中秋の京都を散策して来た。ひところの異常なまでの混み具合はどこへやら。平日とは言え人が少なく、おかげでゆっくりと散策できた。数年前は四条大橋を渡れないほどに混んでいたので、それを思えば楽なものだ。錦市場などもシャッターが下りたままの店も少なくない。まあしかしこれが昔の京都の姿なので、住民たちは特にアジアからの観光客が減って喜んでいるようだ。京都人も大阪人同様、新型コロナを心底信じている阿呆が多いのが残念ではあるが、こうしてゆっくりと散策できる分にはありがたい(笑)。今が行き時である。
京都でのランチのイチオシは京料理やおばんざいなどではなく、40年以上前から寺町京極で頑張っている高級インド料理店のアショカだ。
私が初めてここへ来たのは1990年の8月末で、フランス企業の人達にアテンドして京都へ来て、ここでランチしたのであった。日本でも最も古いインド料理店の一つである。
そして何よりもこの店内。こざかしいアクリル板など置いておらず、気持ち良く食事できる。
写真は本日のランチ。ナンは食べ放題。やや塩味が効いていて美味しい。
過去にはいろいろな人をここにお連れしたが、皆さん絶賛であった。
すぐ隣の新京極通りにある京雑貨の井和井。前にも紹介したが、ここには何の張り紙もなく、店内にも愚かなビニールシートなどはなく、気持ち良く買い物できるのだ。しかも品質が良いので、京都で一番おススメできる和雑貨店である。
もう一軒、新町通に別の京都の和雑貨ブランドがあり、かつてはそこも好きでよく行っていたのだが、今回覗いてみると、何と入り口に検温器が設置してあるではないか。京雑貨店がこんな愚かなことをするとは信じられない。客を黴菌扱いするような店でなど到底買い物はできない。非常に残念なことである。
さてお茶をするならやはり甘味処だ。これも先日ご紹介した大極殿本舗の栖園。これは京都へ来ると外せない。六角通りにその甘味処があるのだが、今は高倉通の本店にも併設している。
琥珀流し、今月は栗だ!ぜんざいの小椀とのセットを注文。
このぜんざいの丹波小豆がまた感動するほど美味しくて美しい。
しかもここも余計な張り紙など一切なく、愚にもつかぬアクリル板も置いていないので、気持ちの良いひと時を過ごせる。さすが、正真正銘の京都の老舗である!こういう店は応援したい。
しばし鴨川沿いを歩く。街中の人混みや満員電車の中ならまだしも、こんなところでも律儀にマスクをしているニホンジンはどうなのだろう?全く持って動物以下の知能でしかない。もし仮に犬や猫が自分で服を着たりするような動物であれば、こういうところでは確実にマスクを外すであろうと思う(笑)。
四条から少し南へ下がり、松原通を散策するのもおススメである。ここはかつて地獄への入り口と言われた場所で、六道の辻の石碑も立っている。
六道の辻の角にある幽霊子育て飴の“みなとや”は江戸時代から続く老舗で、この麦芽糖を使った飴のみを販売。よくTVや雑誌でも紹介されているので、今は知っている人も多いが、この飴、余計な添加物が入っておらず、なかなか美味しい。
六道の辻を超えて東へ進むと、左手に六道珍皇寺がある。地獄へ通じる井戸があるとされる由緒ある寺で、かつて小野篁がこの井戸を通って、夜な夜な地獄へ赴き、閻魔大王に仕えたという伝説が残る地だ。
閻魔像と篁像は普段は公開されていない。私は運よく一度拝見したことがある。
この松原通り、ちょっとおしゃれなカフェもあったりもするので、散策におススメである。東大路通りを超えてそのまま進めば、清水寺へも通じている。また東大路通りに出る少し手前に、昔ながらの定食屋である力餅がある。
ここの餅は、どこの和菓子屋の餅よりも美味しいのだ。写真は大福餅と栗餅。
かけうどんが美味しいので、小腹が空いた時におススメ。
松原通から少し北上して、建仁寺の境内を通って、花見小路通経由で四条通に戻るのがおススメのルート。四条通に出たら信号を渡って、本家西尾八つ橋の祇園北店に立ち寄ろう。ここは試食し放題。
私が好きなのはこの生八つ橋。子供の頃から好きで、自分ではここではこれしか食べない。
ここにご紹介したコースであれば半日で回れるので、ちょっとした京都散策におススメしたい。何といってもコロナ対策をしていない店を気持ち良く回るのが基本だ!そうだ京都、行こう!