記念艦 みかさ

  横須賀は明治時代以降、海軍の町です。今は、海上自衛隊とアメリカ海軍の基地があります。その港の一角に、明治時代の日露戦争、日本海海戦で活躍した聯合艦隊旗艦「みかさ（三笠）」が、ほぼ原型を留めて記念艦として保存され、停泊しています。
　この戦艦は、1900年（明治33年）にイギリスで建造され、1903年（明治36年）日本海軍聯合艦隊の旗艦（司令長官が乗船して指揮する戦艦）となりました。1905年（明治38年）ロシア艦隊を日本海で殲滅する大戦果を挙げました。しかし、その4ヶ月後に佐世保港内で火薬庫の爆発により沈没しましたが、翌年引き揚げられまた現役に復帰しました。数奇な運命を辿っています。
　折しも、ＮＨＫの大河ドラマ　司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」が始まりました。本木雅弘が扮する秋山真之海軍中佐が作戦参謀として活躍します。この海戦の部分の放送は3年後の最終回のようです。「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」という短い文で始まるこの大長編小説。坂の上にある雲を目指す当時の「夢多い、大志を抱く青年群像」。偉大な先人の足跡です。