70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

努力は報われるか?

2015-12-26 10:00:00 | 愛すべき子どもたち

最近、「努力は報われる」或いは「成せば成るという体育会的な激励は、かえってその人を不幸にするようなことをよく聞く。「そんな言葉を悪用するからシゴキや虐待が生れる。」などと極端なことを言う方もいる。たしかに設定した目標や目的から考えれば、そうかもしれない。金メダルを目指して努力する人が全員金メダルを得られるわけではない。

 

人生うまく行かないことの方が多いのは事実だ。だれでも希望がなえられず挫折を経験する。でも、子どもを養育する中で、「努力は報われないよ」「頑張ってもどうにもならないよ」と最初から、諭していいものか。

 

人が何かに向かって一生懸命に努力をする時に、その目的に到達する前のプロセスで様々な事を学ぶ。そして実際は、そのプロセスで得ることの方が目的を到達することよりも重要な事の方が多いように思う。努力から忍耐や自制を身に付け、挫折や苦しみから他者の痛みを知る。つまり人間力が鍛えられるのだ。目的を達成した時の賞賛や達成感はいつかは覚めてしまう。でも人間力は一生ものだし、自分や他者を幸せに導いてくれる。

 

だから子どもたちには、勉強の他にスポーツでも芸術でも何かに打ち込めるものを持ってほしいと願う。さんあいの子どもたちは、ゲームが大好きな現代っ子だ。でも中学生になるとみんな何がしかの部活に入ることが伝統となっている。増々冷え込みが厳しくなる中で朝練に出かける子を見送る職員は、思わず「頑張って!」と声を掛ける。人間力が磨かれ少しでも彼らの人生を幸せに導いてくれることを望んでやまない。

何でもいい、一生懸命打ち込めるものから得られるのもは大きい。

 


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おっしゃる通り…納得…確かに努力は報われる (juju)
2015-12-26 22:25:46
と言う言葉をよく耳にします…ね。私個人と致しましてその解釈を心軽く努力は人をそして自分を裏切らないと頑張っていた時代がございました。努力して素晴らしい功績結果が得られなかったとしても努力をしないでいたよりは少なくとも少しずつ一歩に近い半歩は前進しているものと信じ努力をおしまずする事の大事さを学ぶ事はでき人は何かを得られてる…そう思っています。
返信する

コメントを投稿