こんにちは蟹バリズムです。
今回紹介するのは『炭素クレジットの実態』です。
ジャンルはドキュメンタリーとなっております。
【上映時間】
46分
【制作国】
撮影地:オーストラリア、パプアニューギニア
製作国:オーストラリア
【監督・脚本・キャスト】
取材:スティーブン・ロング
製作:マックス・マーチ
リサーチ:メグナ・バリ
編集:サイモン・ブリンジョルフッセン
撮影:ルイ・エロール
【映画祭受賞歴】
なし
【あらすじ】
森林の炭素吸収量を資産として取引するビジネス「炭素クレジット」の実態に迫る作品。米国の企業が、パプアニューギニアで展開しているこの事業は、森で暮らす住民の収入となり、種の多様性を守り、気候変動を抑止するという3つのメリットを訴える。購入者の多くは、隣国オーストラリアの企業だ。しかし事業開始から何年経っても、住民に経済的恩恵は与えられず、学校運営さえもできない。企業は、無知な住民に不利な契約を結ばせ、不当に利益を得ていた。一方で、炭素クレジットの対象区域内で森林伐採を行い、森の破壊を進める。「炭素市場が気候変動を加速させる危険がある」と気候ディレクターは警鐘を鳴らす。環境ビジネスの闇がここにある。
【背景】
◆不透明な取引や住民への詐欺的な行為も横行◆
「炭素クレジット」は、森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などを行うことで生まれた二酸化炭素などの温室効果ガスの削減効果を、企業がクレジット(排出権)として発行し、他の企業・団体との間で取引できるようにする仕組みです。化石燃料に頼る産業では、炭素クレジットを購入することで、自社の温室効果ガス排出量と相殺することができ、今後も成長が見込める市場と言われています。一方で、クレジットの真の権利者が誰なのか、事業者の報告や認証が虚偽だった場合の処理などのルールが明確に定まっていない場合もあります。安定性を欠いた取引に対して、国際的に改善の動きが見られます。
【ネタバレなし感想】
「炭素クレジット」という取り組みは、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減を減らしていくことが目的である。
しかしパプアニューギニアでは識字率が低く経済的に豊かではないため、弁護士を挟まず口頭で説明して住民に不利な契約を結ばせた。
こういう事業が増えてしまうと、本来温室効果ガスの削減が目的であるはずの「炭素クレジット」が、逆に気候変動を加速させてしまう危険がある。
そんな悪徳事業を、深く掘っていくドキュメンタリー映画。
日本で生活していると身近に感じないことではあるが、「地球温暖化」という面では間接的なつながりがある。
環境ビジネスの闇がたっぷり詰まった作品。
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