次の日、夏休み。「なんだか、ことしの夏休みが、自分の中で一番の思い出になりそう。だって、トカがいるから。」わたしは昨日の場所へ急いで行った。するとトカがばたんと倒れていた。
「だっ、だいじょうぶ!?」わたしはトカをだきおこした。「もしかして、お腹がすいているのかも。」わたしはおやつにもってきていたドーナッツをちぎってあげた。
「まさか食べるわけ・・・・」
「むしゃむしゃ」
「食べてる~!!」
「おいしいよ、ありがとう、ハミー。」
「ええ、元気になってよかった、トカ。」わたしはびっくりした。でもトカが元気になってくれるならそれでよかった。私たちは次の日も次の日も、いっしょに遊んだ。いつのまにか二人、いや一人と一匹どちらも笑顔になっていった。
ある日。「夏休みもあっという間だったね。」
「うん、でも楽しかった。」
「何それ、なんかもうおわかれみたいじゃん。」
「そうだね、、、、。」
その時わたしはトカにあえない気がした。次の日、きのう行った場所へ行ったけどトカはどこにもいなかった。次の日も、次の日も、、、、、。
ある日のこと、わたしはしょぼしょぼ歩いていると地面から声が聞こえた。わたしはびっくりして下をむいたとき、アリが「きのうヘビがトカゲをくわえて巣に行ったんだって、そのトカゲお気の毒にね。」
わたしは思った、トカのこと。でも、、、。わたしはアリさんにこう言った。
「あの、すみません。」
「わっ、おまえはだれだ?」
「わたしはハミー、さっき話していたこと、ほんと?」
「あっ、はい。ほ、ほんとうです。」
「あ、その~、あらたまらなくていいから。それよりトカゲの色は何色だった?」
「えっと、たしか茶色で、、。」
「トカだ!、トカだよっ。」
「おじょうさん、トカゲを探しているのかい?」
「うん。」
「それは無茶だよ。いくらなんでも茶色いトカゲなんてこの辺にたくさんいるよ。」
「トカゲの耳の横ぐらいに傷はなかった?」
「あ~、あった。」
「やっぱり、トカの耳の横には傷があるの。で、あなたヘビのすみか知ってる?」
-----次回に続く
中庭でトカゲを探す子どもたち。自然は子どもたちの感性を育ててくれる。
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