サテュロスの祭典

神話から着想を得た創作小説を掲載します。

兎神伝〜紅兎四部(34)

2022-04-04 00:34:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二

(34)飛翔

飛んでいる…
遥かなる海の上を飛んでいる…
彼方に見えるのは、楽園に渡り、優しい家族に引き取られて行った丸子達の姿…
もう、いつも裸で船縁に繋がれて、便所代わりに弄ばれる事はない。
いつもお腹を空かせ、餌と称して突き出される穂柱にむしゃぶりつき、白穂を啜って過ごす事もない。
みんな、暖かい着物を着て、美味しいものをお腹いっぱい食べさせて貰って…
ガッコウと呼ばれる場所に通って、友達もたくさんできて、幸せに暮らしている。
燦々と照らす日差しの下…
鴎が飛び交い、海猫が歌う…
水底を覗き込めば、何と沢山の魚が踊っている事だろう。
波の上を跳ね上がるのは、イルカと呼ばれる生き物だろうか…
これは夢…
情事の間に見える幻の夢…
明日には全て消えて…
遣属使としてやってきた、聖領(ひじりのかなめ)の神職(みしき)達に、穂試(ためし)と称し、数日に渡って弄ばれ…
やがては、聖領(ひじりのかなめ)に連れて行かれ、今までにも増して過酷な日々が待っている。
それでも…
『アッ…アッ…アッ…アーンッ…アッ…アッ…アッ…アーンッ…』
若芽は、小さな乳房を優しく揉まれ、跨ぐ恒彦の股間の上で腰を動かしながら脳裏を過ぎる景色…
それは、眩いばかりに煌い輝きに満ちていた。
こんなにも、世界が美しい何て…
もっと…
もっと…
飛んで行きたい…
何処までも…
『アンッ…アンッ…アンッ…アンッ…』
恒彦の穂柱が、次第に固く熱を帯びるにつれ、若芽の全身も火照り出し、下腹部の辺りから、次第に熱いものが込み上げてくる。
また、中で泉の如く湧き出でようとしてるのだろう…
そうしたら、また、更に空高く、更に遠く彼方へと飛んで行けるのだ。
『刑部(ぎょうぶ)様…刑部(ぎょうぶ)様…刑部(ぎょうぶ)様…』
若芽は、平蔵に教わったように、中で穂柱を扱くように肉壁を締緩しながら、更に腰の動きを早めてゆく。
心地良い…
何て心地よいのだろう…
平蔵の田起(たおこし)を受けた時…
弄られても、挿れられても、痛くもなければ辛くもない…
こんな心地良い穂供(そなえ)があるのだと驚いたけれど…
今はもっと心地よく、暖かい…
『穂供(そなえ)をするとな、相手の心の内がよっくわかる。』
更に絶頂の予感が高まるにつれ、平蔵の濁声が耳の奥底を過ぎる。
『相手の心の内…ですか?』
『そうだ。どんなに取り繕って見せてもな、穂供(そなえ)をして、心地良いと感じぬ相手には気を許さん事だ。特に…穂供(そなえ)で女に痛い思いをさせる男は、ろくでなしだ。』
『あの…』
『なんだ?』
『平蔵様…』
『平蔵様ではない。哲人のテツ…テッちゃんだ。』
『テッちゃんは、その…私とされて…その…』
『おうおう、気持ち良いとも、気持ち良いとも。まるで、常世にいる心地だ。おめぇが気立の良い子だとようわかる。』
『本当でございますか?』
『本当だとも。鈴子と美雪より、おめぇの方がずっと心地良いぞ。』
『鈴ちゃんや、ミッちゃんより?』
『いやいや、あの子達も良い子なのはわかるんだがな、いかんせん、気が強すぎるのがな…その点、おめぇは本当に優しくて良い子だ。
あ…
でも、これは、あいつらには内緒だ。こんな話をしたのが知られたらな、今度こそ、本当に穂柱と穂袋を噛みちぎられるでな。』
『まあ、テッちゃんったら…』
思い出し笑いをしかけた時…
『アッ…』
若芽は、思わず声を漏らし、全身を硬直させた。
恒彦の放つ暖かなモノが、中で広がってゆく…
最初は下腹部の内側で…
更にその暖かさは、全身隈なく広がって行き…
同時に、頭の中が真っ白になったかと思った刹那…
飛んでる…
高く高く…
飛んで行く…
まるで、勢いよく浮き上がったかと思うや、綿雲の中に包み込まれるような感覚に陥っていった。
気付けば、若芽は恒彦の胸に倒れ込んでいた。
日頃は華奢に見えるが、着物を脱げば屈強な腕が肩を抱き、無骨な手と指先で、若芽の頬や頭を撫で回している。
暖かい…
何て暖かいのだろう…
胸の奥底で、囲炉裏の火が焚かれたような心地がする。
すると、また、平蔵の濁声が耳の奥底を過ってゆく。
『それはな、おめぇが、ツネ公を慕ってる証拠だ。』
『私が…刑部(ぎょうぶ)様を?』
『そうだ。腕に抱かれて、優しくされて、胸の奥底に囲炉裏の火が焚かれたような心地がするのは、その男を慕ってる証拠だ。
初恋…って、奴だな。
どうだ、そう言う気持ちになるって、良いもんだろう。』
『はい。でも、私…』
『此処の疼きが止まらなくて、辛えか。』
『アァァ…アンッ…アンッ…テッちゃん…そこ…』
『もっと、慰めて欲しいか?』
『…』
『なーに、恥ずかしがる事はねぇ。腹が空けば、腹の虫が鳴くのと同じ事…
朧の里では、女の子のいる家では、普通に父や兄が、こうやって娘や妹の疼きを慰めてやりながら、自分で鎮める方法を教えてやってる。
幼な子に、手ずから粥を食わせ、箸や匙の使い方、椀の持ち方を教えるのと同じ事よ。
さあ、手をそっと神門(みと)に添え、ワレメを指先で…』
『アンッ…アンッ…アンッ…』
『そうだ、旨いぞ。参道の中は繊細に出来てるからな、優しくそっと…傷つけねぇようにな。』
『アンッ…アンッ…アンッ…』
『よしよし…疼いて眠れねえ時は、そうやって慰めるんだ。
それで、次第に身体(からだ)が解れてきたら、ツネ公に抱いて貰え。本当に疼きを鎮めるには、抱いて貰うしかねぇからな。』
『あの…でも、刑部(ぎょうぶ)様には、佳奈さんと言う方が…』
『それは、それだ。男女の思いを一人に限定する必要は全くねえ。食い物だって、湯漬けが好きだからって、味噌汁を食っちゃいけねえ道理がないのと同じだ。
惚れあった相手がいても、他に惚れた奴、惚れてくれた奴がいれば、抱いてやり、抱かれてしまえば良い。それで子ができれば、皆で育ててやれば良いのよ。そうやって、人と人との繋がりは広がってゆくもんだ。』
確かに…
恒彦に抱かれ、中に放たれる度に、心は海の彼方へと飛び立って行き、世界は大きな広がりを見せたような気がする。
だけど…
抱かれている時は、心地よさに夢中になって忘れてしまっていたけれど…
こうして潮が引き、恒彦を想い始めてからの長い疼きが鎮まりすっきりすると、また、佳奈と言う少女の事を思い出す。
ずっと一人ぽっちだった恒彦が、佳奈と暮らし始めて、漸く潤いを得たと言う。
佳奈と言う子もまた、同じだと言う。
孤独だった二人が出会い、漸く肩を寄せ合い、暖かな潤いを得た。
でも…
佳奈さんは、まだ、抱いて貰ってないんだっけ…
互いに愛撫しあい、穂柱を口で慰め、白穂を呑み込んで終わりだと言う。
それでも…
『刑部(ぎょうぶ)様の味は、磯の味がします。広い広い海の味がします。』
そう言って、佳奈は愛する男の全てを得た思いで、無邪気に喜んでいると言う。
だのに、自分が先に抱かれてしまって…
佳奈さんは…
佳奈さんは…
と…
不意に顔を上げると、恒彦がジッと自分を見つめている事に気づいた。
『刑部(ぎょうぶ)様…』
若芽は、何か言いかけ、口を噤む。
出会った時から心を寄せていた男に抱かれ、満ち足りた気持ちの自分とは真逆に、恒彦の目は、深い悲しみとも苦悶ともつかぬ眼差しをしていたからである。
やはり、佳奈さんより先に自分を抱いてしまったから…
若芽もまた、それまでの喜びと打って変わって、締め付けられるような胸の痛みを覚えた。
何て事をしてしまったのだろう…
佳奈さんを差し置いて、抱かれてしまうなんて…
しかし…
『あの…刑部(ぎょうぶ)様…私…
『薊…』
『あ…薊?』
恒彦の口から出てきたのは、全く違う、聞いた事もない女の名であった。
『薊…薊…薊…』
恒彦は、譫言のようにその名を口走りながら、見る間に青ざめ震え出し…
『薊っ!』
最後に一際声を上げて叫んだかと思うや、若芽をいきなり押し倒した。
『刑部(ぎょうぶ)様っ!』
若芽は、恒彦の突然の変貌に、一瞬の戸惑いを見せたが…
『アッ…』
恒彦に唇を吸われ、首筋を舐められ、無骨な手に椀を逆さにしたような乳房を揉まれ、指先で神門(みと)を弄られるにつれ…
『アンッ…アンッ…アンッ…アンッ…』
若芽の意識はまた、広い大海原へと投げ出されて行き…
『アッ…アーーーーーーンッ!』
再び膨張を見せた恒彦の穂柱が、仄かに若草を茂らせた神門(みと)のワレメを分入り、参道の奥への潜り込んで行くと、それまでの思いは綺麗に吹き消えた。
今はまた…
飛んでいる…
遥かなる海の上を飛んでいる…
『アーンッ!アンッ!アンッ!アーンッ!』
次第に、中で熱を帯び出す恒彦の穂柱の温もり…
泉の如く迸る予兆…
『刑部(きょうぶ)様!刑部(ぎょうぶ)様!刑部(ぎょうぶ)様!』
気付けば、声高に恒彦を呼ばわりながら、屈強な背中に腕を回し、分厚い胸板に顔を埋め、やがて訪れる飛翔の時を待ち焦がれていた。

兎神伝〜紅兎四部(33)

2022-04-04 00:33:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二

(33)兎喰

揺れる…
ゆらゆらと揺れている…
揺籠にも似た心地良い揺れ…
しかし、その揺れは、不意に初めて乗った船酔いの揺れに変わった。
『ウグッ!ウグッ!ウグッ!ウグゥゥゥッ!』
遠き日の甘い眠りは、苦悶に満ちた呻きに覚まされた。
『薊!』
思わず飛び起きる恒彦の目の前で、ほっそりとした小さな身体(からだ)に、荒くれ男が三人掛りで群がっていた。
『ウッ…ウッ…ウッ…』
『オッ…オッ…オッ…』
『フゥ…フゥ…フゥ…』
剛毛に覆われた三人の荒くれ達は、薊の口と股間と尻の三つの孔を同時に貫き、獣じみた声をあげていた。
周囲では、先に事を終えた男達が褌を締め直し、次の順番を待つ男達は膨らませた股間を揉みながら、涎を垂らしながら見物をしていた。
既に何人の男達に貫かれたのであろう…
薊の股間と尻の孔から、血混じりの白穂が滴り落ちていた。
『ウグッ!ウグッ!ウグッ!ウグッ!』
薊はまた、三つの孔を抉られる度に、苦悶に満ちた声を漏らした。
『クフッ!クフッ!クフッ!』
捻り込まれた穂柱の先端が、咽頭を突くのであろうか…
時折、喉の奥でむせ込みだす。
しかし、図太いモノで口を封じられ、咳き込む事ができず、目にいっぱいの涙を浮かべていた。
それでも、薊の三つの孔を貫く男達も、周囲で見つめる男達も、一編の憐憫をかけようとする者はいない。
周囲で見つめる男達は、相変わらず涎を垂らしてニヤけており…
三つの孔を貫く男達は…
『ウォッ!ウォッ!ウォッ!』
『オォッ!オォッ!オォッ!』
『フゥッ!フゥッ!フゥッ!』
一段と声と息を荒げながら、腰の動きを早めて行った。
『ウグゥッ!ウグゥッ!ウグゥッ!』
涙を溢れさせ、薊の漏らす苦悶の声が、哀れを誘う。
『やめろ…やめろ…やめろーっ!!!』
最初は金縛りにあったように震えて見つめていた恒彦は、遂に声を張り上げ、男達の間に割り込もうとした。
すると…
『恒彦、おめえにはつくづく失望させられたぞ。』
野太い声と共に、肩を掴まれ抑えつけられた。
『親父…』
『船酔いはするは、兎相手に甘っとろい飯事遊びに興じるわ…女の味を覚えて早々、百舌の奴を責め殺した時は、見所ある奴だと頼もしく思ったがな…俺は、つくづくガッカリさせられたぞ。
さあ、もう一度よく見ておけ。兎は、こうやって喰うもんだ。』
恒彦の父…
御宮一家の頭、善治郎は前一本欠けた黄色い歯を見せてニヤけると、恒彦の顔を無理やり薊の方に向けた。
『ウォォォーッ!!!!』
『オォォォーッ!!!!』
『フゥゥゥーッ!!!!』
三人の渡瀬人(とせにん)達が、思い切り三つの孔を突き立て、獣のような咆哮をあげるのと…
『グフゥゥーッ!!!!』
薊が背中を弓形にして、苦しげにあげる呻きが交差する…
暫しの間、薊の三つの孔を貫いたまま、臀部をヒクつかせて静止していた三人の渡瀬人(とせにん)達は、事を終えると、漸く穂柱を引きぬいた。
『ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!』
激しく咽せ込む薊の股間と尻の孔から、鮮血混じりの白穂が、ドロッと溢れ出してくる。
『ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!』
咽頭目掛けて放たれた、大量の白穂が、気管に絡みたくのであろう…
薊は、口と喉を押さえ、更に顔を真っ赤に咽せこみ、転げ回り続けた。
しかし…
『さあ、次は俺達の番だ。』
『オラッ!脚を拡げろよ、脚をよ!』
先に事を終えた仲間が、未だ糸を垂らす穂柱の先端を布切れで拭き取る傍ら…
順番を待ち焦がれていた別の渡瀬人(とせにん)三人が、早くも褌を脱ぎ捨てると、薊の手を押さえ、乱暴に脚を開かせるや、血と白穂まみれの股間の参道と尻の裏参道に荒布を捻り込み出した。
『イッ!イギーッ!』
薊は、爛れた剥離塗れの肉壁を擦られる激痛に、首を振り立て呻きを上げる。
三人の渡瀬人(とせにん)達は、そんな薊の姿に憐憫の情を寄せるどころか、ますます穂柱を膨張させ…
『ヒヒヒヒ…こんな汚ねえところに、でぇーじな俺の一人息子を通すわけにゃーいかんからな。』
『しっかり拭き取って、綺麗にしてから、息子を通してやるぜ。』
一層、激しく乱暴に荒れた参道の肉壁を擦り、先に放たれた白穂を掻き出し拭き取り続けた。
『イギッ!イギッ!イギッ!ヒィーッ!!!!』
首を振り立て、身を捩って呻く薊の声が、物悲しく船内に響き続ける。
しかし、それはまだ、始まりに過ぎない事を、薊は知っている。
『さあ、俺の上を跨いで、四つ足になって貰おうか。』
薊は目にいっぱい涙を溜め、しゃくりあげながら、言われるままに、渡瀬人(とせにん)の一人の上を跨いで四つ足になる。
跨がれた渡瀬人(とせにん)は、薊の髪を乱暴に鷲掴んで顔をあげさせるや、ニンマリ笑いかけながら、もう片方の手で、薊の股間を弄りだす。
やがて、神門(みと)の位置を正確に確認すると、膨張した穂柱を慎重に貫き出した。
『ウグーッ!』
思わず目を瞑り、固く口を食いしばって呻き出す薊に…
『どうだ、やっぱり白穂でべたついているより、乾いている方が具合良いだろう。』
渡瀬人(とせにん)は、嘲笑うように言いながら、次第に腰の動きを早め出す。
『ウグーッ!ウグーッ!ウグーッ!』
薊は、顎を逸らし、背中を弓形にしながら、更に苦悶の呻きを上げた。
すると…
『表だけじゃー、物足りねぇなー。裏にも通してやろうじゃねーか。』
もう一人の渡瀬人(とせにん)が言うなり、尻の裏神門(うらみと)に穂柱を突き立て…
『オラオラ!呻いてないで、口を開けろ!俺のをしゃぶるんだよ!』
更に別の一人が薊の頬を激しく打ちながら、口を開かせ、穂柱を捻りこんでいった。
それが、どれほど続けてられていったかは定かではない。
三人が事を終えれば、また別の三人が…
その三人が終われば、更に別の三人が…
そうして、順番待ちの三人が一順すれば、最初の三人から、また同じ事が始められる。
恒彦は、父親の善治郎に無理やり薊の方に向けさせた顔を必死に背けようとしつつ…
思いとは裏腹に、身体(からだ)は反応を示し出す。
股間が、異常にムズムズと疼き出したのだ。
同時に、それまで渡瀬人(とせにん)達に交代で回される薊から、必死に目を背けようとしていたのと打って代わり、見たいと言う欲求にかられ出した。
苦悶に呻く薊の姿から、目を背けようと言う思いと、見たいと言う欲求…
目を背けても、聴こえて来る渡瀬人(とせにん)達の喘ぎと、薊の呻き…
自然に起こる生理現象は、意識だけではどうにもならず、身体(からだ)は更に疼いてゆく。
やがて、少しずつ意思は欲求に打ち破られてゆき…
気づけば、恒彦の目は、渡瀬人(とせにん)達に回される薊の姿に釘付けられていた。
『どうだ、おめえもそろそろやりたくなってきたろう?それでこそ、男ってもんだ。』
善治郎は、不意に恒彦の褌を外すと、極限まで膨張している息子の穂柱を見て、ニヤけて言う。
『ムグッ!ムグッ!ムグッ!ムグググゥゥゥーッ!』
恒彦は、何も答えず、相変わらず目の前で三つの孔を抉られ、苦しげに呻く薊を、無言で見つめ続けた。
すると…
『なーに、黙り込んでる。やりてぇなら、やっても良いんだぞ。ほれ、此処がムズムズ疼いて辛かろう?やったら、気持ちえぇぞー。』
善治郎は、無造作に恒彦の穂柱を掴み、揉み扱き出した。
『ウッ!』
思わず声を漏らす恒彦の目の前で…
『ムグッ!ムグッ!ムグッ!』
いよいよ絶頂を間近に控えた三人の渡瀬人(とせにん)達に、一層激しく三つの孔を抉られ、身悶えしている。
『ウッ…親父…やめっ…』
一瞬、父に抗いかけた恒彦だが…
『オォッ!オォッ!オォッ!』
『ウォッ!ウォッ!ウォッ!』
目の前で、薊の股間と尻の孔を抉る渡瀬人(とせにん)の腰の動きに合わせて穂柱を扱かれるうちに、恒彦は金縛りにあったように硬直し…
やがて…
『オォォォーッ!』
『ウォォォーッ!』
『フゥゥゥーッ!』
三人の渡瀬人(とせにん)達が、薊の三つの孔に放つのと同時に、恒彦の穂柱からも大量の白穂が放たれた。
『どうだ、目の前で兎が喰われるのを見て放った気分は。気持ち良ぇだろう。』
漸く解放する息子を見下ろしてニヤける父の前…
『ハァ…ハァ…ハァ…』
恒彦は、床に手をつき肩で息をしながら、目の前の床に目を留め震え出した。
『アァァ…俺は…俺は…』
そこに染み付く、大量の白濁した生臭いモノ…
薊が弄ばれる姿に欲情し、身体(からだ)を反応させてしまった事を明かしている。
『さあ、今度は、おめえが兎を喰う番だ。』
善治郎は、尚も震え続ける恒彦の髪を掴み上げると、また薊の方に顔を向けさせた。
渡瀬人(とせにん)達に、数えきれぬ程貪り尽くされた薊は、口と神門(みと)と裏神門(うらみと)から白穂を垂れ流し、ぐったりと横たわっていた。
『どうした?早く喰え!喰ったら、また、褌を締めさせてやるぞ。』
善治郎は言うなり、薊の側に蹴倒す恒彦に、褌をちらつかせて見せた。
『ほれほれ、おめえの褌、男の証だ。早く兎を喰って、男になって見せろや。』
すると、周囲からは…
『それとも、坊ちゃんは女でいる方が好みですかい?』
『坊ちゃんのケツの締め付けは、格別でやしたからねー。』
『舌使いも抜群でやしたよ。覚えてやすかい?十一の時、信治の奴にケツを抉られサオを扱かれながら、あっしのをしゃぶりなすった時の事をよ。ありゃー、たまりやせんでしたぜ。』
『ささ、兎を喰えねえなら、昔みたく、こっちにケツを向けておくんなせぇ。あん時みてぇに、たっぷり可愛がってやりやすぜ。』
渡瀬人(とせにん)達の下卑た野次と笑いが飛び交ってくる。
『ウゥゥッ…』
脳裏に交差する、渡瀬人の男達に玩具にされ続けた幼き日々の地獄の光景と、目の前で陵辱された薊の姿に、恒彦は苦悶の声をあげ…
『どうした?早う兎を喰え。それとも…やっぱ、喰われる方が良えのか?それならそうと…飯事遊びに興じたその兎と、仲良く並べて、喰ってやってもえぇんだぞ。
そんでもって、おめえは一生、褌つける事も許されず、サオもタマも丸出しに、玩具にされ続けるんだ。』
善治郎が、更に追い討ちをかけるように恒彦の肩を抱き、頬を舐め回しながら、剥き出しにされた穂柱と穂袋を握ってくると…
『うわぁーーーーーっ!!!』
恒彦は、遂に狂ったような声をあげて、薊に飛びついて行った。
それからの記憶は、完全に飛んでいる。
自分が、薊に何をしたのか、どんな風に貪ったのか、何一つ覚えていない。
ただ…
『ウゥゥーッ!ウゥゥーッ!ウゥゥーッ!』
『アァァーッ!アァァーッ!アゥッ!』
絶えず耳に飛び込む、苦悶に満ちた呻き声…
二つの孔を抉り、白穂を放つ感触…
それだけが、二十数年経った今もなお、生々しく身体(からだ)に染みついている。
『あ…薊…』
漸く我に返った恒彦の周囲には、下卑た野次を飛ばして取り巻いていて渡瀬人(とせにん)達の姿はなく…
息も絶え絶えな薊だけが、そこに転がされていた。
『でかしたぞ、恒彦。』
『親父…俺は…俺は…』
『やっぱ、おめぇは俺の倅だ。船に乗って早々に酔い潰れた時はガッカリだったがな、これで、おめぇは正真正銘の一端の男だ。』
善治郎は、震えて顔を見上げてくる恒彦に、また黄色い歯を見せてニヤけると、褌を投げつけ、その場を去って行った。
恒彦は、暫しの間、念願の褌をつける気にもならず、茫然とそこに転がる薊を見つめ続けた。
この時になり、今更のように、忘れかけていた、責め殺してしまった妹の百舌の事を思い出す。
『アッ!アッ!アッ!キャーーーーッ!!!』
尻の裏参道に指を捻り込んだ瞬間…
形容不能な絶叫をあげる七つの少女の声…
『痛い痛い…痛いよう…』
『痛い…痛い…もう…もう…やめてよう…痛い痛い…』
最初は裏参道…
次には参道に、穂柱を捻り込む度に、悲痛な声をあげて泣き噦る妹の顔…
あの時は、意に解するゆとりすらなかったが…
今になって、そこに転がる薊の姿と重なり蘇り、恒彦を責め苛み続けた。
『何て事を…俺は…俺は…何て…』
気付けば、恒彦は胸を掻き毟りながら、咽び泣いていた。
すると…
『恒彦様…』
不意に、もう死んでいるのではないかと思われていた薊が、恒彦の方に手を伸ばしてきた。
『薊!すまねえ!すまねえ!』
恒彦は、思わず飛びつくように側に寄ると、薊は伸ばした手を恒彦の頬に触れさせた。
そして…
『薊…俺は…俺は…』
尚も何か言いかける恒彦を遮るように力なく首を振り、何とも優しげな笑みを浮かべて見せた。
『薊…』
『刑部様…』
恒彦は、漸く長い夢から覚めたように現実に返ると、腕の下から心配そうに見上げる若芽の顔がそこにあった。