像の表情について、いろんな出版物で解説されているが、少年の表情に間違いないとの記述を見た。私も、そういえばなるほど、少年だと感じている。
阿修羅の「争う神」の性格からすると、邪神のはずだが、この像は、そうした阿修羅の宿命をはるかに離れた「世の不合理への少年の無垢の反抗」みたいな雰囲気を表している。
像を彫った仏師は、阿修羅の物語を心得ていたに違いなかろうが、この像の表情を刻んだ着想は、実に信じがたいほど独創性に溢れていると思った。
視線が、全体の表情がリアルである。
憤怒が抑制され、悲しみさえ湛えている。
この像が造られたのは、7世紀か?
当時の宗教世界には、このように自由な表現が認められていたものか。
天平文化の謎であり、魅力である。
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