思い付きブログ

想いのかけら感想。東日本大震災から5年後、それぞれの想いと人生の変化

【ネタバレ】
2016年冬に終わったアニメの感想を順次書いていきます。
いずれも原作未読です。

冬アニメは、「僕だけがない街」「おじさんとマシュマロ」(ショートアニメ)が特に良く、前者の加代(cv悠木碧)、後者の若林(cv喜多村英梨)というキャラも特に良かったです。2016年の、話数で選ぶアニメ10選に、私が入れるに違いないくらいの良い話の回もありました(あと、「ハイキュー!!セカンドシーズン」からも入れるので、冬アニメだけで3話決まったも同然です。)。

「だがしかし」の軽快さ、「この素晴らしい世界に祝福を!」のおバカさ、「デュラララ!!×2結」の広がった物語のまとめ方、「亜人」の衝撃も良かったです(亜人の存在理由によっては興ざめになりかねませんが、それは劇場版第3部とTV版第2クールを待ちます。)。

目立ちませんが、「想いのかけら」(夕方に放送。)のじわりとくる良さというのも忘れられません。

秋から冬のアニメでは、「ハイキュー!!セカンドシーズン」(2期)は真剣にバレーの試合をするときの描き方(絵も物語も。)が良く、「ルパン三世」(4期)と「へヴィーオブジェクト」の痛快さも良かったです。


最初はこれ。

◎「想いのかけら」(25分版)

総合評価4点(5点満点)

NHKの東日本大震災復興応援キャンペーンの一環として制作、最初の2分版の放送は2015年11月でしたが、最初に25分版が東北地方で放送されたのが2016年3月なので、2016年冬アニメに分類しておきます(私は、4月の夕方に全国放送された25分版しか見ていません。)。

フィギュアスケートを頑張っている佐藤陽菜(cv安野希世乃)、漁師の父(cv星野充昭)、母(cv荒川美穂)、陽菜の小学生のときの仲良しで今は違う仮設住宅に住んでいる みちる(cv佐々木李子)など。

監督・脚本は「放課後のプレアデス」の監督・脚本の佐伯昭志さん。

いろいろ書きたいところですが、25分と短いので本編をどうぞ。
あるいは、HPにPVがあるので、まずはそれをどうぞ。



○ 東日本大震災(2011年3月11日)から5年たって陽菜は13歳になり、小学校を建て替える工事でタイムカプセルが出てきたため、中身を受け取りに。

7年前に埋めた、20歳の自分宛の手紙と緑のリボンというか紐。手紙は濡れて読めず、大切なものだろうとは想像できるもののリボンが何か思い出せない陽菜。
父は少し間があって気づきましたが、覚えていないのかと少し怒りましたが、それが何であるかは言わず。この、言わないところ、陽菜が小さかったから理解はできるものの、でも、たった7年前の大事な思い出を忘れている陽菜への怒りもあり、という複雑な感じがたまりません。

漁師をやめて泣く泣く去る みちる の父のような者もいれば、元通りの町にならないと分かっていても元通りを求めてしまう陽菜の父のような者もいて。

「無理かもしれないけど、この町が好きって、そういうことだもの。それが当たり前なんだよ。好きな気持ちを忘れることの方が、やっぱり、悲しいと思うもの。」と父に言う陽菜がやけに大人びて見えたり(「好きな気持ち」の対象には、町、母、友達などが入ります。)。
こういう風に大人びてしまうというのは、いいことなのか悪いことなのか、それはよく分かりませんけれどね。


仮設住宅での震災後の父と娘だけの暮らし、数少ない母の思い出と写真。長屋になっている仮設住宅の隣の部屋の灯がついていないところも、被災者のそれぞれの人生が伺えます。

基本的に淡々と物語は進み、何かを強く主張するでもなく、それ故に視聴者にまかされ、じわりとくる物語。何回も見ると、よりじわりときます。(ちょうど、熊本県の大地震(4月14日が前震、4月16日が本震。)の直後の放送だったこともあって、録画した画面には逆L字型とでもいうのでしょうか、大地震の情報が入っていて、何回も見ると、よりじわりと来ます。)

こういうもの自体は嫌いではないですが、むしろ好きな部類に入り、主観的にはもっと点をつけたい気持ちがありますが、もう少し時間を取って気持ちの機微を描いた方が良かったかな、という気がしますし、ある程度客観的に見るとこのくらいの点かなというところです。



陽菜の前向きな表情、いいですね。

○ さて、数か月前に、「Wake Up,Girls! 七人のアイドル」(劇場版、2014年1月)、「Wake Up,Girls! 青春の影」(劇場版、2015年9月)、「Wake Up,Girls! Beyond the Bottom」(劇場版、2015年12月)は初見でしたが、それと合わせて「Wake Up,Girls!」(TV版、2014年冬)をあらためて見ました。

最初のTV版放送当時は大震災からまだそれほど経っていなかったので(少なくとも、私の主観の中では。)、少しあざといかなとは思いつつも、仙台発の地方アイドルの出世物語の地に足の付いた描き方には好感をもったものです。あらためて見直すと、当時よりもとても良いと思いました。

それは、私の中で大震災が過去になってきているということなのでしょうけれど、それが良い意味でなのか、悪い意味でなのか、今はまだ判断しかねているところです。


【shin】
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