<2014年12月28日>
20時20分。「あの」時間がやってきました。
再び食堂車に向かいます。

既に6号車まで列が出来ていました。
この列は、ディナーコースのあとのパブタイムを待つ行列です。
北斗星の食堂車では、コースを予約していなくても、食事を楽しむことが出来ます。
トワイライトエクスプレスと異なるのは、食事メニューが充実していること。特に北斗星ではご飯物が豊富です。トワイライトでできなかった「食堂車で夕ご飯」を、ここで実現するのです!
……まあ、列が出来るのは想定内でしたけど。
ちなみに、パブタイムの開始時刻は所定で21時です。
北斗星の戦い、その4。食堂車も争奪戦。

コースの終了時刻から考えて、八雲発車前後=約40分前から並べばいいかなと思ったのですが、やはり甘かったようです。
ていうか、そうでもしないと食べられないって時点でおかしいでしょ普通。
コースの遅れで、パブタイムが始まったのは21時30分頃。列車は既に五稜郭を過ぎようとしていました。
ここで私はまた足止めを食らい、ウェイティングリスト(日本語だと何だろ?)の一番上に名前を書くことに。

21時38分、函館到着。
北海道最後の停車駅で、10分停車します。

「北斗星」はここで一大イベントを迎えます。

楽しげな食堂車。

ホームの端で待つこと1分。

赤い機関車・ED79が到着しました。

最後尾に接近。

ステンバーイ…ステンバーイ…

ドッキング!
そう、「北斗星」はここで方向転換と機関車付け替えを同時に行うのです。
食堂車で食べていたらここでの撮影は出来ません。ここでも写真撮影とのトレードオフが成り立つのです。

ED79 4が担当するのは青森まで。短い距離ながら別の機関車を仕立てるのは、青函トンネルがATCを採用し、かつ海底長距離トンネルのため対湿害・対塩害対策を施す必要があるからです。
しかし、貨物はすでにEH500によって本州からの直通ができており、ED79が先頭に立つのは旅客列車のみ。そして、新幹線が開業するとトンネル内は20000Vから新幹線の25000Vの昇圧されるためお役御免となる予定です。
撮影を終えてしばらく経ち、ようやく私も食堂車に通されました。

折角なのでグラスワインを注文。味がどうこうではなくて、「食堂車で呑んだ」ことが重要なのです。

ハンバーグとパン・スープのセットを注文。2巡目になっても定食メニューが残っていたのは僥倖でした。
闇に落ち込んでいく津軽海峡を眺めながらの夕食は、格別のひと時でした。

食べ終わることには、すでに食堂車も店じまい。
並んでいる時にロビーで出会った方たち(名づけて「ヒトリタビーズ」。私含め全員無関係の1人旅による集団)は残念ながら入れなかったようです。列の都合上しょうがないとはいえ、全員が食べれないというのは結構酷です。
ヒトリタビーズの層はサラリーマンから学生まで様々。みな開放B寝台でした。国鉄時代を知る人から、JR世代(私はここに入ります)まで全員鉄道に詳しく、しばらくの間ロビーで語らっていました。こういう出会いがあるからこそ、鉄道旅行は面白いと思います。
明日の朝食こそはと気合を入れて、12時ごろにお開き。

青森駅に到着。ここでも方向転換&機関車付け替えですが、ドアは開きません。
青森発車を見届けてから、B寝台でお休みタイム。
<2014年12月29日>
翌日になりました。

売り切れのシャワールームも静かです。
それもそのはずで、現在朝の5時15分。ロビーにも誰もいません。てかいるほうがおかしい。
ヒトリタビーズの集合は5時半としていたので、まだしばらくあります。

まあ、朝食が始まるのは朝の6時半なんですけどね。
北斗星の戦い、その5。寝起きも戦場。
寝台列車なのに、満足に寝ることも出来ないなんて……

食堂車は6号車側から並ぶよう指示されているので、先頭ほど有利(※ただし1時間前から並んでいる場合に限る)です。有利って何だっけ。

ヒトリタビーズが集まらないので、残る8~11号車を見に行きます。
7号車の端にある、グッズ一覧表。売り切れたグッズが黒い紙で覆われています。私ですか? もちろん車内販売が回ってきた時に即決で買いましたよ。
北斗星の戦い、その6。グッズも戦場。

食堂車が壁となって立ちはだかっていた8号車~11号車に潜入します。


A寝台2人個室「ツインデラックス」の連なる8号車・オロネ25-508。


9号車・オロハネ25-502は空気が一変。ここには最上級の個室「ロイヤル」(A寝台1人用個室)が設置されているため、廊下も化粧板を使って高級感をアピール。
手前の個室がロイヤルです。シャワー・トイレに各種サービスのついた、まさに至れり尽くせりの個室です。

奥はソロ個室。A寝台とは扉で仕切られています。

JR北海道車に比べて広そうな個室。


10号車も9号車と同じ構造なので割愛。

Bコンパートの11号車・オハネフ25-13まで到着。

この先に電源車が繋がっていますが、締め切り扱いとなっています。
食堂車に戻る頃には太陽も昇ってきました。

《福島 5:53着》
6時になろうとする頃、福島に到着。

ロビーも大分混んできました。繰り返しますが、まだ朝の6時です。朝食を食べるには、寝ることさえ惜しまれます。
北斗星の戦い、その7。朝食も戦場。
6時半。朝食の門が解禁。当然私は1番乗り……ではなく、車内探訪(後編)をしていたら2番目になっていました。時間予約制だったトワイライトエクスプレスに比べると、どうしても不便に感じてしまいます。

北斗星の朝食は和食と洋食の2種類があります。
和食が数に限りがあると聞いていたので和食にしようかとも思ったのですが、メニューを見て洋食で注文しました。

サラダ・デザート(ヨーグルト)・オレンジジュースが先にやってきます。

そしてこちらがメインの皿。思っていたよりボリュームがありました。

焼きたてのパンと共に。

夜は明けましたが、空は生憎の曇り模様。
「北斗星」は順調に南下。宇都宮にほぼ定時で到着します。
残すところ停車駅は大宮と上野だけになりましたが、「北斗星」の前に朝ラッシュの普通列車がいる関係で、1時間半かけて上野に向かいます。特急といえど、ラッシュを邪魔することは出来なので、遠慮気味に走ります。
道中撮影者を見かけましたが、この天気では暗くて難しかったことでしょう。

《大宮 9:10着》
最後の停車駅・大宮。そして……

《上野 9:38着》
無事、終点の上野に到着しました。

鼻先に向かえば、当然のごとくカメラの群れが。

正直言って、これだけ人だかりができていて人を入れずに撮るのは至難の業です。洟垂れ小僧を写す気は毛頭もなかったのに。

青森で付け替わっていた機関車。EF81の代替としてデビューしてまだ5年少々ですが、来年(2016年)には早々と旅客営業から退くことになります。おそらく、他の500番台同様、JR貨物に移るでしょうけど。

最後尾のカニ24-506では、尾久車両センターに向けて回送の準備中。

後ろの機関車だけで進む、推進運転で回送されます。

ということで、「北斗星」の旅は以上となります。

さて、戻りますか――
――北に。
続く!
おまけ
上野駅での風景はフォトチャンネルにてお楽しみください。
「北斗星の雄姿 ~2014年12月29日 上野駅13番線にて」
「北斗星の雄姿 ~2014年12月29日 上野駅13番線にて」
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