(31)曳き船 Remorques
1941年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕ジャン・グレミヨン
〔原作・脚本〕ロジェ・ヴェルセル〔脚本〕シャルル・スパーク、アンドレ・カイヤット、ジャック・プレヴェ-ル(台詞)
〔撮影〕アルマン・ティラール〔美術〕アレクサンドル・トローネル〔音楽〕アレクシス・ロラン=マニュエル
〔ギャバンの役〕救助船サイクロン号の船長アンドレ・ロラン
〔共演〕ミシェール・モルガン、マドレーヌ・ルノー、フェルナン・ルドゥー、ジャン・マルシャ、シャルル・ブラヴェット、ナーヌ・ジェルモン、アンヌ・ローラン、マルセル・ペレ、アラン・キューニィ
〔封切〕1941年11月27日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕DVD
〔注〕1939年7月に撮影開始。大戦勃発で何度もの中断を経て、1941年9月に完成した。暴風雨で遭難した船を救助するサイクロン号の船長(ギャバン)には心配性で病身の愛妻(ルノー)がいるが、ある日救助した船に乗っていた若い女(モルガン)と知り合い、二人は熱烈に愛し始める。男と女二人の三角関係のメロドラマであるが、北フランスの荒海と港町、そして寂寥とした浜辺を舞台に人間の生きざまがドラマチックに描かれ、感動を生む秀作になった。ギャバンとモルガンはこの頃恋愛関係にあったが、二人のラヴシーンを見ているとほんものの愛情が放電して画面から伝わってくるようだ。とくに二人で浜辺を歩いていて、ヒトデを見つけて語り合う場面が印象深い。ジャック・プレヴェールによる台詞の素晴らしさは格別。
(32)夜霧の港 Moontide
1942年 黒白(スタンダード)95分
〔監督〕アーチー・メイヨ
〔原作〕ウィラード・ロバートソン〔脚本〕ジョン・オハラ(台詞)、ナナリー・ジョンソン
〔撮影〕チャールズ・G・クラーク、リュシアン・ボラード〔美術〕リチャード・デイ、ジェイムス・ベイスヴィー、トーマス・リトル〔音楽〕シリル・J・モックリッジ、デヴィッド・バトルフ
〔ギャバンの役〕フランス人の冒険家ボボ
〔共演〕アイダ・ルピノ、トーマス・ミッチェル、クロード・レインズ、ジェローム・コーワン
〔封切〕1942年4月29日(米)、1944年10月25日(仏)
〔日本公開〕1947年2月
〔ソフト〕You Tube(インターネット)
〔注〕米国の20世紀フォックスが製作。ドイツ軍によるパリ占領後、米国へ渡ったギャバンがハリウッドで撮った第1作。ギャバンは英語の台詞を覚えて話した。カリフォルニアの港町で船大工として働くフランス人の男(ギャバン)が殺人事件に巻き込まれ、また一方で身投げするのを救った女(リピノ)と愛し合うが、最後はハッピーエンド。凡作。フランス語のタイトルは、La Péniche de l'amour(愛の小舟)。
(33)逃亡者 The Impostor(L'Imposteur)
1943年 黒白90分
〔監督・脚本〕ジュリアン・デュヴィヴィエ
〔脚本〕スティーブン・ロングストリート、リン・スターリングほか
〔撮影〕ポール・イヴァノ〔美術〕ジョン・グッドマン、ユジェーヌ・ルリエ、ラッセル・ゴスマン〔音楽〕ディミトリ・ティオムキン
〔ギャバンの役〕逃亡者クレマン、別名モーリス・ラファルジュ
〔共演〕リチャード・ウォーフ、アリン・ジョスリン、エレン・ドリュー、ラルフ・モーガン、デニス・モール
〔封切〕1944年2月10日(米)、1946年7月10日(仏)
〔日本公開〕1950年8月
〔ソフト〕You Tube
〔注〕ギャバンのハリウッド映画第2作でユニヴァーサルが製作。同じく米国に渡っていたデュヴィヴィエが監督した。脱獄した死刑囚(ギャバン)が死んだ人間になりすまして、アフリカ戦線へ赴き、戦死するまでを描いたもの。フランスと日本では戦後公開されたが、不評だった。