ジャン・ギャバンと映画人たち

Jean Gabin et ses partenaires au cinéma

ギャバン出演映画リスト1946年~50年 Filmographie, 1946-50

2015-09-28 | ギャバン出演映画リスト
 
(34)狂恋 Martin Roumagnac
 1946年 黒白(スタンダード)103分
〔監督・脚本〕ジョルジュ・ラコンブ
〔原作・脚本〕ピエール=ルネ・ウルフ〔脚本・台詞〕ピエール・ヴェリー
〔撮影〕ロジェ・ユベール〔美術〕ジョルジュ・ワケヴィッチ〔音楽〕ジョヴァンニ・フスコ、マルセル・ミルーズ
〔ギャバンの役〕建築技師マルタン・ルーマニャック
〔共演〕マレーネ・ディートリッヒ、ダニエル・ジェラン、マルセル・エラン、マルゴ・リオン、ジャン・ディド
〔封切〕1946年12月18日(仏)
〔日本公開〕1949年8月
〔ソフト〕DVD
〔注〕大戦中米国へ渡ったギャバンはハリウッドでマレーネ・ディートリッヒと出会い、二人はすぐに恋に落ち、同棲するまでに至ったが、ギャバン入隊後、離れ離れになった。しかし、終戦後パリで再会し、二人の親密な関係は2年ほど続いた。そんなギャバンとディートリッヒが共演した唯一の映画がこの『マルタン・ルーマニャック』(男主人公の名)。邦題は『狂恋』で、内容もまさしく恋に狂った男の話である。ギャバン自身が戦前に原作権を買い、企画を暖めていた映画だった。フランスの地方都市に中年になるまで独身を通し自分の建設会社まで作って成功している建築技師(ギャバン)がいた。この男には一人の姉がいて、妻代わりに家事をしている。ある日、ボクシングの観戦中に彼はオーストリア出身の美しい貴婦人(ディートリッヒ)に出会い、一目惚れしてしまう。好きになると一途で、男は彼女の家まで建ててやり、求愛する。だが、彼女には金持ちのパトロンと若いツバメまでいた。それを知った男は嫉妬に燃え、挙句の果てに……。ストーリーは面白いのだが、完成した映画は不出来だった。脚本が悪く、監督の力量も不足していた。しかし、興行成績は良く、フランス国内の観客動員数は249万人(うちパリが54万人)で、ヨーロッパ、米国、そして日本にも配給された。


 
(35)面の皮をはげ Miroir
 1947年 黒白(スタンダード)90分
〔監督〕レイモン・ラミ
〔原案・脚本〕ポール・オリヴィエ〔脚本・台詞〕カルロ・リム
〔撮影〕ロジェ・ユベール〔美術〕ロラン・ベルトン、ジョルジュ・ワケヴィッチ〔音楽〕モーリス・イヴァン
〔ギャバンの役〕汽船会社の重役ピエール・リュサック(元地下組織者)
〔共演〕マルティーヌ・キャロル、ダニエル・ジェラン、コレット・マルス、ガブリエル・ドルジア、ジゼール・プレヴィル、シルヴィー
〔封切〕1947年5月2日(仏)
〔日本公開〕1963年4月
〔ソフト〕DVD
〔注〕パリの映画館だけで公開され、フランスおよび国外では上映されずに終わった。リバイバル上映されたのは16年後で、この時フランス国外へも配給された。


 
(36)鉄格子の彼方 Au-delà des grilles
 1948年 黒白(スタンダード)95分
〔監督〕ルネ・クレマン
〔脚本〕チェザーレ・ザヴァッティーニ、チェッキ・ダミコ、アルフレッド・グワリーニ
〔フランス語版脚本・台詞〕ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト
〔撮影〕ルイ・パージュ〔美術〕ピエロ・フィリポーネ、ルイジ・ゲルヴァッシ〔音楽〕ロマン・ヴラド、レンゾ・ロッセリーニ
〔ギャバンの役〕殺人犯・逃亡者ピエール
〔共演〕イザ・ミランダ、ヴェラ・タルキ、ロベール・ダルバン、アンドレア・ケッキ、アヴェ・ニンキ、カルロ・タンベラーニ
〔封切〕1949年9月19日(伊)、11月16日(仏)
〔日本公開〕1951年5月
〔ソフト〕ビデオ(イタリア語版)、DVD
〔注〕仏伊合作。ギャバンがルネ・クレマン監督と組んで作った唯一の映画。フランスで愛人を殺してイタリアのジェノヴァに逃げてきた男(ギャバン)が、食堂で働く女と知り合い、女の家に匿われる。しかし、女には10歳くらいの娘と別居中の亭主がいて、最後に男は警察に逮捕されるという話。戦前のギャバンの代表作『地の果てを行く』と『望郷』に似たプロットをネオ・リアリスムのイタリア人作家が脚本にし、それをルネ・クレマン独特のリアリスムで映画化したもの。


 
(37)港のマリー La Marie du port
 1949年 黒白(スタンダード)88分
〔監督・脚本〕マルセル・カルネ
〔原作〕ジョルジュ・シムノン〔脚本〕ルイ・シャヴァンス、ジョルジュ・リブモン・デセーニュ(台詞)
〔撮影〕アンリ・アルカン〔美術〕アレクサンドル・トローネル、オーギュスト・カプリエ〔音楽〕ジョセフ・コスマ
〔ギャバンの役〕レストラン・映画館の経営者アンリ・シャトラール
〔共演〕ニコール・クールセル、ブランシェット・ブリュノワ、ジュリアン・カレット、クロード・ロマン、ジャーヌ・マルカン、ガブリエル・フォンタン
〔封切〕1950年2月18日(仏)
〔日本公開〕1951年11月
〔ソフト〕DVD
〔注〕港町シェルブールの中年実業家(ギャバン)が内縁の妻(ブリュノワ)の妹マリー(クールセル)に惹かれ、彼女が働いているキャフェを辞めさせ、理髪師の恋人とも縁を切らせて、自分の愛人にしようとするのだが、若い娘のマリーも現代っ子らしいしたたかさで、男の歓心をそそり結婚を迫るという話。ギャバンは終戦後、マルセル・カルネ監督の『夜の門』の主役を降板してカルネとは仲違いしていたが、久しぶりに二人が和解して作った映画。ブルジョワで女たらしといったギャバンの役どころが共感を呼ぶものではなく、感動の薄い作品。


 
(38)天国への門 Pour l'amour du ciel
 1950年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕ルイジ・ザンパ
〔脚本〕チェザーレ・ザヴァティーニ〔フランス語版脚本〕ジャン・ジョルジュ・オーリオル、アンリ・ジャンソン(台詞)
〔撮影〕カルロ・モンチュオーリ〔美術〕ガストン・メダン〔音楽〕ニーノ・ロータ
〔ギャバンの役〕ローマの実業家カルロ・バッキー
〔共演〕アントネラ・ルアルディ、ジュリアン・カレット
〔封切〕1951年2月14日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕伊・仏合作。



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