医者が言った。
「薬での治療になるのですが、普通の風邪薬と特効薬があるのですが、どちらにしますか?」
「特効薬?」
「症状が緩和され、早く治る薬です」
「いくらかかるんですか?」
「2万円です」
「それで早く治っても、5日間は安静にしてなきゃならんのでしょ?」
「はい」
「風邪薬でいいです」
風邪薬は600円だった。
病院から帰ってから、寒気がしてきた。熱を測ってみると、38度を超えていた。
それから2日間(26日から27日にかけて)は、熱との闘いだった。熱は最高38度9分まで上がった。
ずっと布団に包まっていたので、寝汗がすごかった。
27日夜、ようやく熱が下がった。
ところが、そこから喉が痛くなった。
もちろん起きている時は痛いのだが、それよりも眠っている時の方が辛かった。つばを飲み込むたびに、痛みで目が覚めてしまうのだ。
この状態が29日朝まで続いた。
29日、昼頃にようやく喉の痛みが治まった。寝汗はかいているものの、体温は36度台で安定している。医者から休むように言われていたのは、翌30日までだったが、なるほどその日に合わせて身体が元通りになってきた。
あと一日頑張れば、外に出ることも出来る。
30日、のどの痛みは若干残っているものの、ほとんど全快に近い状態になってきた。
ところが、その日の夜、嫁さんが「のどがイガイガする」と言い出したのだ。
1日、嫁さんを病院に連れて行く。
「コロナですね。5日間、安静にしておいて下さい」
結局、ぼくも安静にしていなければならず、10月4日まで計9日間、仕事を休んだのだった。