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まにあっく歴史探索

写真載せたり、ご当地グルメだったり、歴史にまつわる探検

神風連事変 1話

2025-01-12 00:00:00 | 小説

夏の暑さが幾分和らぎ秋風が吹き抜けて行く一本の回廊を、白い装束を纏った男が一人歩いている。伊勢神宮の分詞・新開大神宮の神官、太田黒伴雄である。彼は頭に冠を被り衣の袖をなびかせながら本殿へ向かっていた。


中へ入ると、空気は一変し冷たく厳かな気配が漂っている。彼は一人その中心に座して神前に額づき静に祈り続けている。既に七日もの間火の物を断ち挙句は断食まで課しているから身体は細く痩せ顔色も白くやつれている。それでも彼は一心に神へと祈り続けた。


明治9年3月に断髪・廃刀令が下され、長く続いてきた武家社会に幕が下ろされようとしていた。

太田黒を擁する敬神党一派はこれに大いに反撥。

一党の若者達は日々挙って彼の門を叩き挙兵の期を求めている。

暫くは宥め説得を繰り返してきた彼自身も、遂に挙兵已む無しとの見解を示し今正にその進退を決する為の宇気比を行っている所であった。彼は顔を上げ姿勢を正すと両の腕を肩ほどまで上げ大きく柏手を打った。

その音は至極清らかで静かな本殿によく響き渡り、痩せ細ったその肢体からは想像付かぬ程力強く響いていた。


神風連事変 

2025-01-11 20:31:00 | 小説
神風連伝記小説をじわりと掲載始めます。
完結済みの短編です。
不定期更新となりますが、宜しければどうぞ。





今日いち-2025年1月11日

2025-01-11 20:20:51 | 歴史探索
来島又兵衛政久、火事羽織
隠れた場所にも史跡あり。
歴史に名を残す先人たちは、必ずしも「知られた史跡」にだけ存在したのではない。
そこらここらにあたりまえに息づいていたのだ。

2024/10/29日記

2024-10-29 07:01:00 | 日記
風邪引いたと思ったら、アレルギーへ🤧
鼻水と痰が絡む厄介な咳が続き、何故か左の顎痛と頭痛が・・・
なんでしょうね、これ。
左頭部のジンジンする頭が一番辛い💦

明治9年10月24日(旧暦9月24日)

2024-10-24 20:02:00 | 歴史探索
神風連こと敬神党烈士らが國體を憂い挙兵した冬夜から148年。
当然ながら当時の面影はなく、熊本市内を練り歩いた際も、寂しく石碑があるのみです。
170余名の烈士達は、熊本に鎮座していた連隊を強襲し、当初は軍旗を奪うなど優勢とも見えました。
然しながら、砲撃による火災から戦場が照らされ、烈士等の寡勢が知れると、形勢は一転。多勢に無勢と近代兵器による斉射により、副将の加屋霽堅翁と長老格の齋藤求三郎が戦死。
次いで、首魁である太田黒伴雄が胸部への被弾となり、熊本城法華坂の民家で自刃し、退却を余儀なくされます。
烈士らは重傷を負いながら散り散りとなって熊本各地へ移り、再挙叶わずと見ると各々自刃し果てました。
その壮絶な最期は遺児らが遺した資料にて語られています。