空は快晴 神無月
お日様隠れ 東の空に 「中秋の名月」
そして 毎年思いだす
嫌な思い出 一つ 有り
40年近く前 我が子は保育所 年少組です
「今日はお月見の日 ウサギさんの餅つきが見られる日 先生が“ゆうちゃった”」
子は 保育所から帰るなり言います
「そー みんなで 月見しようか」
母の言葉に 子は喜びます
形だけですが “お茶と饅頭 ”の準備をしました
ですが・・・
空模様が心配です
雨は 降ったり止んだり
月見を予定した時間には 空は雲に覆われ 小雨も降ります
子は残念がりますが 仕方ありません
「今日の月見は無理 おまんじゅうだけ食べて もう寝ましょ」
「いやだ お月さんを見るー」
子を納得させるためにもう一度 空の様子を見に外に出ます
「あれれー」
空の大部分は雲に覆われていますが 雨は止んでいます
雲に隠れた月の明かりが わずか見えます
雲は流れています 切れているところもあります
もう少しで月が見えそうです
急いで みんなを呼びに行きます
雲の流れの中に僅かですが顔を覗かせた月 親子揃って鑑賞です
月が見えなくなると 家に入ってお茶とお饅頭
子は 大喜びです
そして 翌日
保育所から帰った子が 半分泣きながら 言います
「先生が 『ウソゆうたらいけん』 “ゆうちゃった”」
昨夜の様子を 保育所に着くなり 先生に言ったようです
先生の答えは
「昨日は雨じゃけー お月さんは見えんかったよ」
ですが
「見たよ 見た!」 何度も言ったようです
とうとう 先生は
『みんなのおうちには雨が降ったけど ○○君の家だけ 晴れたんじゃねー』
悔しがり 子は 言います
「本当にお月さん見たよ ねーおかあさん」
“先生の言う事はちゃんと聞かんといけん”
日頃から強く教えていますが この時ばかりは言いました
「お前が 正しい」
何時までも 忘れられない 出来事でした
何はともあれ 「中秋の名月」
みんなのおうちが「晴れ」ますように・・・