禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

一水四見

2014年11月12日 | 小さな法話
能面の展示会を拝見しました。どれも素晴らしい作品ばかりです。
能面は、その形を変えることは無いのですが、見る方向や光の当たり方で表情が変わります。

禅語に「一水四見」があります。
水は、人間にとっては普段の飲み水であっても、魚にとっては住処であり餌を求める生活の場となります。
天人には、きれいに透き通ったガラスのように見え、餓鬼には飲もうとした瞬間、火に変わる苦しみの水となります。
同じ水でも、人間・魚・天人・餓鬼とでは、それぞれ異って見える、という例え話です。
能面にも、見方によって変わる「一水四見」があります。
私たちは、一方向にとらわれることなく、いつも「一水四見」を心得ていることがいるのです。

「チャイコフスキー」の白い花が咲いています。もうしばらくでしょうか。