久しぶりにIT関連の話を掲載する。そろそろPC関連の雑誌や新聞などで、マイクロソフトの次のOSの発売が熱を帯びてきたからであるが、別にこれに冷や水をかける気はないが、私的にはかなり疑問を持っている。先日の一般紙にウィンドウズの基本ソフトの比較として以下の、比較表が掲載されていた。
XP |
ビスタ |
7 | |
主な特徴 | ブロードバンドや無線LAN対応 | 検索や操作性、機密保護の機能を強化 | 作動速度の向上やタッチパネルに対応 |
推奨パソコンのメモリー容量 | 128メガバイト | 1ギガバイト | 1ギガバイト |
起動時間 | 32秒 | 40秒 | 29秒 |
発売時期 | 2001年11月 | 2007年1月 | 2009年10月下旬 |
[計測データはマイクロソフト調べ]
OSの価格については、新規PCを購入する場合はビルトイン(プレインストール)されていることから、今回は、議論の対象にはしない。さて、問題は上記の比較表の各仕様が、一般的に受け入れられているかと言うとはなはなだ疑問である。この一般紙もいい加減ではあるが、マイクロソフトが上記の数値を提供しているのなら大間違いである。
- XPの推奨メモリーは256メガバイトとなっていたはずであるが、実質512メガバイト以上でないとマトモに起動や動作しない。お店によっては1GB必要ですと過大PRしているが、実際はネットブックを含めて、今では最低1GB以上で2GBが主流になっている。
- ビスタの推奨メモリーは512MBだったが、実質1ギガバイト以上出なければまともに起動も動作も出来ない。最もこれも上記1.同様になっている為、現実的な問題ではなくなっている。
- XPやビスタの起動時間であるが、上記表のメモリーでは、これはありえない。あるとすれば、全くの購入直後の一瞬を言っているとしか思えないし、現実は使い物にはならない。
さて、上記の表や、私の指摘では主にメモリーの話とレスポンスの話をしているつもりであるが、ビスタが売れなかった背景(特に大手企業では殆ど未導入)には、当然これ以外の隠された(マスコミがPRしない)問題が有るからである。
これについて、一般のマスコミは殆ど触れていないし(触れているのかもしれないが、問題視していない)、マイクロソフトの回し者としか思えない記事しか書かれていない。メモリーの問題は重要(つまりコストアップになる)だが、最も重要なのは周辺機器や、アプリケーションソフトの動作互換性だった。
つまり、Windows98 -> (Windows NT ->)Windows2000 -> WindowsXPと企業ではそれぞれのOSの上で動く様々なアプリケーションソフトを構築して来ており、当社でも、それぞれのOSへの移行への検証は莫大な費用と工数が発生して来ており、比較的Windows2000->WindowsXPはスムーズに移行した方であるが、それでもかなりの期間を要した。
所が、ビスタに関しては、全くと言ってよいほど、XPとの互換性が保障されていない別のOSと捕らえる事が出来る。従って、動かないアプリケーションソフトや周辺機器、且つ操作性も互換性がない。同時に販売されたマイクロソフトのオフィス2007は操作の互換性だけではなく、それまでのオフィス2000やオフィスXPとのファイル互換性も標準ではない(※オフィス2007を読み込む:変換する為の互換パックが容易されたが・・・)。
従って、個人で使用する分にはOSは何でも良いので勝手に使えばよいが、上記の様に企業ではそうは行かない。結果、ビスタ互換のWindows7は、ビスタ同様に企業には受け入れられないだろう。企業からすればXPで既に十分であり、ビスタで搭載された機能が今の所、企業に意味のあるものは一つもない。
大手企業からすれば、XPの無線LAN等の機能サポートで十分であり、ビスタ以降の互換性を無くしてまで搭載された機能は、殆ど遊びの範疇であり、互換性を捨てた事が最大の失敗と考える。企業戦略上、新しい製品を提供する事は仕方のない事かも知れないが、実質大手ユーザー企業は、殆どXPへのダウングレードサービスを使っている。その現実を知るべきであるが、マイクロソフトが悪いのかマスコミが悪いのか分からない。ドッチも悪いのだと思うが・・・。
出張用PCはネットブックで十分であり、従ってOSはXPで十分で有るとの結論が既に出ているが、今年発売予定のWindows7がどうなるか?個人的には興味はあるが起動時間が上記仕様で29秒でも不満である。マイクロソフト、マスコミとPCメーカーが揃って期待するが、Windows7では期待通りにはいかないだろう。
私的には、本ブログ投稿用のPCはビスタを使用しているが、エクスプロラー(ファイルマネージャーとIE)の操作体系等が変わった事により、使いづらくて仕方がない。Windows95発売以降のOSの中ではビスタは最悪のOSである。もっともビスタからPCを始められた方は良いのかも知れないが・・・。
結局OSは何でもよいが、起動が早く、使いやすい物であって欲しいと願っている。これは使い込んでいる人程痛感する事だと思うが、この辺の事はマイクロソフトの従業員の方に問いたい。開発者は独自な発想で新しい物や斬新な物を求めるが、実際使っている人はそうではないのではないかと言う疑問を、開発会社の方に問いたい。
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