竹竿は、基本機能(あわせ・タメ・取り込み)がスムーズに行える事は当然ですが、使って初めて分る特徴があります。
昔、釣友の、穂先が抜けてしまい、使われなくなった夢月道人 つづみ 口巻き 九尺2寸を貰い受け、穂先を新たに作ってもらいました。
本来この竿は、本式胴調子竿で、どちらかと言うと深場で使うことに適した竿だと思いますが、ウドン釣りの釣り場としては、1.5~2mぐらいの水深が多いこともあり、穂先削りお願いする時、ダメ元で、1.5メートルぐらいでの床釣りに対応できるようにしてほしいとお願いしてみました。
竿師さんにとっては、いやな修理だろうな~?
貰い受ける前から、この竿の使い心地のよさは、知っていました。
弁慶池で、冬場一度使わせてもらい、その時尺2寸ぐらいを掛けたことがあります。
火入れ前(修理へ出す前)の状態で、張りも落ちていいました。
しかし、掛心地は、心地よく、かけた瞬間は、空バリを引いたかと思いました、一呼吸おいて手に、コツンコツンとヘラの感触が伝わってきました。そのまま静かに水面へ ヘラが顔を出し静かにタモに収まりました。
なんともいえない感触が手のひらに今でも残っています。
修理から戻り使ってみて始めて、気がついいたことは、浅い棚で釣っているのにもかかわらず、かかったヘラは、非常に狭い範囲でしか走り回らない、又静かにためていると、暴れることもなく水面へ出ます。
この竿は、何十年も前に作られた竿ですが、現在の無月道人は、もっとすばらしい竿になっているのだろう一本手に入れてみたいと思わせる竿師さんです。