東北の山の花は6月が見頃、と聞いて岩手県の焼石岳(1547m)、岩手・宮城・秋田県境の栗駒山(1627m)にカミさんと行ってきました。6月28日にFDAで花巻に飛び、水沢の温泉に連泊。29日は焼石岳往復、中沼登山口までは細い林道でパンクしないかヒヤヒヤ、天気は曇りと強風で展望は全くなしでしたが、花の山の名に恥じない、いろいろな花と会うことができました。文章の紹介順に花の写真を並べてみました。
中沼まで登るとヒオウギアヤメやウラジロヨウラクが咲いています。湿地が続く道ばたには巨大なミズバショウの葉っぱが一杯でちょっと興ざめ。つぶ沼コースとの出会いでは残雪の溶けかけた斜面に小ぶりのかわいいミズバショウと鮮やかな黄色のリュウキンカが咲いていました。銀名水を過ぎると雪渓が残り、その周囲に定番のチングルマ、ハクサンイチゲ、ゴゼンタチバナとアカモノ、イワイチョウ、ウサギギク、コバイケイソウなどの他にヒナコザクラが群落を作って咲いていました。下りでは安全のために軽アイゼンをつけましたが、その中を野ウサギがまさに「脱兎のごとく」駆け抜けてびっくりしました。道ばたにはハクサンチドリが花を並べ、その中にミヤマシオガマもあり、山頂にはホソバイワベンケイもありました。【コースタイム】中沼登山口 7:00発、9:10~20 銀名水、11:15~20 焼石岳山頂、12:40~13:40 雪渓通過、15:30 中沼登山口着
30日は栗駒山へ、イワカガミ平まで車で上がりましたが、雨模様で楽な中央コースを往復、ここもハクサンチドリが多くイワカガミとバイカオウレンなど里山の花も咲いていました。山頂はやはり強風と雨でさっさと下り、温泉に戻りました。【コースタイム】9:25 イワカガミ平発、11:15~20 栗駒山山頂、12:35 イワカガミ平着
おまけ、1日は水沢を観光、まずは国立天文台水沢VLBI観測所へ。ここは戦前には緯度観測所があり、木村榮博士が地軸の揺らぎを正確に測定してZ項を発見するという世界的な偉業を成し遂げたところ、これは高校日本史の教科書にもきちんと載っていますが、なかなか日本史の教員はうまく説明できない者が多いので、科学業績のリストの暗記をさせられるだけの場合が多いところです。私はちゃんと説明しましたよ。現在は20mの電波望遠鏡がありますが、これが最近、地球規模の電波望遠鏡観測網の一つとしてブラックホールの撮影に成功したことでも有名なのです。右の写真が天の川銀河の中心にあるブラックホールの写真です。
その次は高野長英記念館、水沢出身の江戸時代末期の有名な蘭学者でしたが、蛮社の獄で弾圧され、非業の死を遂げた人物です。最後に胆沢城跡へ。平安時代、東北地方を武力制圧しようとする大和朝廷軍と蝦夷(エミシ)と呼ばれた先住民の英雄アテルイが戦い、勝利した大和朝廷の坂上田村麻呂が東北支配の拠点として築いたところです。これらも高校日本史教科書には太字で載っていますよ。
早めに花巻空港に戻って搭乗手続きを済ませて時間を待っていたら、乗るはずの機体に着陸直前バードストライクがあり、安全確認と整備が必要と、出発が1時間も遅れて小牧空港に帰ってきました。 by なべさん