The Neogene Eurasia : Super Predators' competition for trophic resources
Poll ☆ results
中新世中/後期ユーラシア・ファウナにおける、熾烈な獲物源を巡る競合について、この記事で少しく触れましたが、記事中に登場する主な大型肉食獣について、最も '競争力のある' と考えられるタクソンに投票してもらいました。私のDAギャラリーサイトのページで実施したもので、主に、パレオアーティストたちが投票してくれたものです。
巨大な「真性」ハイエナ、ディノクロクタ・ギガンテアが最も優勢だろうとの投票結果となっています。なかなか興味深いですね。
さらに、
この記事でも触れた「既知の五大剣歯猫」について、どの種が最大(最重量)と考えられるか問うた投票も実施しました。併せて紹介しましょう(2024. 11/13 時点)。
現状、南米南部のスミロドン・ポプラトールが大差で一位となっています。やはり、という結果なのでしょうか。
既知の最大級 ⚔ 剣歯猫タクソン
Adeilosmilus kabir
(アデイロスミルス・カビール)
Nimravides lahayishupup
Amphimachairodus horribilis
(ランキング下位から順に)
Adeilosmilus kabir
(アデイロスミルス・カビール)
シミター型剣歯猫
中新世ー鮮新世境界 アフリカ
〈備考〉
既知のネコ科標本の中で、2番目に大きい下顎第一裂肉歯と二番目に長い上腕骨が知られる。この巨大種、アデイロスミルス・カビールを第四紀のホモテリウム属の直系祖先とみる説が、最近出されている(Jiangzuo & Werdelin, 2023)。
cf. Xenosmilus sp.
(暫定・ゼノスミルス属種)
シミター型剣歯猫
鮮新世後期~更新世中期 南米
〈備考〉
クラニオーデンタルの寸法に基づき、この南米南部(ウルグアイ)に分布したゼノスミルス属(暫定)標本は、北米の同属種(X. hodsonae)よりもずっと大きかったと考えられている(Manzuetti et al., 2024)。
(暫定・ゼノスミルス属種)
シミター型剣歯猫
鮮新世後期~更新世中期 南米
〈備考〉
クラニオーデンタルの寸法に基づき、この南米南部(ウルグアイ)に分布したゼノスミルス属(暫定)標本は、北米の同属種(X. hodsonae)よりもずっと大きかったと考えられている(Manzuetti et al., 2024)。
Nimravides lahayishupup
(ニムラヴィデス・ラハイシュププ)
シミター型剣歯猫
中新世中~後期 北米
〈備考〉
既知のネコ科標本の中で、最長の上腕骨。
ラハイシュププ種は記載当初、マカイロドゥス属に帰属された(Orcutt & Calede, 2021)ものの、巨大上腕骨が発掘されたのと同じ場所で出ていたクラニオーデンタル要素に基づき、後続の二つの分類研究にて、ニムラヴィデス属への再帰属が提案された(Wang et al. (2022), Jiangzuo et al. (2022))。実際、北米にはニムラヴィデスとアンフィマカイロドゥスのみが分布し、マカイロドゥスは旧世界固有のタクソンなので、ニムラヴィデスの固有種('N. lahayishupup')か、ニムラヴィデス・カタコピスの大型亜種('N. catacopis lahayishupup')と考えるのが至当であろう。
Amphimachairodus horribilis
(アンフィマカイロドゥス・ホリビリス)
シミター型剣歯猫
中新世後期 アジア
〈備考〉
既知の剣歯猫標本の中で、最大の頭蓋骨と下顎第一裂肉歯が知られる。
ホリビリス種は中新世後期末葉のタクソンで、そのクラニオーデンタル形質はアンフィマカイロドゥス属に典型的なアドヴァンス型である(Deng Tao, 2017)。このため、ホリビリス種を中新世中期~同後期初頭に生息したマカイロドゥス属に帰属することは、不可である。
Smilodon populator
(スミロドン・ポプラトール)
ダーク型剣歯猫
更新世後期 南米
〈備考〉
既知の剣歯猫標本の中で二番目に大きな頭蓋骨(史上最大のダーク型剣歯猫なので、もちろん上顎犬歯の大きさは最大)。加えて、S. populator の四肢長骨の周囲はネコ科全体で最も大きくなり、絶対的にも相対的にも、最もロバスト型のネコ科動物。
これら剣歯猫の上位二~三種に、剣歯猫以外のネコ科特大種(亜種)、すなわち「フォシリス段階の更新世中期ホラアナライオン」と、「更新世中~後期の東南アジア産トラ(ガンドントラか更新世ボルネオトラ)」、そしてアメリカライオンを加えて、ネコ科史上最大種(亜種)を問う投票も、実施する予定。
同様に、長鼻類、反芻動物(偶蹄類)、クマ科、古代のワニ型類などについても、同趣旨の投票を実施してみます。お楽しみに
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作品、記事内容の無断転載、転用、盗用を禁じます
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