千鶴「本当に良かったのかな?」
新年会が終わり、千鶴は智弘と学校を後にした。
智弘「くじ引きで決まった結果なので仕方ないですね。少し悪い気もするけど…僕らの事を気遣ってくれたんだと思います。」
後片付けはくじ引きで荒木と平助に決まったのだ。千鶴と智弘は手伝うと言ったのだが、ニヤニヤする二人に追い出されるように部室を後にしたのだった。
千鶴「皆、本当に優しいね。剣道部に入部できて良かった。」
智弘「確かに!こうやって、雪村さんにも出会えましたし。」
白い息を吐きながら微笑む千鶴を微笑ましく眺めながら、智弘は言った。
千鶴は智弘の言葉に少し頬を赤くして立ち止まった。
智弘「……どうしたんですか?」
そんな千鶴の顔を覗き込む智弘。
千鶴「あの……ね。私が溝口君に告白してから、半年経つんだけど……。」
智弘「……そう、ですね。早いものですね。」
千鶴は下を向いてもごもごと続けた。
千鶴「それでね……あの……あの時、溝口くん、ありがとうって言ってくれて、それからいつも一緒にいてくれるんだけど……私たち……付き合ってるんだよね?」
千鶴は言い終わると、顔を上げて智弘の目を見つめた。智弘は千鶴が急に顔を上げたのに少し驚いたが、すぐに優しい顔になった。そして、千鶴の両手を取った。
智弘「僕の中では、僕はすっかり雪村さんの彼氏になったと思っていました。きちんと説明していなかったようで、すいません。」
智弘の言葉を聞き、千鶴の顔がぱぁと明るくなった。千鶴「良かったぁ。」
智弘はたまらなくなり、千鶴を抱き寄せた。
千鶴「み、溝口君、こんな、道端で、その……。」
智弘「大丈夫です。誰が見ていても、きちんと説明します。雪村さんは僕の彼女だと。」
智弘の手に先程よりも強い力が込められた。
智弘「言葉足らずで長らく不安にさせてしまって申し訳ありません。僕は雪村さんのことが好きです。」
それだけ言って智弘の手はほどかれた。千鶴は顔が赤くなり、耳まで真っ赤になっている。そしてさっきよりも下を向いて、またもごもごと話しだした。
千鶴「あの……確認ついでに、お願いが一つ。いいかな?」
智弘「どうぞ。彼女の我が儘を聞くのが彼氏の役目でもありますから。」
千鶴「溝口君、ずっと同級生にも敬語を使ってるけど……彼女の私には、敬語使わなくても、いいんじゃ……。」
智弘は少し難しい顔をした。
智弘「でも、これは癖のようなもので……ですが、雪村さんが望むなら敬語をやめるのもいいですね。すぐには難しいかも知れませんが……。」
そして一つ咳払いをして、千鶴に右手を差し出した。
智弘「じゃあ……行こうか……ちづ、ちっ…ちづち…千鶴。」
千鶴は目をまん丸にして、これ以上いくと首から上がはち切れるのではと言うくらい顔を赤らめ、智弘の手を取った。
千鶴「う、うん!と、知弘くん!!」
二人は手を繋ぎ、初詣の為、神社へと向かった。
新年会が終わり、千鶴は智弘と学校を後にした。
智弘「くじ引きで決まった結果なので仕方ないですね。少し悪い気もするけど…僕らの事を気遣ってくれたんだと思います。」
後片付けはくじ引きで荒木と平助に決まったのだ。千鶴と智弘は手伝うと言ったのだが、ニヤニヤする二人に追い出されるように部室を後にしたのだった。
千鶴「皆、本当に優しいね。剣道部に入部できて良かった。」
智弘「確かに!こうやって、雪村さんにも出会えましたし。」
白い息を吐きながら微笑む千鶴を微笑ましく眺めながら、智弘は言った。
千鶴は智弘の言葉に少し頬を赤くして立ち止まった。
智弘「……どうしたんですか?」
そんな千鶴の顔を覗き込む智弘。
千鶴「あの……ね。私が溝口君に告白してから、半年経つんだけど……。」
智弘「……そう、ですね。早いものですね。」
千鶴は下を向いてもごもごと続けた。
千鶴「それでね……あの……あの時、溝口くん、ありがとうって言ってくれて、それからいつも一緒にいてくれるんだけど……私たち……付き合ってるんだよね?」
千鶴は言い終わると、顔を上げて智弘の目を見つめた。智弘は千鶴が急に顔を上げたのに少し驚いたが、すぐに優しい顔になった。そして、千鶴の両手を取った。
智弘「僕の中では、僕はすっかり雪村さんの彼氏になったと思っていました。きちんと説明していなかったようで、すいません。」
智弘の言葉を聞き、千鶴の顔がぱぁと明るくなった。千鶴「良かったぁ。」
智弘はたまらなくなり、千鶴を抱き寄せた。
千鶴「み、溝口君、こんな、道端で、その……。」
智弘「大丈夫です。誰が見ていても、きちんと説明します。雪村さんは僕の彼女だと。」
智弘の手に先程よりも強い力が込められた。
智弘「言葉足らずで長らく不安にさせてしまって申し訳ありません。僕は雪村さんのことが好きです。」
それだけ言って智弘の手はほどかれた。千鶴は顔が赤くなり、耳まで真っ赤になっている。そしてさっきよりも下を向いて、またもごもごと話しだした。
千鶴「あの……確認ついでに、お願いが一つ。いいかな?」
智弘「どうぞ。彼女の我が儘を聞くのが彼氏の役目でもありますから。」
千鶴「溝口君、ずっと同級生にも敬語を使ってるけど……彼女の私には、敬語使わなくても、いいんじゃ……。」
智弘は少し難しい顔をした。
智弘「でも、これは癖のようなもので……ですが、雪村さんが望むなら敬語をやめるのもいいですね。すぐには難しいかも知れませんが……。」
そして一つ咳払いをして、千鶴に右手を差し出した。
智弘「じゃあ……行こうか……ちづ、ちっ…ちづち…千鶴。」
千鶴は目をまん丸にして、これ以上いくと首から上がはち切れるのではと言うくらい顔を赤らめ、智弘の手を取った。
千鶴「う、うん!と、知弘くん!!」
二人は手を繋ぎ、初詣の為、神社へと向かった。