無料のKindle本で、アインシュタインが、バリバリの現役の大正10年に寺田寅彦が、書いたものの中に
アインシュタインが、勉強を深く始めるきっかけのひとつを、見つけました。
彼の学校成績はあまりよくなかった。
特に言語など機械的に暗記することの下手な彼は、詰め込み教育はぐあいがわるかった。
これに反して数字的推理の能力は早くから芽を出しはじめていた。
計算は上手でなくても考え方が、非常に巧妙であった。
あるとき彼の伯父にあたる人で、工業技師をしているヤーコブアインシュタインに、代数学とは、いったいどんなものかと質問した。
その時に伯父さんが、「代数というものは、あれは不精者のずるい計算術である。知らない答えをXと名づけて、
それを知っているような顔をして、取扱って、それと、知っているものとの関係式を書く、そこからこのXを
定めると言う方法だ」と言って聞かせた。
このひょうきんな、しかし、要を得た説明は、子供の頭に眠っている代数学を呼びさますには、充分であった。
すばらしい伯父さんですね。