私の所の大先輩は、72歳だ。定年以後、ご本人が今の仕事を辞めたいと言った事は、おそらくない。もちろん仕事を続けさせて欲しいと言った事もおそらく無いと思う。同僚や後輩、そして上司に、助けて欲しいと言われて今まで仕事を続けてこられた。なんとも素晴らしい人生だと思う。
しかし、ついにお別れの時は迫っている。
大先輩は、本当はまだ働きたいかも知れない。いやそうではなく、もう辞めたいかも知れない。
というのを毎年繰り返して今に至っている。
そして、当社の社長が、面倒臭い事を放り投げた為に、先輩はこの3月で無事リタイアとなる予定だ。本当は昨年12月が終わりだったが、そこは無理を聞いてもらった。そう先輩のノウハウの引き継ぎが必要だったからだ。
さて、大先輩はどうも趣味はなさそうだ(と思われる)。あるとすれば、TVや新聞などから得た情報を元に、昼食時や休憩等の雑談時に私達に話してくれるのが一番の楽しみの様だ。普通の会社員は毎日TVのニュースやドキュメンタリー等を見るわけでもないし、大先輩の愛読書つまり上限たる新聞、日経新聞を見る訳でもない。
従って、大先輩の方がはるかに詳しいし、私たちの知らない事を教えてもらえる。
大先輩は、お金がないと言いながら、日経新聞を自分で取られている。駅の売店で購入されている訳ではないようだ(?)。携帯電話ももちろん自分で持たれている。会社の御用達ではない。そして家のインターネットもNTTの光だ。素晴らしい。
先日、その大先輩が「ガンボ(ウ?)と言うゲーム会社の株が凄い。上場時の株価は50万だったが、今は250万になっている。ぼろ儲けだ。君は買えばよかったのに?」と。突然日経新聞を読みながら、私に話した。そして「最も誰もこうなるなど予想もできないが・・・。」と。
ガンボ(ウ?)???ネットで調べても分からない。引っかからない。聞いた事もない。しかし毎度の大先輩の白熱した口調に無碍に無視する訳にもいかず、大先輩の広げている日経新聞を見ると、分かった。ガンホーの事だ。そうガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)だ。
この会社の事を私が説明する事も無いので、割愛する。大先輩には初代の社長がソフトバンクの孫さんの弟の会社だよとだけ説明した。利益の源泉となった韓国のゲームや最近のスマホのゲームの名前を教えたが、大先輩がそれを理解或いは認識する事はないだろう。
大先輩は、この会社が何の会社でどういう事をしているかには興味はない。上場で、凄い儲けがこの会社の株で、できたはずが、自分はできなかった。事を悔いているのだろうが?いやそうではない。これは単なる雑談のテーマなのだろう。そう女性が井戸端会議のネタにする様に!(女性の方、申し訳ありません)。
大先輩は、儲ける為の投資をする事はどうも苦手の様だ。それにはどうも興味はないようだ。
大先輩の興味(と言うか価値)は、日経新聞やTVで得た情報で、皆より、私は知っていると言う事を自慢する事に意味があるようだ。
私や後輩の課長等もこの辺は認識されており、うんうん、そうですね!それは凄い!など相槌などで、聞く事になれている。
最近は私は大分飽きてきたので、無反応に近いが・・・。
いずれにしても大先輩は、日経新聞やTVで知った事を、4月以降は、誰に話すのだろう???誰が大先輩の話し相手になってくれるのだろうか?
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