北海道も気温が大分上がり、夏らしくなってきました。梅雨真っ只中の本州とは違い、毎日のように晴天に恵まれています。絶好のお出かけ日和です。
そんな中、静サツも電車に乗って旅に出かけました。行き先は小樽です。
去る6月24日、日曜日。小樽に行く用事があり、自転車で札幌駅に向かいました。
午前10時50分、札幌駅に到着。陽が高くまで昇り、空には雲一つありません。
札幌を11時ちょうどに出る「いしかりライナー」で小樽に向かいます。
「いしかりライナー」は江別~札幌で快速運転(札幌~小樽は各駅停車)する列車と札幌~手稲で快速運転(江別~札幌と手稲~小樽は各駅停車)する列車の2パターンがありますが、札幌を毎時00分・30分に出る上り「いしかりライナー」は後者です。わずか10㎞しか快速運転をしないので速達効果はあまりなく、その役目は快速エアポート(毎時14分・44分発)が担っています。
この日の編成は721系の3両編成。進行方向を向いた座席は快適ですが、冬を意識した構造のため暑いのが難点です。
[種別:区間快速 函館本線 3424M いしかりライナー 江別10:28→小樽11:40]
《札幌11:00発》
発車後しばらくの間、同じく721系の学園都市線の列車(561M:札幌11:00→北海道医療大学11:42)と並走します。
学園都市線と離れる桑園を過ぎると、列車の速度がぐんと上がります。この先手稲までは直線区間となり、721系は加速の良さを見せつけます。
《手稲11:10着》
手稲で先行していた普通列車(1751M:(千歳始発)札幌10:51→手稲11:07)に追いつきます。先行する普通が16分かかっているこの区間を、「いしかりライナー」はわずか10分で駆け抜けたことになります。
手稲からは本数が減り、小樽まで各駅に泊まる「いしかりライナー」が普通列車の役目を果たします。
札幌運転所の脇にある駅が稲穂。1986年開業の比較的新しい駅です。
11時20分。丁度中間地点に当たる銭函に到着。
え、なんで列車から降りた写真があるかって?
この駅で途中下車したからに決まってます。
《銭函 11:20着》
下りホームを快速「エアポート」が通過していきます。
銭函駅自体見どころは多いのですが、ひとまず駅周辺を歩いてみることにします。
銭函駅東方の踏切から銭函駅方向を眺めます。
同じ場所から札幌方。
踏切のすぐ近く、線路脇の高台の上の神社では例大祭をやっていました。駅に着いた時から祭囃子が鳴っていたので、気になってはいたところでした。鳥居周辺に屋台が連なっています。
「豊足神社」というこの神社は、銭函地区の漁業の安全を願って建てられた神社だそうです。
本殿を参拝。
木々の隙間から電車が見えます。
鉄道という「日常」と例大祭という「非日常」が交わる瞬間。
屋台でポテトを買い、銭函駅に戻ります。
銭函駅に繋がる通りから一本離れれば、そこはもう海です。
20分ほどで銭函駅に到着。北海道でも最古級の木造駅舎です(1931年建造)。かまぼこのような独特の形をしています。
近くからアップで。
見た目に反し、中は自動改札を導入済み。北海道ではおなじみの簡易自動改札(ゲートなし・入場のみ)ではありません。
待合室部分。かなり余裕のある構造になっています。
駅舎にキオスクがある駅も、いまとなっては貴重な存在です。
中央の2番線(ホームはない)には、ほしみ発着の回送列車が待機していました。2面2線のホームしかないほしみでは折り返しができないためです。もっとも、乗降人員は銭函が2倍近いのですが……
11時42分、1番線に177Mが到着。
後追い。
長いホームは、かつての幹線輸送の名残。現在は最大でも6両です。
1番線脇には貨物ホームの跡が残っています。
銭函駅の開業はなんと、130年以上前の1880年(明治13年)。東京・大阪に並び鉄道が早く開業した北海道の中でも最古参です。
銭函駅は、官営幌内鉄道が手宮(小樽市・現在廃止)~札幌を開業させたときにできた駅の一つです。この鉄道は、三笠市の幌内炭鉱から小樽港まで石炭を運ぶために作られました。
当時、小樽から札幌までの間にあった駅は、住吉→南小樽、朝里、銭函、軽川→手稲、琴似のみ。しかも、銭函を除いてフラッグストップ方式(旗を振って列車を止める仕組み。アメリカが起源で、官営幌内鉄道は機関車・客車から線路まで全てをアメリカから輸入している)。言ってしまえば、正式な"駅"だったのは小樽の手宮、札幌(当初は仮駅)、そしてこの銭函だけだったのです。
回送列車を札幌側から撮ります。
跨線橋を渡って3番線(小樽方面ホーム)に向かいます。左は札幌側、右が小樽側です。
この時間は30分近く間隔があき、祭囃子が聞こえる以外はなにもありません。
いつまでいるんだろう……
ホームから見た駅舎。
11時50分。ようやく次の列車がやってきました。
30分の寄り道を経て、当初の目的地・小樽を目指します。
[種別:区間快速 函館本線 3426M いしかりライナー 岩見沢10:35発→小樽12:09]
《銭函11:50発》
銭函駅を出てすぐ、車窓右手に日本海が広がります。
波一つない穏やかな海です。
トンネルがほとんどないかわりに、線路はかなり曲がりくねっています。車窓から次の線路が見えるほどです。
ちなみに、進行方向右手は海、そして左手側は断崖絶壁になっています。よく線路を通したなと感心してしまいます。
この先、朝里駅との中間付近に張碓(はりうす)という駅がありました。1905年開業と歴史は古く、かつては海水浴客でにぎわっていました。しかし、鉄道を利用する客が少なくなって1998年に臨時駅に格下げ、2006年に正式に廃止となりました。ホームが剥がされているのでほとんど痕跡もありません。上り線との間隔が開いている――恐らくは銭函のように待避線があった――のが唯一の痕跡でしょうか。
10分かけて朝里に到着。
沖合にクルーズ船が浮かんでいます。小樽の街はもうすぐです。
《小樽12:08着》
昼下がりの小樽駅に無事到着しました。
銭函駅に遅れること13年、1903年に中央小樽駅として開業しました。当時は南小樽駅が小樽駅を名乗っていました(1900年に住吉駅から小樽駅に改称)。開通させたのは北海道鉄道という私鉄で、現在の小樽以西の函館本線の原形を作り上げました。
今でもホームや上屋の一部は開業当時からのものです。
小樽駅改札。このフロアから見ると、ホームは2階にあたります。坂の街・小樽ならではの構造です。
おわり。
そんな中、静サツも電車に乗って旅に出かけました。行き先は小樽です。
去る6月24日、日曜日。小樽に行く用事があり、自転車で札幌駅に向かいました。
午前10時50分、札幌駅に到着。陽が高くまで昇り、空には雲一つありません。
札幌を11時ちょうどに出る「いしかりライナー」で小樽に向かいます。
「いしかりライナー」は江別~札幌で快速運転(札幌~小樽は各駅停車)する列車と札幌~手稲で快速運転(江別~札幌と手稲~小樽は各駅停車)する列車の2パターンがありますが、札幌を毎時00分・30分に出る上り「いしかりライナー」は後者です。わずか10㎞しか快速運転をしないので速達効果はあまりなく、その役目は快速エアポート(毎時14分・44分発)が担っています。
この日の編成は721系の3両編成。進行方向を向いた座席は快適ですが、冬を意識した構造のため暑いのが難点です。
[種別:区間快速 函館本線 3424M いしかりライナー 江別10:28→小樽11:40]
《札幌11:00発》
発車後しばらくの間、同じく721系の学園都市線の列車(561M:札幌11:00→北海道医療大学11:42)と並走します。
学園都市線と離れる桑園を過ぎると、列車の速度がぐんと上がります。この先手稲までは直線区間となり、721系は加速の良さを見せつけます。
《手稲11:10着》
手稲で先行していた普通列車(1751M:(千歳始発)札幌10:51→手稲11:07)に追いつきます。先行する普通が16分かかっているこの区間を、「いしかりライナー」はわずか10分で駆け抜けたことになります。
手稲からは本数が減り、小樽まで各駅に泊まる「いしかりライナー」が普通列車の役目を果たします。
札幌運転所の脇にある駅が稲穂。1986年開業の比較的新しい駅です。
11時20分。丁度中間地点に当たる銭函に到着。
え、なんで列車から降りた写真があるかって?
この駅で途中下車したからに決まってます。
《銭函 11:20着》
下りホームを快速「エアポート」が通過していきます。
銭函駅自体見どころは多いのですが、ひとまず駅周辺を歩いてみることにします。
銭函駅東方の踏切から銭函駅方向を眺めます。
同じ場所から札幌方。
踏切のすぐ近く、線路脇の高台の上の神社では例大祭をやっていました。駅に着いた時から祭囃子が鳴っていたので、気になってはいたところでした。鳥居周辺に屋台が連なっています。
「豊足神社」というこの神社は、銭函地区の漁業の安全を願って建てられた神社だそうです。
本殿を参拝。
木々の隙間から電車が見えます。
鉄道という「日常」と例大祭という「非日常」が交わる瞬間。
屋台でポテトを買い、銭函駅に戻ります。
銭函駅に繋がる通りから一本離れれば、そこはもう海です。
20分ほどで銭函駅に到着。北海道でも最古級の木造駅舎です(1931年建造)。かまぼこのような独特の形をしています。
近くからアップで。
見た目に反し、中は自動改札を導入済み。北海道ではおなじみの簡易自動改札(ゲートなし・入場のみ)ではありません。
待合室部分。かなり余裕のある構造になっています。
駅舎にキオスクがある駅も、いまとなっては貴重な存在です。
中央の2番線(ホームはない)には、ほしみ発着の回送列車が待機していました。2面2線のホームしかないほしみでは折り返しができないためです。もっとも、乗降人員は銭函が2倍近いのですが……
11時42分、1番線に177Mが到着。
後追い。
長いホームは、かつての幹線輸送の名残。現在は最大でも6両です。
1番線脇には貨物ホームの跡が残っています。
銭函駅の開業はなんと、130年以上前の1880年(明治13年)。東京・大阪に並び鉄道が早く開業した北海道の中でも最古参です。
銭函駅は、官営幌内鉄道が手宮(小樽市・現在廃止)~札幌を開業させたときにできた駅の一つです。この鉄道は、三笠市の幌内炭鉱から小樽港まで石炭を運ぶために作られました。
当時、小樽から札幌までの間にあった駅は、住吉→南小樽、朝里、銭函、軽川→手稲、琴似のみ。しかも、銭函を除いてフラッグストップ方式(旗を振って列車を止める仕組み。アメリカが起源で、官営幌内鉄道は機関車・客車から線路まで全てをアメリカから輸入している)。言ってしまえば、正式な"駅"だったのは小樽の手宮、札幌(当初は仮駅)、そしてこの銭函だけだったのです。
回送列車を札幌側から撮ります。
跨線橋を渡って3番線(小樽方面ホーム)に向かいます。左は札幌側、右が小樽側です。
この時間は30分近く間隔があき、祭囃子が聞こえる以外はなにもありません。
いつまでいるんだろう……
ホームから見た駅舎。
11時50分。ようやく次の列車がやってきました。
30分の寄り道を経て、当初の目的地・小樽を目指します。
[種別:区間快速 函館本線 3426M いしかりライナー 岩見沢10:35発→小樽12:09]
《銭函11:50発》
銭函駅を出てすぐ、車窓右手に日本海が広がります。
波一つない穏やかな海です。
トンネルがほとんどないかわりに、線路はかなり曲がりくねっています。車窓から次の線路が見えるほどです。
ちなみに、進行方向右手は海、そして左手側は断崖絶壁になっています。よく線路を通したなと感心してしまいます。
この先、朝里駅との中間付近に張碓(はりうす)という駅がありました。1905年開業と歴史は古く、かつては海水浴客でにぎわっていました。しかし、鉄道を利用する客が少なくなって1998年に臨時駅に格下げ、2006年に正式に廃止となりました。ホームが剥がされているのでほとんど痕跡もありません。上り線との間隔が開いている――恐らくは銭函のように待避線があった――のが唯一の痕跡でしょうか。
10分かけて朝里に到着。
沖合にクルーズ船が浮かんでいます。小樽の街はもうすぐです。
《小樽12:08着》
昼下がりの小樽駅に無事到着しました。
銭函駅に遅れること13年、1903年に中央小樽駅として開業しました。当時は南小樽駅が小樽駅を名乗っていました(1900年に住吉駅から小樽駅に改称)。開通させたのは北海道鉄道という私鉄で、現在の小樽以西の函館本線の原形を作り上げました。
今でもホームや上屋の一部は開業当時からのものです。
小樽駅改札。このフロアから見ると、ホームは2階にあたります。坂の街・小樽ならではの構造です。
おわり。
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