人間は、ありのままの自分を見せて生きていくしかないんだ

巷ではブログというものが流行っているらしい。質の悪い輩が目を覚ましてしまった。
皆さん嘘を見抜く目を養ってください。

A子

2005-09-09 11:00:43 | Weblog
彼女は高校生活3年間「かわいい」と言われ続けた。
彼女は悪口を言わない子だった。
噂話をしない子だった。
いつも彼女の分身が彼女を見張っていて、
彼女が感情的に話さないよう調整していた。
彼女はいつも周り全体を見渡していた。
自分たちだけの世界に没頭しすぎると、
周りの人に迷惑がかかってしまうことが多く、
しかもそのことに気付きにくくなるからだ。
「優しい」という言葉は人偏に憂いと書く。
憂いを知っている人だけが本当に優しくできるのだ。
自分が傷つきたくないがためにする親切は優しさではない。
彼女は過去の辛い経験から、
他人を傷つけることだけはしたくないと思っていた。
けれどそれはどこか優しさとは違っていた。
彼女は自分を押し殺しすぎていた。
気持ちを緩めることができなかった。
他人に悲しい思いをして欲しくない、
その気持ちは優しさかもしれない。
でも優しさは自分を苦しめることではない。
周りから見れば優しすぎる彼女。
だけど彼女は完璧であろうとするがために
お人形さんになっていた。
そして、彼女にとって「かわいい」そう言って貰えることは、
ある意味達成感として、彼女を慰めていた。

「かわいいお人形」はただの置物に過ぎない、
そんなこと彼女は知りもしなかった。