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セコい将棋オヤジ

令和時代の図書館新戦略

図書館 =本を借りる場所、読書の場所。

というのが一般的だが、本当にそうだろうか?

セコイ将棋オヤジは、4年間図書館に勤めたが、今や図書館で本を読んでいる利用者の割合は少数派。

大半の方々は、自宅から持ち込んだ参考書で勉強している。
又は、スマフォやタブレットを眺めていた。

図書館を離れて数年経つ。コロナ禍以降、図書館には行っていないが、スマフォやタブレットを眺めている人の割合は今やもっと多いだろう。

実際、本当に本が好きな人は図書館ではなく書店に行く。

4年間の図書館勤務の間、53の公共図書館を見学したが、実は進んでいると言われる指定管理者+築浅の図書館でもこの割合はあまり変わらない。

多くの図書館では、「こども向けの読書活動」「読書環境の整備」「レファレンスの充実」に、
限られた予算と、
大半の人材を投入している。

しかし、これで本当に生き残れるのであろうか?

甚だ疑問である。

紙媒体の図書の価値は否定しない。
あと100年先でも、今のレコードやビデオテープやフロッピーディスクのようになくなることはないだろう。
しかし、その地位は低下しつつある。
今や図書館員からレファレンスを受けてお勧めの本から知識を得るよりも、スマフォでGoogle先生からお勧めのYouTubeの動画を見た方が、遥かに早く、知識を得ることができるからである。
つまり、いつの間にか司書よりも利用者の方が進んでしまっているからである。

しかし、今からでも遅くない。
ソフトには将棋で勝てないと悟った将棋指し達が、人類の英知を結集して、藤井聡太という天才を利用して世間の注目を浴びているように、図書館業界も、Google先生に負けないよう英知を絞るべきである。

そこで生き残りのための提案をしたい。

一つはインターネット環境の整備である。
最近では、Wifiや電源席がある図書館もあるが、節電の名目(今は電気は余っているんだけど、、)で使えなかったり、Wifiがあっても時間制限や、2.4HGのショボい通信速度だったり、、、とか

大半の図書館利用者から言わせれば、

「本なんか買わなくて良いから、電源とちゃんとしたWifi用意しろよ。」

という意見が実は多いはず。

実際、電源と 11ac対応のルーターであれば6桁の予算で整備できる。

図書館の人は本が大好きなので、なかなか6桁の予算を確保するのは難しいけど、、、

電源とWifiは、実は本よりも場所を選ばない。

本は紙。湿気は嫌う。燃えやすい。普通の建物に置いていたら劣化して何年も持たない。中身は本体よりも消耗が早い。
それなりの場所と設備、対策や管理に人手が必要である。

一方、普通の建物であれば、回線契約+電気通信設備で完結。

設備や人、モノの費用は基本的にかからない。今や全国各地のショッピングモールのテナントがコロナ禍と、ネットショッピングに対抗できず空きまくっているので、そうした空いたところに図書館が入る手もアリである。

図書館の機能として重要な、学習の機会の提供の面でもネット環境の整備は重要だ。
なぜなら、動画教材、ブログ、YouTubeに有料、無料は問わず良質なコンテンツが増えて来ているからである。

一例をあげると、普通の図書館にはどこにでもある消防設備を点検する消防設備士免許を取得する場合を考える。
消防設備士は合格率30%くらいの資格でさほど難しくはないと思われるが、
たまたま消防関係の職場に配属された未経験の40代の人間が取得するのは無理ゲーである。少なくとも5年位前では。
唯一の方法は、お金と時間を大量につぎ込み講習に行くしかなかった。
しかし、今では、数万円の動画教材と、それにつぎ込む時間さえあれば、50代未経験でも容易に取得できる。
何故なら、1万円タブレットやスマートフォンを駆使し、動画教材で学習し、足りない部分は、YouTubeや専門ブログ等を参考にしながら学習できるからである。
この方法は、ひと昔前の何冊も参考書を買う。あるいは講習を受けるという学習法よりも遥かに効率的で低費用で資格が取得できるようになっている。
しかも、動画教材やインターネット上に公開されているコンテンツは、まだ発展途上。
昨年出たモノよりも最近公開されているモノは明らかに良くなっている。
これからもどんどん良くなるであろう。
こうしたコンテンツを利用している方は、今や貸しスペースに移っている。

民業の圧迫は避けるべきだが、
学習機会の提供という公共図書館の使命を果たす上で、電源や最低限のWifi環境といったインターネット環境の整備は、レファレンスサービスよりも遥かに重要である。

令和時代の新図書館戦略

ネット環境>読書環境

コロナ禍をチャンスとして、良質なネット環境を提供することが、いま公共図書館に求められている。

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