5日目ですし、これからも経過を見てみましょう。
幼獣の冷凍ミイラの発見で、一躍 スミロドンよりも有名な剣歯猫となりそうなホモテリウム(Homotherium latidens)ですが、実は既知の剣歯猫タクソンの中では「中堅」の部類(それでも現生ライオンに匹敵する大きさ)で、最大級タクソンにはほど遠いといえます。
もっとも、ホモテリウムもオランダ北海で出た標本は非常に大型とされ、今後、シベリアなど亜北極帯で雄成獣のミイラや骨格なりの発見が続くと、最大級を塗り替える可能性もあるかもしれませんね。
もとより、長鼻類、クマ科、イタチ科、ワニ型類などと同様に、現生種を凌駕する大きさの化石タクソンが複数存在し、いずれも似通ったサイズに達していたので、この手の結論を下すのは困難。投票はあくまで余興ですから、こういう意見もあるのか、位に見てくれたらよいと思います。
イラスト&テキスト Images and text by ©the Saber Panther (All rights reserved)
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