救急病院に向かうタクシー、猫好きな運転手さんのマシンガントークを上の空で聞きながら、
キャリーに入れたワタシの手のひらにそっと顎を載せていたカナくん。
あのかすかな重みをまだ憶えている。
病院で残された時間が1〜2日であることを告げられた後、
ガラス張りの酸素室の中でこちらに訴えかけるように鳴いて動いていたカナくん。
先生はもう意識は薄れているようなことをおっしゃっていたけれど、
身体が動いていたのも痙攣だったのかもしれないけれど、
ワタシには「お家に帰りたい」って言ってるように見えた。
とにかく、意識があるうちに連れて帰りたい。
チャロさんが待っている家に、短い期間だったけれど一緒に暮らした家に連れて帰りたい。
多分、あの時が一番取り乱していた気がする。
帰りのタクシーは静かで、とにかく一刻も早く家に着くことだけを願っていた。
そして、無事にたどり着けることができた。
あの夜のこと、忘れることはないだろうな。


キャリーに入れたワタシの手のひらにそっと顎を載せていたカナくん。
あのかすかな重みをまだ憶えている。
病院で残された時間が1〜2日であることを告げられた後、
ガラス張りの酸素室の中でこちらに訴えかけるように鳴いて動いていたカナくん。
先生はもう意識は薄れているようなことをおっしゃっていたけれど、
身体が動いていたのも痙攣だったのかもしれないけれど、
ワタシには「お家に帰りたい」って言ってるように見えた。
とにかく、意識があるうちに連れて帰りたい。
チャロさんが待っている家に、短い期間だったけれど一緒に暮らした家に連れて帰りたい。
多分、あの時が一番取り乱していた気がする。
帰りのタクシーは静かで、とにかく一刻も早く家に着くことだけを願っていた。
そして、無事にたどり着けることができた。
あの夜のこと、忘れることはないだろうな。

