日曜日にあった中学の同窓会での話。
数十名集まったのだが、その中に小学生の頃から仲の良かった一人の男がいた。
当時、彼は小学生の頃、クラスで唯一の坊主頭で、さらに白木みのる(『てなもんや三度笠』のちんねん役)に感じが似ていたこともあり、ぼくは彼のことを「チンネン」と呼んでいた。ところが、いつの間にかそれが広がり、同学年の誰もが「チンネン」と呼ぶようになった。
彼はぼくを見つけると、ぼくの所にやってきた。
「おまえが、おれにチンネンというあだ名を付けたんやったの?」
「そうやけど」
「おまえが変なあだ名つけるから・・・・」
その件で、彼は散々文句を言った。
文句を言い終わると、彼はかぶっていた帽子をおもむろに取り、ニヤッと笑ってこう言った。
「本当にチンネンになったないか」