終戦直後だったろう、昭和20年代と思うが、アメリカからの白黒映画だった。
物語の舞台は、霧深きロンドン。街や家のなかの照明にガス燈が使われていたころのこと。
電気がまだないころの話だから、随分古い。
イングリッド・バーグマン。シャルル・ボワイエ。ジョセフ・コットンが演じており、戦勝国アメリカのあのころの作品というので、戦争に抑圧されていた日本の都会人にはとっても注目されたのだ。
そんな古い時代設定。心理サスペンス映画だが、筋書きはどことなくチャチ。
でも、登場してくる俳優の美しさ、悪漢ボワイエに操られて心がおかしくなってくるバーグマンと、犯罪を予感して真実を暴こうとするロンドン警察の刑事、ジョセフコットン。
戦後早々の日本の都会の映画ファンは、こういう映画こそ文化だと実感することができたのだろう。
あんな時代、私は多分12~15才ぐらいだったんじゃなかろうか。
こういうの、映画館で見た記憶はないが、それでも今、白黒映画として見ると、この時代は昭和だった、戦後だったと、しみじみそう思える映画だったのでした。
時代の、たしかに転換点だったのでした。
最新の画像もっと見る
最近の「文化」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事