あわせてから取り込むまでの間、ヘラブナをコントロールすることに意識が行き過ぎ、竿に負担を掛け過ぎる事があります。
[竿・仕掛け・ヘラブナの動きをイメージ]
《アワセ》
アワセは、瞬時に行われる動きです。
手から発した力が、ヘラブナに伝わるまでを、想像してみます。
(水中の仕掛けは、どの様に動くか想像します。棒の先に細い紐を取り付け、上下に振りながら、棒の先を横に移動すると、紐は波型を作ります、紐の一点は、常にその一点の棒側が作った波形を追いかけています。この事を頭においてお読みください。)
合わせた瞬間、2段階の出来事が起きていると思っています。
まず針先がヘラに引っかかる、次にそのハリが刺さる。
〈針先が引っかかるまで〉
- アタリを見定め、竿を軽く上げる。
- その力は、竿の元から先に向かって伝わり、竿先を残しながら水中から抜けていく。その時竿は、軽くしなり、竿先と手尻の距離が少し短くなる。
- 竿がしなった分だけ、竿先が手前に移動し、その分仕掛けも手前に引かれ、浮子も手前に引かれます。シズが打たれてるあたりは、上へ移動します。
- シズが上へ上がることで、ハリスもついていきます。アタリを出したヘラブナの口の中のハリもシズについていきます。この時針先は、水の抵抗を受け、外へ向きます。
〔説明〕外とは:ハリスの引かれる方向は、シズの方向で、シズから垂線を仮想した場合垂線に近づいていきます。中とは垂線の方向、外とは垂線と反対の方向になります。 - 動いた針先は、ヘラブナの口の辺りに引っかかります。
〈引っかかった針先が刺さるまで〉
- 竿先が、水から抜け、その反動で竿先が跳ね上がり、跳ね上がった竿先は、水面に触るか触らないぐらい近づきます。通常、釣り人はこの位置でいったん動きを止めます。
- 水中のヘラブナは、アワセの衝撃を受けていないので、そのまま泳いでいます。
- 釣り人は、少しずつ竿を立ってていきます。
- ヘラブナと、竿先の間の仕掛けが張り、ヘラの重量と、竿立ちで針が刺さります。
《タメ》
ハリ掛りしたヘラブナとその引きを、竿の胴に乗せ、ヘラブナを水面へ引き上げる作業です。
- ハリが刺さった状態のヘラブナは、異常を感じないまま水中を泳いでいます。
- しなやかな竿先が、ヘラブナの動きに合わせ動き、ヘラブナをコントーロールしてくれます。
- 少しずつ竿が立っていくと、ヘラブナは徐々に浮いてきます。
- この辺でヘラブナは異常を感じ出します。思うように泳げないヘラブナは、体を左右に振っていると思われます。その動きが、手のひらにコツーン・コツーン感じられる事があります。
- この状態ぐらいになると、ヘラブナが引く力が竿に伝わってきます。ヘラブナも全力を出し逃れようとし、その力は竿の胴部分に伝わり、竿は大きくしなります。
- ここからの竿の動きは、ヘラブナが引けば、竿先からしなり、曲がりの頂点は、竿の中央 へ移っていきます。中央へ移った曲がりの頂点は、ヘラブナの引きが弱まれば、竿がまっすぐになろうとする力で、曲がりの頂点は、竿先に向かって移動します。
- この動きを繰り返しながら、竿を持つ手をヘラブナの引きにアワセ上げ下げしながら竿を徐々に立てて行きます。
- 竿を握る手の向きは、
・アワセからタメの時は、握りを中心にヘラブナに引かれる方向の反対側は、人差し指の付け根辺りです。
・竿が立ちヘラブナが水面に出る頃には、親指の方向に竿は引かれています。
・腕は、ひじを曲げ、ひじから先が立った状態になります。
(アワセからタメの途中までは、正面方向で竿を支えています。竿が、立つにつれ腕も高くなり、手は右利きの場合、体の右側へ移り、自動的に手のひらの親指の付け根あたりで竿を支えることになります。) - この状態になれば、ヘラブナは、水面へ顔を出す状態です。
《取り込み》
浮いたヘラブナを、竿に負担をかけないように取り込みます。
- 玉の握りを持ち前へ差出、ヘラブナが水面に顔を出せば、それ以上竿を高くせず、体を右回転(右手で竿を持っている場合)します。竿は後ろに引かれ、玉は前え送られます。
- 引かれたヘラブナを、体の回転で、差し出した玉へ引き入れます。
- ヘラブナが玉に納まれば、まず竿を竿掛へ置きます。その後、玉を引き寄せ、ハリをはずします。
- 以上で終了です。
参考:上記《取り込み》 3の状態で、タモにヘラブナが取り込まれた時、そのままの状態(竿にテンションがかかっている状態)で、竿を握っている手のひらを、時計回りに、90度ほどゆっくり回しながら、竿にかかったテンションを抜いていく(竿掛けにに置く)と、竿に出た曲がりを、直すことができる。