ぐがー…ぐがー…。
荒木「洗い物はこれで全部かな。」
荒木が手を拭きながら振り返る。
平助「こっちも大体片付いたよ。」
平助がゴミ袋を縛りながら立ち上がる。
そして二人は部屋の隅にある毛布の塊に目をやった。
ぐがー…ぐがー…。
酒を飲み眠ってしまった新八先生が気持ち良さそうにいびきをかいている。
平助「どうするよ?これ……当分起きそうにないぜ。」
平助が爪先で毛布をつつく。
荒木「もうちょい待ってみよう。荒木、お茶煎れるわ。」
平助「今度はひっくり返すなよな。」
平助はため息を吐きながら、部室の真ん中に置いてあるテーブルの前に座る。そして、お茶を煎れる荒木の背中に話しかける。
平助「この部室も、いい感じに物が揃ってきたな。もう生活出来ちゃうんじゃねーの?」
荒木が二つの湯飲みを持って平助の向かいに座る。
荒木「やな。皆、色々と持ち込んで……でも、何か足りんくない?」
テーブルに湯飲みを置きながら足りない何かを考える。
平助「サンキュー……ん~、テーブル、お茶……そうだ!炬燵だ!!」
荒木「それや!!ちょ、今から買いに行こうや!!」平助「えぇー、今からかよ!?」
立ち上がった荒木を面倒そうに見上げながらお茶を啜る。
荒木「年越しを寂しくバイトで過ごしただけあって金銭的に余裕があるんやぁ!!さぁ、そうと決まったら、そこのホームセンターにGOや!!ホラホラ!!」
荒木は一気に喋りながら上着を羽織ると、掛けてあった平助のダウンとマフラーを平助めがけて投げつけた。
平助「ぶわっ。」
荷物を運ぶ台車に炬燵セットを乗せた二人は、部室へと戻ってきた。
荒木「じゃ、テーブルのけるから、平ちゃん炬燵セット宜しくっ!」
平助「任せとけっ!」
荒木が勢いよく置いてあったテーブルを部屋の隅まで引きずり、平ちゃんは段ボールから出した炬燵をそこに組み立てる。その間に荒木が布団の入っているビニール袋を開ける。
荒木「平ちゃん、そっちの端持って!」
平助「よっしゃ!」
せぇーの……と二人は炬燵に布団をかぶせる。平助がテーブル部分を乗せ、炬燵が完成した。コンセントを差しスイッチを入れる。
荒木は座布団を炬燵の周りにドサドサと投げる。
荒木「かんせー!!」
平助「完璧だな!!」
二人は満足気な顔で炬燵に足を入れる。
荒木「あったけー……。」
平助「あー、至福だな……ってか、ホームセンターに台車返しに行かないとな。」
荒木「ほんまや……しかも新八っつぁん起こさな……。」
二人はため息を吐いた。
新八「餅は三つ入れてくれ……むにゃむにゃ。」
新八先生はお雑煮の夢でも見ているらしい。
荒木「そうや!台車返す前に、ちょっと借りよう!!」
台車に毛布ごと新八先生を乗せ、二人は新八先生の家へ向かっていた。
平助「ここだ!!荒木、新八っつぁんのポケットから鍵出して。」
荒木「よいしょ……あった。」
荒木は玄関の鍵を開ける。平助は台車を狭い玄関に突っ込み、廊下へと傾ける。
平助「よっ……と。」
台車から新八先生がゴロゴロと転がる。それでも尚、新八先生は幸せそうに寝息を立てている。
平助「重かったー!!」
荒木「お疲れ!!」
荒木は平助の背中をパシッと叩いた。
平助「んじゃ、台車返しに行って帰るか。」
荒木「せやな。」
二人は新八先生の家を後にする。
荒木「平ちゃん、ちょっと台車乗ってみ?」
平助「こう、か?」
荒木「んじゃ、行くで!!エヴァンゲリオン、発進!!」
荒木は平助を台車に乗せて走りだした。
平助「ぶわぁー!怖ぇー、ちょー怖ぇー!!予想以上に怖ぇーよ!!エヴァでも何でもねーし!!でも面白れー!!」
二人は騒がしくホームセンターまでの道のりを駆け抜けていった。
その頃新八先生は、その辺にあった広告の裏に『鍵はポストにいれときます』と書かれた紙をおでこに貼りつけ、七草粥の夢を見ていた。
荒木「洗い物はこれで全部かな。」
荒木が手を拭きながら振り返る。
平助「こっちも大体片付いたよ。」
平助がゴミ袋を縛りながら立ち上がる。
そして二人は部屋の隅にある毛布の塊に目をやった。
ぐがー…ぐがー…。
酒を飲み眠ってしまった新八先生が気持ち良さそうにいびきをかいている。
平助「どうするよ?これ……当分起きそうにないぜ。」
平助が爪先で毛布をつつく。
荒木「もうちょい待ってみよう。荒木、お茶煎れるわ。」
平助「今度はひっくり返すなよな。」
平助はため息を吐きながら、部室の真ん中に置いてあるテーブルの前に座る。そして、お茶を煎れる荒木の背中に話しかける。
平助「この部室も、いい感じに物が揃ってきたな。もう生活出来ちゃうんじゃねーの?」
荒木が二つの湯飲みを持って平助の向かいに座る。
荒木「やな。皆、色々と持ち込んで……でも、何か足りんくない?」
テーブルに湯飲みを置きながら足りない何かを考える。
平助「サンキュー……ん~、テーブル、お茶……そうだ!炬燵だ!!」
荒木「それや!!ちょ、今から買いに行こうや!!」平助「えぇー、今からかよ!?」
立ち上がった荒木を面倒そうに見上げながらお茶を啜る。
荒木「年越しを寂しくバイトで過ごしただけあって金銭的に余裕があるんやぁ!!さぁ、そうと決まったら、そこのホームセンターにGOや!!ホラホラ!!」
荒木は一気に喋りながら上着を羽織ると、掛けてあった平助のダウンとマフラーを平助めがけて投げつけた。
平助「ぶわっ。」
荷物を運ぶ台車に炬燵セットを乗せた二人は、部室へと戻ってきた。
荒木「じゃ、テーブルのけるから、平ちゃん炬燵セット宜しくっ!」
平助「任せとけっ!」
荒木が勢いよく置いてあったテーブルを部屋の隅まで引きずり、平ちゃんは段ボールから出した炬燵をそこに組み立てる。その間に荒木が布団の入っているビニール袋を開ける。
荒木「平ちゃん、そっちの端持って!」
平助「よっしゃ!」
せぇーの……と二人は炬燵に布団をかぶせる。平助がテーブル部分を乗せ、炬燵が完成した。コンセントを差しスイッチを入れる。
荒木は座布団を炬燵の周りにドサドサと投げる。
荒木「かんせー!!」
平助「完璧だな!!」
二人は満足気な顔で炬燵に足を入れる。
荒木「あったけー……。」
平助「あー、至福だな……ってか、ホームセンターに台車返しに行かないとな。」
荒木「ほんまや……しかも新八っつぁん起こさな……。」
二人はため息を吐いた。
新八「餅は三つ入れてくれ……むにゃむにゃ。」
新八先生はお雑煮の夢でも見ているらしい。
荒木「そうや!台車返す前に、ちょっと借りよう!!」
台車に毛布ごと新八先生を乗せ、二人は新八先生の家へ向かっていた。
平助「ここだ!!荒木、新八っつぁんのポケットから鍵出して。」
荒木「よいしょ……あった。」
荒木は玄関の鍵を開ける。平助は台車を狭い玄関に突っ込み、廊下へと傾ける。
平助「よっ……と。」
台車から新八先生がゴロゴロと転がる。それでも尚、新八先生は幸せそうに寝息を立てている。
平助「重かったー!!」
荒木「お疲れ!!」
荒木は平助の背中をパシッと叩いた。
平助「んじゃ、台車返しに行って帰るか。」
荒木「せやな。」
二人は新八先生の家を後にする。
荒木「平ちゃん、ちょっと台車乗ってみ?」
平助「こう、か?」
荒木「んじゃ、行くで!!エヴァンゲリオン、発進!!」
荒木は平助を台車に乗せて走りだした。
平助「ぶわぁー!怖ぇー、ちょー怖ぇー!!予想以上に怖ぇーよ!!エヴァでも何でもねーし!!でも面白れー!!」
二人は騒がしくホームセンターまでの道のりを駆け抜けていった。
その頃新八先生は、その辺にあった広告の裏に『鍵はポストにいれときます』と書かれた紙をおでこに貼りつけ、七草粥の夢を見ていた。