広裕「はい! 『広裕と結那の鉄道相談室』、今日も始まります!」
結那「………………」
広裕「ん? 結那、どうした?」
結那「最近思うんだけどさ……ここって、『鉄道相談室』だよね?」
広裕「ああ。それが?」
結那「内容がニッチ過ぎて『鉄道相談室』じゃなくて『鉄道投稿所』になってる気がするんだけど」
広裕「あー……それはあるかも」
結那「ま、それは上も思ってたみたいね。ということで、今回は初心に帰って、鉄道初心者でも大丈夫なテーマにしたよ」
広裕「それは期待」
結那「今回のテーマは、『北海道&東日本パス』です!」
広裕「おお! ……って、初心者なら青春18きっぷの方が……」
結那「なんでも、このブログ、『北海道&東日本パス』目当てに来る人が多いらしいよ。上の人(※)なんて、たった一回しか使ったことないって言うのにね」
(※:静サツのこと。)
広裕「それで俺たちに……か。といっても、正直北海道か東日本に住んでない限りメリットがない切符だけど……」
結那「はいはい愚痴らない愚痴らない」
広裕「えーっと、『北海道&東日本パス』だっけか。簡単に言うと、青春18きっぷの東日本バージョンだな」
結那「JRの普通列車に乗り放題。特急や新幹線は特急料金を払っても乗れない(※)のも同じだよ」
(※:一部例外あり)
広裕「最近になって青春18きっぷが鉄道マニアじゃない人にも浸透してきた気がするな。18キッパーという言葉もあるし」
(※18キッパー:青春18きっぷ利用者のこと。普通列車にしか乗れないという特性上18キッパーしかとらない行動というものがいくつか存在する。)
結那「それは広裕だけ(※)じゃ……」
(※:個人的な感としては鉄道界隈では割と知られている。18キッパーが多いせいもあるが。)
広裕「北海道&東日本パスの値段は10000円ぽっきり。青春18きっぷが11500円だから、東日本だけ利用するなら考えてもいいかもしれない」
結那「ちなみに、当たり前だけど、JR東日本より西の会社(※)では使えないよ!」
(※:JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州)
広裕「青春18きっぷと似たところが多いから、ここでは青春18きっぷと比較してみていこう」
1.利用期間
結那「発売時期はおおむね青春18きっぷと同じ。春休み・夏休み・冬休みの時期ね」
広裕「完全に一致してるわけじゃないからそこは注意が必要だ」
結那「使える日数は、青春18きっぷが5日間(5回分)なのに対して、北海道&東日本パスだと7日になってるよ。一日分で考えると、青春18きっぷが2300円/日(回)、北海道&東日本パスで1300円/日だね」
広裕「そうも簡単には割り切れないぞ。北海道&東日本パスは7日間連続でしか使えないからな」
結那「え、じゃあ青春18きっぷみたく1日ずつばらばらに使えないの?」
広裕「ああ。ついでに、青春18きっぷは複数人でも使えるが、北海道&東日本パスではそれはできない」
(※複数人で使える……ただし、全員同一行動をとることが条件。)
結那「使いづらいよー。余った時に金券屋に売れないじゃん……」
広裕「それで一枚になったっていうのに……」
(※一枚になった……青春18きっぷは一枚の切符に5箇所スタンプを押す場所があり、使用開始時に駅員からスタンプをもらう。スタンプ一つにつき1人・1日分。発売当初はちぎって使うタイプだったが、金券ショップでバラで売られることが多かったため、現在の形となった。)
結那「間違っても切符を捨てないようにね!」
(※間違っても……2013年夏、青春18きっぷを一日だけ使って捨てた猛者が現る。確かに発券すると5枚だが、3枚が説明書き、1枚がアンケートなので、くれぐれも本体を捨てないように。)
2.利用エリア
広裕「名前の通り東日本エリアでしか使えない切符だけど、JRオンリーの青春18きっぷと違って、JR以外の会社もいくつか利用ができる」
北海道&東日本パスで利用できる路線(いずれも全線利用可)
・JR北海道
・JR東日本
・IGRいわて銀河鉄道
・青い森鉄道
・北越急行
・富士急行
結那「IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道は、東北新幹線開業で東北本線の盛岡~青森間を引き継いだ会社です」
(※IGR(略)・青い森鉄道……IGR(略)は岩手県側(盛岡~目時)、青い森鉄道は青森県側(目時~八戸~青森)を運営。ちなみに、『IGR(略)』の名称は、『IGR』も『いわて銀河鉄道』も既に登録商標を奪われていたための苦肉の策。)
広裕「ここは整備新幹線の関係で、JRから切り離された区間だ」
(※整備新幹線……全国新幹線整備法(1973年)に基づく新幹線。東北新幹線では盛岡以北が該当する。この法で、並行在来線をJRから切り離すことが盛り込まれている。)
結那「東北を鈍行で北上するルートは奥羽本線経由・花輪線経由・IGR+青い森鉄道経由の3つがあるけど、やっぱり一番便利なのはIGR+青い森鉄道経由だよ」
(※花輪線……好摩~大館を結ぶ路線。盛岡~弘前の最短ルートを構成する。18きっぷでは盛岡~好摩間630円をプラスすれば乗れるため、18キッパー御用達のルート。)
広裕「昔の幹線だったこともあって本数は3つの中で最も多いからな」
結那「ただ、第3セクターだからっていうのもあるけど運賃が高いんだよね…… 盛岡から青森まで乗りとおすと5330円もかかるし」
広裕「他だと肥薩おれんじ鉄道のように18キッパー向けの割引切符を売っているところもあるけど、残念ながらここにはない」
(※肥薩おれんじ鉄道……九州新幹線開業で鹿児島本線八代~川内を引き継いだ第3セクター。乗り通すと2550円かかるが、青春18きっぷ利用者に限り2000円でフリー乗車券を発売。)
結那「あ、そうか。『北海道&東日本パス』ならそこも追加料金無しでいけるんだ」
広裕「そういうこと。片道だけで半分近く元を取れるから、鈍行旅でこの区間に乗るんだったらまず買ったほうが安くなる」
結那「それは大きいね」
広裕「しかし、さっきの二つはわかるんだが、なんで北越急行(六日町~犀潟)と富士急行(大月~河口湖)も乗れるんだ?」
結那「富士急はJR東日本と直通してるし観光でもタッグを組んでるからわからなくもないけど」
(※富士急と直通運転……中央本線が非電化の頃から始まり、そのために富士急が気動車を作ったほどだった。現在も東京~河口湖を直通する快速列車の他、新宿・大宮~河口湖を走る臨時快速が週末に運転される。)
広裕「北越急行は北陸に行くときは便利だけど、どのみちきっぷは直江津までだしなあ……」
(※北越急行……越後湯沢と直江津を最短で結ぶ路線を形成する第3セクター。現在は上越新幹線接続の特急「はくたか」があるため安泰だが、北陸新幹線金沢開業後は雲行きが怪しい。)
結那「むしろ、なんでしなの鉄道を入れなかったのか私にはわかんないや」
(※しなの鉄道……長野新幹線開業で信越本線軽井沢~篠ノ井を引き継いだ第3セクター。北陸新幹線開業で篠ノ井~妙高高原も運営することになった。)
3.利用できる列車・設備
広裕「さて、利用できる列車だが、どちらも原則普通列車に限られている」
結那「原則っていうのは、特例区間のこと?」
(※特例区間……普通列車の走っていない海峡線木古内~蟹田と石勝線新夕張~新得、および宮崎空港線宮崎~宮崎空港、奥羽本線新青森~青森の4区間では、特急列車の自由席に乗車券だけで乗れる。ちなみに青春18きっぷでなくとも有効。)
広裕「青春18きっぷの場合はそうだが、北海道&東日本パスの場合はもう2つ特例があるんだ」
結那「2つも?」
広裕「まず、特急料金を払うと青森~函館も特急の自由席が利用できる」
結那「え? …………そんなことができるの? だって、青春18きっぷだったら、特急料金払っても運賃有効じゃないでしょ?」
広裕「そうだ。だからすごいんじゃないか」
結那「私鉄のフリーきっぷだったらよくあるけど、まさかJRでそれだなんて」
広裕「そしてもう一つ。急行列車なら料金さえ払えばなんでも利用可能」
結那「……? 自由席限定とかじゃなくて?」
広裕「うん。グリーン券を買えばグリーン車も乗れるし、寝台券を買えば寝台もオッケー」
結那「ええっ!? 普通列車でもグリーン車指定席はだめなのに!?」
(※グリーン車指定席はだめ……青春18きっぷ・北海道&東日本パスともども、指定席・グリーン車自由席は券を追加すれば乗車できるが、グリーン車指定席は別途運賃が必要。北海道&東日本パスの場合、急行ではグリーン車指定席が利用可能という逆転現象が生じている。)
広裕「実はこのルール、『急行「はまなす」(青森~札幌)の自由席を追加料金無しで利用可能』というルールを拡大したものなんだ(2010年夏季より)」
結那「「はまなす」って、今や最後の急行になった、あの?」
(※最後の急行……「きたぐに」の廃止で、「はまなす」は唯一の定期急行になった。さらに、夜行急行、客車急行としても最後の存在となってしまった。北海道新幹線開業で廃止予定。)
広裕「おう。だから、急行列車と書いてあるけど、実際には「はまなす」のことをさしている」
結那「そっか……今までは自由席しか使えなかったのが、カーペットカーもドリームカーも寝台車も使えるようになったんだ」
(※カーペットカー、ドリームカー、寝台車……「はまなす」には、カーペットの座敷が広がるカーペットカー、大型リクライニングシートと減光装置を備えたドリームカー、B寝台車が連結されている。所定7両のうち、B寝台車が2両、カーペットカーが1両、ドリームカーが2両、自由席が2両の構成で、繁忙期は最大12両になる。)
広裕「前から比べると値上げだが、乗れる幅が広がる分楽ではあるな」
結那「ねえ、広裕。もしかして、この2つの特例って……」
広裕「あ、結那も気づいたか。どっちも青函トンネルを楽に抜けられるための措置だ」
結那「あそこ本数が少ないからねー。乗り継ぎもすこぶる悪いし」
広裕「夜行の「はまなす」ならあっという間に北海道までいけるからな。自由席なら片道1200円を追加するだけですむし。IGR・青い森鉄道の措置も踏まえると、本州~北海道で鈍行を乗り継ぐなら、北海道&東日本パスが圧倒的に有用だ」
結那「一日がかりだけどね……」
・本州→北海道のモデルルート
上野6:59→宇都宮8:42/8:44→黒磯9:35/9:39→郡山10:40/11:06→福島11:54/12:00→白石12:34/12:37
→仙台13:26/13:41→一ノ関15:22/15:27→盛岡16:56(夕食)18:15→三戸19:42/19:51
→青森21:48/22:42(急行はまなす)→札幌6:10
広裕「『上のモデルルートは、静サツが2012年冬に乗った際のルートをベースにしています』だって」
結那「下手に行くと黒磯から青森までずっとロングシートの可能性もあるから……そのときはご愁傷様だね」
(※ずっとロングシート……全区間でロングシートの701系が運転されている。特に一ノ関~青森はほぼ100パーセント701系にあたることになる。18キッパーからロング地獄ロング王国と呼ばれる静岡の比ではない。)
広裕「ということで、まとめてみますか」
○北海道&東日本パスまとめ
・JR北海道、JR東日本の他、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、北越急行、富士急行でも利用できる。
・7日間連続有効で10000円。
・青春18きっぷとは違い、他の人と分け合うことはできない。
・基本的に普通列車のみ利用可能。
・普通列車の指定席、グリーン車自由席は券を買えば利用可能。グリーン車指定席は別途運賃が必要。
・急行列車は別途料金を追加することで全ての設備が利用可能。
・特急列車のうち、青森~函館間は自由席のみ券を追加で利用可能。その他は特例区間を除き別途運賃が必要。
・性質上、青函トンネルを通ると元がとりやすい。
結那「2013年冬の発売は12月1日から1月4日、利用可能な時期は12月10日から1月10日までです。詳しくはJR東日本のページを見てね!」
広裕「それではみなさん、よい旅を!」
結那「………………」
広裕「ん? 結那、どうした?」
結那「最近思うんだけどさ……ここって、『鉄道相談室』だよね?」
広裕「ああ。それが?」
結那「内容がニッチ過ぎて『鉄道相談室』じゃなくて『鉄道投稿所』になってる気がするんだけど」
広裕「あー……それはあるかも」
結那「ま、それは上も思ってたみたいね。ということで、今回は初心に帰って、鉄道初心者でも大丈夫なテーマにしたよ」
広裕「それは期待」
結那「今回のテーマは、『北海道&東日本パス』です!」
広裕「おお! ……って、初心者なら青春18きっぷの方が……」
結那「なんでも、このブログ、『北海道&東日本パス』目当てに来る人が多いらしいよ。上の人(※)なんて、たった一回しか使ったことないって言うのにね」
(※:静サツのこと。)
広裕「それで俺たちに……か。といっても、正直北海道か東日本に住んでない限りメリットがない切符だけど……」
結那「はいはい愚痴らない愚痴らない」
広裕「えーっと、『北海道&東日本パス』だっけか。簡単に言うと、青春18きっぷの東日本バージョンだな」
結那「JRの普通列車に乗り放題。特急や新幹線は特急料金を払っても乗れない(※)のも同じだよ」
(※:一部例外あり)
広裕「最近になって青春18きっぷが鉄道マニアじゃない人にも浸透してきた気がするな。18キッパーという言葉もあるし」
(※18キッパー:青春18きっぷ利用者のこと。普通列車にしか乗れないという特性上18キッパーしかとらない行動というものがいくつか存在する。)
結那「それは広裕だけ(※)じゃ……」
(※:個人的な感としては鉄道界隈では割と知られている。18キッパーが多いせいもあるが。)
広裕「北海道&東日本パスの値段は10000円ぽっきり。青春18きっぷが11500円だから、東日本だけ利用するなら考えてもいいかもしれない」
結那「ちなみに、当たり前だけど、JR東日本より西の会社(※)では使えないよ!」
(※:JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州)
広裕「青春18きっぷと似たところが多いから、ここでは青春18きっぷと比較してみていこう」
1.利用期間
結那「発売時期はおおむね青春18きっぷと同じ。春休み・夏休み・冬休みの時期ね」
広裕「完全に一致してるわけじゃないからそこは注意が必要だ」
結那「使える日数は、青春18きっぷが5日間(5回分)なのに対して、北海道&東日本パスだと7日になってるよ。一日分で考えると、青春18きっぷが2300円/日(回)、北海道&東日本パスで1300円/日だね」
広裕「そうも簡単には割り切れないぞ。北海道&東日本パスは7日間連続でしか使えないからな」
結那「え、じゃあ青春18きっぷみたく1日ずつばらばらに使えないの?」
広裕「ああ。ついでに、青春18きっぷは複数人でも使えるが、北海道&東日本パスではそれはできない」
(※複数人で使える……ただし、全員同一行動をとることが条件。)
結那「使いづらいよー。余った時に金券屋に売れないじゃん……」
広裕「それで一枚になったっていうのに……」
(※一枚になった……青春18きっぷは一枚の切符に5箇所スタンプを押す場所があり、使用開始時に駅員からスタンプをもらう。スタンプ一つにつき1人・1日分。発売当初はちぎって使うタイプだったが、金券ショップでバラで売られることが多かったため、現在の形となった。)
結那「間違っても切符を捨てないようにね!」
(※間違っても……2013年夏、青春18きっぷを一日だけ使って捨てた猛者が現る。確かに発券すると5枚だが、3枚が説明書き、1枚がアンケートなので、くれぐれも本体を捨てないように。)
2.利用エリア
広裕「名前の通り東日本エリアでしか使えない切符だけど、JRオンリーの青春18きっぷと違って、JR以外の会社もいくつか利用ができる」
北海道&東日本パスで利用できる路線(いずれも全線利用可)
・JR北海道
・JR東日本
・IGRいわて銀河鉄道
・青い森鉄道
・北越急行
・富士急行
結那「IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道は、東北新幹線開業で東北本線の盛岡~青森間を引き継いだ会社です」
(※IGR(略)・青い森鉄道……IGR(略)は岩手県側(盛岡~目時)、青い森鉄道は青森県側(目時~八戸~青森)を運営。ちなみに、『IGR(略)』の名称は、『IGR』も『いわて銀河鉄道』も既に登録商標を奪われていたための苦肉の策。)
広裕「ここは整備新幹線の関係で、JRから切り離された区間だ」
(※整備新幹線……全国新幹線整備法(1973年)に基づく新幹線。東北新幹線では盛岡以北が該当する。この法で、並行在来線をJRから切り離すことが盛り込まれている。)
結那「東北を鈍行で北上するルートは奥羽本線経由・花輪線経由・IGR+青い森鉄道経由の3つがあるけど、やっぱり一番便利なのはIGR+青い森鉄道経由だよ」
(※花輪線……好摩~大館を結ぶ路線。盛岡~弘前の最短ルートを構成する。18きっぷでは盛岡~好摩間630円をプラスすれば乗れるため、18キッパー御用達のルート。)
広裕「昔の幹線だったこともあって本数は3つの中で最も多いからな」
結那「ただ、第3セクターだからっていうのもあるけど運賃が高いんだよね…… 盛岡から青森まで乗りとおすと5330円もかかるし」
広裕「他だと肥薩おれんじ鉄道のように18キッパー向けの割引切符を売っているところもあるけど、残念ながらここにはない」
(※肥薩おれんじ鉄道……九州新幹線開業で鹿児島本線八代~川内を引き継いだ第3セクター。乗り通すと2550円かかるが、青春18きっぷ利用者に限り2000円でフリー乗車券を発売。)
結那「あ、そうか。『北海道&東日本パス』ならそこも追加料金無しでいけるんだ」
広裕「そういうこと。片道だけで半分近く元を取れるから、鈍行旅でこの区間に乗るんだったらまず買ったほうが安くなる」
結那「それは大きいね」
広裕「しかし、さっきの二つはわかるんだが、なんで北越急行(六日町~犀潟)と富士急行(大月~河口湖)も乗れるんだ?」
結那「富士急はJR東日本と直通してるし観光でもタッグを組んでるからわからなくもないけど」
(※富士急と直通運転……中央本線が非電化の頃から始まり、そのために富士急が気動車を作ったほどだった。現在も東京~河口湖を直通する快速列車の他、新宿・大宮~河口湖を走る臨時快速が週末に運転される。)
広裕「北越急行は北陸に行くときは便利だけど、どのみちきっぷは直江津までだしなあ……」
(※北越急行……越後湯沢と直江津を最短で結ぶ路線を形成する第3セクター。現在は上越新幹線接続の特急「はくたか」があるため安泰だが、北陸新幹線金沢開業後は雲行きが怪しい。)
結那「むしろ、なんでしなの鉄道を入れなかったのか私にはわかんないや」
(※しなの鉄道……長野新幹線開業で信越本線軽井沢~篠ノ井を引き継いだ第3セクター。北陸新幹線開業で篠ノ井~妙高高原も運営することになった。)
3.利用できる列車・設備
広裕「さて、利用できる列車だが、どちらも原則普通列車に限られている」
結那「原則っていうのは、特例区間のこと?」
(※特例区間……普通列車の走っていない海峡線木古内~蟹田と石勝線新夕張~新得、および宮崎空港線宮崎~宮崎空港、奥羽本線新青森~青森の4区間では、特急列車の自由席に乗車券だけで乗れる。ちなみに青春18きっぷでなくとも有効。)
広裕「青春18きっぷの場合はそうだが、北海道&東日本パスの場合はもう2つ特例があるんだ」
結那「2つも?」
広裕「まず、特急料金を払うと青森~函館も特急の自由席が利用できる」
結那「え? …………そんなことができるの? だって、青春18きっぷだったら、特急料金払っても運賃有効じゃないでしょ?」
広裕「そうだ。だからすごいんじゃないか」
結那「私鉄のフリーきっぷだったらよくあるけど、まさかJRでそれだなんて」
広裕「そしてもう一つ。急行列車なら料金さえ払えばなんでも利用可能」
結那「……? 自由席限定とかじゃなくて?」
広裕「うん。グリーン券を買えばグリーン車も乗れるし、寝台券を買えば寝台もオッケー」
結那「ええっ!? 普通列車でもグリーン車指定席はだめなのに!?」
(※グリーン車指定席はだめ……青春18きっぷ・北海道&東日本パスともども、指定席・グリーン車自由席は券を追加すれば乗車できるが、グリーン車指定席は別途運賃が必要。北海道&東日本パスの場合、急行ではグリーン車指定席が利用可能という逆転現象が生じている。)
広裕「実はこのルール、『急行「はまなす」(青森~札幌)の自由席を追加料金無しで利用可能』というルールを拡大したものなんだ(2010年夏季より)」
結那「「はまなす」って、今や最後の急行になった、あの?」
(※最後の急行……「きたぐに」の廃止で、「はまなす」は唯一の定期急行になった。さらに、夜行急行、客車急行としても最後の存在となってしまった。北海道新幹線開業で廃止予定。)
広裕「おう。だから、急行列車と書いてあるけど、実際には「はまなす」のことをさしている」
結那「そっか……今までは自由席しか使えなかったのが、カーペットカーもドリームカーも寝台車も使えるようになったんだ」
(※カーペットカー、ドリームカー、寝台車……「はまなす」には、カーペットの座敷が広がるカーペットカー、大型リクライニングシートと減光装置を備えたドリームカー、B寝台車が連結されている。所定7両のうち、B寝台車が2両、カーペットカーが1両、ドリームカーが2両、自由席が2両の構成で、繁忙期は最大12両になる。)
広裕「前から比べると値上げだが、乗れる幅が広がる分楽ではあるな」
結那「ねえ、広裕。もしかして、この2つの特例って……」
広裕「あ、結那も気づいたか。どっちも青函トンネルを楽に抜けられるための措置だ」
結那「あそこ本数が少ないからねー。乗り継ぎもすこぶる悪いし」
広裕「夜行の「はまなす」ならあっという間に北海道までいけるからな。自由席なら片道1200円を追加するだけですむし。IGR・青い森鉄道の措置も踏まえると、本州~北海道で鈍行を乗り継ぐなら、北海道&東日本パスが圧倒的に有用だ」
結那「一日がかりだけどね……」
・本州→北海道のモデルルート
上野6:59→宇都宮8:42/8:44→黒磯9:35/9:39→郡山10:40/11:06→福島11:54/12:00→白石12:34/12:37
→仙台13:26/13:41→一ノ関15:22/15:27→盛岡16:56(夕食)18:15→三戸19:42/19:51
→青森21:48/22:42(急行はまなす)→札幌6:10
広裕「『上のモデルルートは、静サツが2012年冬に乗った際のルートをベースにしています』だって」
結那「下手に行くと黒磯から青森までずっとロングシートの可能性もあるから……そのときはご愁傷様だね」
(※ずっとロングシート……全区間でロングシートの701系が運転されている。特に一ノ関~青森はほぼ100パーセント701系にあたることになる。18キッパーから
広裕「ということで、まとめてみますか」
○北海道&東日本パスまとめ
・JR北海道、JR東日本の他、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、北越急行、富士急行でも利用できる。
・7日間連続有効で10000円。
・青春18きっぷとは違い、他の人と分け合うことはできない。
・基本的に普通列車のみ利用可能。
・普通列車の指定席、グリーン車自由席は券を買えば利用可能。グリーン車指定席は別途運賃が必要。
・急行列車は別途料金を追加することで全ての設備が利用可能。
・特急列車のうち、青森~函館間は自由席のみ券を追加で利用可能。その他は特例区間を除き別途運賃が必要。
・性質上、青函トンネルを通ると元がとりやすい。
結那「2013年冬の発売は12月1日から1月4日、利用可能な時期は12月10日から1月10日までです。詳しくはJR東日本のページを見てね!」
広裕「それではみなさん、よい旅を!」
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