社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

百田尚樹「永遠の0(ゼロ)」

2011-10-22 14:58:51 | 趣味(読書)

百田尚樹「錨を上げよ 上下」「モンスター」に続き氏の作品紹介だ。そしてこの作品は氏の作家デビュー作だ。この作品を読んだ事で、残る氏の作品は「聖夜の贈り物」「リング」となる。「聖夜の贈り物」も近いうちに掲載するが、次の作品が読みたい。そして氏の次の作品が発表されるのを楽しみにしたい。できるだけはやく発表願いたいものだ。

さてこの作品はかなり衝撃的な作品だ。そして読み終わると共に感動した。そう涙が思わずこぼれた。終わりに近づくに従って、衝撃のストーリーが待っていた。そしてそれを知ると更に涙がこぼれた。しかしエピローグも感動・痛快だ。あらゆる感動を与えられるように仕組まれた巧妙なシナリオ。このストリー展開は凄い。余りにも素晴らしい。また氏の作品に感動してしまった。

本来なら、このデビュー作を一番最初に読んでから、第2作、第3作と読んで行くのが、良いような気もするが、逆に氏の大半の作品を読んでから、この作品を読んだ方が衝撃的だった気がする。余りにも素晴らしい。この感動をありがとうと言いたい。

この本も2日で読破したが、あっという間に読めてしまった。と言うか次を読まなければと追い込まれて、読んだ。本当にあいかわらず氏の作品はあっという間だ。まるで追いかけられる様に読まされてしまった。

所で、この作品にはいろいろ考えさせられた。そう改めて太平洋戦争とマスコミに対してと言う事になろう。

この作品だけでなく、太平洋戦争に関しては多くの方がご意見されているし、資料も多くあるので、私があえて何か言う事もないだろう。ただ現在でもそうであるが、政治家や官僚組織と言うのは昔から変わらないのだろうと言う気がした。この作品の中つまり太平洋戦争中の軍令部、連合艦隊幕僚は、実際の戦地で戦っている兵士を人間とは認識していなかったのだろう。

今年3月に東日本大震災直後の福島原発の放水で

首相が放水で都知事に陳謝 消防隊員「処分」と言われた - 47NEWS(よんななニュース)

東京都の石原慎太郎知事は21日、菅直人首相と官邸で会談し、東京電力福島第1原発での放水に関し「東京消防庁の隊員が長時間連続の放水を強制され『実施しなければ処分する』と言われた」と「暴言」に抗議した。石原氏によると、首相は「陳謝する。大変申し訳ない」と述べた。

会談後、石原氏は記者団に「隊員は命懸けで取り組んでいる。『処分』などと言ってはいけない」と強調。処分すると発言した人物については「知らない」としたが、都政関係者によると、海江田万里経済産業相だったという。

のニュースがあった。原発事故は限りなき非常事態であり、むしろ戦争に近い状況だった。同じような事を平気で支持するのも政治家だろう(必ずしも同じではないが)。

さて話を元に戻すと戦績が意味を持ち、事実を勝手に変えて、国民には報告していたと言う事になる。特攻隊と言うものに対しては議論はあると思うが、志願兵と言う形を強制的に作り出した、当時の環境や海軍上層部。江戸時代と同じで、階級制度は全く変わっていなかったのかも知れない。

生きれる可能性がなく、成果が出る可能性がほとんどなかった特攻隊。それを終戦間際まで実行した軍幹部。そして更に恐ろしい人間特攻兵器「回転」「桜花」。限りなく成果を上げる事がない事がわかっている中でもそれを実行させた軍部。意地や、権力争いもあるが、それでも・・・。精神論では、戦いに勝つ事はできないと思う。

そして結局「大和」も特攻だった。空母や戦闘機なしで沖縄に出港したのは、特攻と変わりない。「大和」の乗組員3,300人その他小型艦艇の乗組員含めて、大量に特攻へと命令を下した。

特攻兵は、戦中、故郷で英雄のようにあがめられ、そして戦後は戦犯として村八分的扱いを受けた。余りにも理不尽ではないかと思う。戦争自身が問題であるのは間違いない。そしてそれを指揮・誘導した政治家や軍部も問題だ。今の政治家や官僚と同じで。しかしそれを報道するマスコミも問題があったのは確かだろう。それをそのまま信じさせられた国民にも問題はあろう。

しかし時代が、それぞれを判断する環境を許さなかったと言う気がする。すべては上に立つ物に責任があったのは間違いない。

そう正しい情報・事実を知らせたくとも、それができなかった。事実を知ってもどうする事もできなかった。自由に考え、自分の意見を言う事なども許されない時代だった。従って今のような時代とはマスコミのあり方も違ったと言うかその機能もなかったとしか言えない。

しかし、自由な時代でも、これを間違う考えを持つジャーナリストとして(自分たちの考えが正しいと信じ、国民に押し付ける:新聞で流せばそうなるだろう)、新聞記者の高山隆司がこの作品に登場している。彼の意見は「特攻隊員とテロリストは同じだ」と言う主張だ。個人の考えならそれはそう言う考えの方もいるだろうとしか言いようがない。しかし新聞記者としての考え方では問題があるだろう。と思いながら、まあーこれは作品の中の話だからと考えた。が案外この新聞記者の意見と同じような考えが今のTV等の放送でもよく目にする気がした。

そうだから、マスコミは気を付けて欲しいと思うが、これも仕方がない。しかし戦争中と今では、国民が知る情報量が圧倒的に違う。先の石原都知事の例でも、すぐ政治家が何を話したかが、国民の知れるところとなる。インターネットの普及で、今ではマスコミが流さなくても、政治家や官僚がしゃべった事が筒抜けとなる。そういう意味では、今の政治家はなかなか大変だと思う。

さて、同じような事が思わず、会社でもあると考えてしまった。余りにも極端な例で比較にはならないのだが、親会社の事業部ではもう4年も、できもしない事を国民たる部の社員に言っている。もちろん会社のトップに対しても・・・。できない事を如何にもできるように言う事は、これも問題だが、人が不要となると、簡単に部員を切っているし・・・。余りにも極端な例だが・・・。

いずれにしても、大変素晴らしい作品であり、太平洋戦争について考えさせられた作品だ。そして感動を与えてもらった作品だ。今回はあらすじ等私の方では一切記載しない事にする。是非とも読んで欲しい。

CCF20111021_00000 作品名:永遠の0(ゼロ)
著 者:百田尚樹
発行人:岡聡
発行所:株式会社太田出版
頁 数:縦一段組み445ページ
価 格:1600円+税
「感動しました!戦争に対して真摯な思い。
人間に対して絶望していない百田氏の愛を感じます。
素晴らしい作品です」-----『探偵!ナイトスクープ』局長・西田敏行
「いやー正直、面白い!最後のどんでん返しも素晴らしい。
何よりも飽きるところが一度もなかった!!これは凄いよ」---タレント北野誠
「大傑作だと思います」---------- 放送作家・桑原尚志
「号泣です。喫茶店で読んだのが間違いでした」--- 朝日放送ディレクター・梶原英明
「見事なラストでした。百田さん天才!」‐‐‐‐‐ TVディレクター・木部勇一
「正直、泣きはしないだろうと思っていましたが、
最後の最後で涙ながしてしまいました」-----舞台演出家・柳田光司
「最後は静かに泣きました」----ジュンク堂書店三宮店・岡田久
「宮部さんが大好きです!」----旭屋書店本店・山口麻友
「最後はもう涙です。ああそうやったんや!ってなりました」---大阪大学推理研究会・仲里華子
「エピローグはかっこよすぎです」---アバンティブックセンターブックアミーゴ・安西京子
「生きて帰る」と言う妻との約束を
命懸けで果たそうとしたゼロ戦パイロットは
なぜ特攻を志願したのか!?
西田敏行氏、北野誠氏絶賛!
『探偵!ナイトスクープ』メイン構成者による感激の傑作長編小説!!

あの人は私に嘘をつきました
「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面
もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれた
ゼロ戦パイロットがいた・・・・・・。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健
太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦
争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始
める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も
残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた
宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないも
のだった。凄腕をもちながら、同時に異常な
までに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り--
それが祖父だった。
「生きて帰る」と言う妻との約束にこだわり
続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?
健太郎と慶子はついに六十年の長きにわた
って封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した
過酷にして清冽なる愛の物語!

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