江戸時代後期の京の絵師で、伊藤若冲に比肩するといわれる彼の作品が紹介されていた。
「紅花屏風」六曲一双。
その屏風には、紅花の生産、加工、流通などに携わる人が220人も書き込まれているという。
私はこの6月、友人と山形へ旅をし、彼の地の伝統産品の紅花を記念館で見てきたのだった。
書かれている人物画はすこぶる多彩、戯画のような素描のような人たちの表情が素晴らしい。

紅花を加工して餅状にしたものを運ぶ人。

紅餅の目方を測る人。

銭勘定をする人。

加工場の女と娘。

おやつの時間だ。

酒を飲ませて商談している。赤い顔しているのはブローカーかな。

つかみ合いの喧嘩になった。
多くの表情や人の動きを掲載したが、これほどの絵を書く画家はおいそれといないだろう。