荒木妄想日記

荒木の妄想をしたためる為だけに開設しました。

~その後。真美・原田ルート

2011-01-03 11:13:59 | SS~L荒木の妄想Ver
お賽銭箱に小銭を投げ、ガラガラと大きな鈴を鳴らし、二人は同時に手をパンパンと鳴らした。
真美と原田先生は新年会の後、その足で近所の神社に初詣に来ていた。
原田先生は心の中で願い事を三つ唱え、目を開けた。そして真美を見下ろすと、真美はまだ手を合わせて目を瞑ったままだった。
暫くその様子を見ていると、真美はそっと目を開け、原田先生を見上げた。そして彼が自分を見ていた事にはっと気付き、あたふたするが、笑顔の原田先生に両肩を持たれ、くるっと180度回転させられ、そのまま列の外へと押される。
境内の少し人が少なくなった所まで肩を押され、石段に座らせられる。
原田「ちょっと休憩だ。結構並んだから喉、乾いたろ?何か買って来るから、少し待っててくれな。」
真美「あ、はい。」
真美が頷くと、原田先生は大きな掌で真美の頭をぽんと撫で、小走りで屋台へ向かった。
数分後、先生は紙コップを二つ持って戻って来た。
原田「お待たせ。何か、境内で甘酒配ってたから貰ってきた。」
真美「わぁ、ありがとうございます!体が暖まりますね。」
原田「だな。」
原田先生は真美に甘酒を渡すと、真美の横に座る。
二人は白い息を吐きながら甘酒を啜る。
真美「左之さんは、さっき何をお願いしたんですか?」
原田先生は真美の問いに笑顔で応える。
原田「内緒だ。」
真美「えぇー…。」
原田「願い事は言っちまうと叶わねぇ…って言うだろ?」
真美「そうですけど……。」
真美は頬っぺたを膨らませ、甘酒を啜る。そんな真美を見て、原田先生は小さく笑う。
原田「しゃーないな。1つは槍術部と剣道部の事。1つは愛媛の家族の事。もう1つは……内緒だ。これは、どうしても神さんに聞いて貰わなくちゃならねえからな。」
そう言って真美の頬っぺたを人差し指でつついた。
原田「それで、お前は何をお願いしたんだ?」
真美も笑顔で応える。
真美「内緒です。だって、言ったら叶わなくなるんでしょ?」
原田「言うようになったなあ。」
原田先生は笑いながら立ち上がった。真美もつられて立ち上がる。
すると、原田先生が真美の手を取る。
原田「んじゃ、早速三つ目の願い事を叶えに、真美の母ちゃんと父ちゃんに挨拶しに行くか。」
真美「え……えぇー!?」
真美は驚いて目を真ん丸くする。真美は両親に原田先生の事をまだ説明していない。そこに粋なり新年の挨拶なんかに言ったら、どうなることか分からない。
原田「冗談だよ、冗談。」
真美はほっと息を吐いた。
原田「新年早々、学校の先生が家に来て『娘さんをください!』何て言ったら、父ちゃん腰抜かしちまうだろうからな。」
真美「そうですよ……って、えぇーーー!!!」
真美は人生で一番と思われる驚愕の表情を見せた。開いた口が塞がらない……いや、口の筋肉が、全身の筋肉が動かない。唯一、心臓だけが異常なほど早いリズムを刻んでいる。
原田先生は真美の顎に手をやり、ぱくっと口を閉じる。
原田先生に口を閉められ、真美はやっと我に帰った。
真美「なっ……びっくりしました!!」
原田「悪い悪い。」
真美「でっでも……願い事は人に言ったら、叶わないんじゃないんですか?」
原田先生は、真っ赤になって話す真美を抱き寄せて、耳元で静かに呟く。
原田「俺が絶対に叶えるから、大丈夫だ。」
そして真美から手を離す。
原田「ま、お前が良ければの話だがな。」
今度は真美が原田先生に勢いよく抱きつき、真っ赤になった顔を隠すように胸元に顔を埋めた。
真美「……良いです。」
原田先生の胸元から真美のこもった声がする。
真美「私も同じこと、さっきお願いしましたから。」
原田先生はそんな真美を再びぎゅっと抱き締める。
原田「ありがとよ。」