２ 幻のソムリエナイフ ４８ページ目

【４８ページ】


和音　　　　ワインを飲みながら、聞かせて下さい！

　　　　　　マスター、今日のお奨めのドイツの黒猫のワインを！

マスター　　カッツのアウスレーゼをどうぞ。

　　　　　　完熟したブドウで、良質の房を選んで造られたワインです。

良子　　　　わー、とてもおいしい！

　　　　　　甘さの中にも、さわやかな酸味が感じられるわ。

　　　　　　ワインだけで飲んでもおいしいし、料理とも合いそうね？

和音　　　　さて、良子さんの話を聞きましょうか？

良子　　　　今日、私がワインのサービスをしたお客様のお話ですが、

　　　　　　ソムリエナイフを使って、ワインを抜栓しようとした時・・・。

和音　　　　その時に？

良子　　　　そのお客様から、ちょっとソムリエナイフを見せて下さいと

　　　　　　頼まれたのです。

和音　　　　ソムリエナイフを見せてくれとは、珍しい客ですね？

良子　　　　私も始めてのことだったので、驚いたのですが、どうぞと言って

　　　　　　見せてあげました。

　　　　　　すると、私のソムリエナイフを見ながら、うーんと唸るのです。

　　　　　　私は、どうかしましたかと尋ねました。

和音　　　　それで？

良子　　　　彼は、柄の宝石は何ですかと聞きました。


４９ページに続きます。