社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

東野圭吾『流星の絆』

2008-07-13 13:39:33 | 趣味(読書)

東野圭吾『回廊亭の殺人』に続き、東野氏の作品の紹介ですが、こちらは、最近の作品で、図書館の予約待ちで5ヶ月程待たされた作品です。氏のファンの方がいかに多いかが判りますが、既に予約した私も忘れていました。

さて、この作品に関しては、氏の作品では珍しく、最後が予想外の犯人であると同時にある意味でハッピーエンドになると言う、なんかすがすがしい感じがする作品でした。氏の作品でも私としては『秘密』と同じように(分野も内容も全く違いますが・・・)、本当は暗いイメージを持つ作品ながら兄弟の絆と最後のエンドがなんとも言えない氏の作品では今までにない物だと思います。

この作品も、映画かTVドラマになりそうな気がしますが、さてどうでしょうか・・・。

流星の絆A.jpg書籍名:『流星の絆』
発行所:株式会社講談社
発 行:2008年3月5日初版発行
初 出:「週刊現代」2006年9月16日号~2007年9月15日号
定 価:1,700円(税別)
頁 数:縦1段組み482ページ 

<私的概要>

流れ星(ペルセウス座流星群)を見に行く為に、両親(父親:有明幸博、母親:矢崎塔子)に知られずに、有明功一(長男)、有明泰輔(次男)、(矢崎)静奈の兄弟は家を抜け出した。結局雨の為見ることが出来ず、帰宅すると、両親が殺されていたが、その時不審な人物を泰輔が見ていた。兄弟の家はハヤシライスでは有名な洋食屋であったが、だれが殺したのか?。泰輔の情報を元にモンタージュが作られるが、結局犯人は見つからなかった。3人を引き取る親戚もなく、施設に預けられた3人はそれでも深い絆で結ばれていた。

功一は高校卒業後、デザイナーの専門学校に入り、そのつてで、デザイン事務所に就職する。泰輔はアルバイトに付くが同じ所が続かない。静奈は美容師になるがこれも続かない。静奈がエステの悪徳商売に騙され、それを見抜いた長男の功一だが、デザイン事務所に騙された事で、兄弟は騙される事から騙す方に変わって行く。つまり詐欺師になる。

静奈が騙す男を誘惑し、泰輔が演ずる銀行マンや商社マン等で獲得する事を功一が綿密に計画・実行し、成功してきた。

ある時に、最後のターゲットに決めた戸神行成(洋食屋チェンーン店の御曹司)と静奈が会う内に、静奈が食べた行成の新しいお店用のハヤシライスが父親の洋食屋「アリアケ」のハヤシライスと全く同じ味だった。そして、その父親の戸神政行 を見た時に泰輔が、両親が殺された時に見た人物である事を功一に告げる。兄弟で、騙してお金を稼ごうとした目的から、両親殺しの犯人探しに変え、戸神家を最終ターゲットにする。
有明の父親との関係から「ハヤシライス」がそのキーとして出てくる。功一は戸神政行に罪を着せるように兄弟を動かせるが・・・。

この過程の中で、両親を殺された息子・戸神行成を静奈は愛するようになる。行成も同様に静奈を愛するようになるが、自分が犯人探しの為に静奈に利用されたとわかり苦悩する。一方で自分の父親が犯人なのか?「アリアケ」のレシピノートが父親の成功の原点であるハヤシライスで有る事を知り、疑問を解き明かす為に、有明兄弟に手を貸す。

戸神政行は、確かに事件の当日、泰輔に見られたように現場にいたが、それはハヤシライスのレシピを50万円で有明幸弘から購入し、そのコピーを貰う為であった。ただしアリアケについた時には既に両親は殺されていた事を功一に話すと同時に、現場に有った傘を、間違って来た事を伝え、その傘を見せる。

犯人と思われた戸神行成の父親・政行は犯人では無かった。その傘の話を聞いた瞬間有明功一は、真犯人を思いつく。
真の犯人はズット有明功一を心配して連絡を取ってきた刑事であった。
事件の夜、自分の難病の息子を助ける為に、その手術費用として、洋食屋「アリアケ」で200万円を盗み、両親を殺したが、息子の病気は治らず結局無くなった。刑事は全てを功一に告白すると鉄橋から消えた。

「アリアケ事件」の時効寸前で、被疑者が警官の自殺と告白という形で終結し、有明功一と泰輔は、詐欺行為を警察に自首する事を決める。そして残される静奈を心配し、功一は全てを戸神行成に告白し、後の事を戸神行成に依頼する。行成は、詐欺で騙された人へ返金する事を条件に了解する。もちろんそのお金も行成が用意する。かって功一が、行成に静奈の為に買わせる為に用意した「コルテシア・ジャパン」の指輪を買う事によって・・・。

最後に行成は新しいお店に静奈を招待し、プロポーズする。その静奈が気に入っていた指輪を渡して・・・。


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