<2014年12月29日>
前回は「北斗星」の見送りで終了しました。
地平ホームを回り込み、宇都宮線の559Mに乗ります。
[東北本線(宇都宮線) 559M 上野10:25→小金井11:59]
乗り込んだ559Mは尾久回りで北に向かいます。
目の前に広がる広大な敷地は、尾久車両センター。都心に今でも残る車両基地は、上野東京ラインの開業でますます重要な意味を帯びてきました。廃止となった田町車両センターの機能
担当は北東北向けのE231系・E233系。そして、「北斗星」など寝台特急のねぐらでもあります。
本来ここにいるはずのない185系(大宮車両センター所属)と南武色205系(中原車両(ry所属)が。205系はE233系投入に伴う疎開でしょうか。
そしてここには先ほど引き上げた「北斗星」が! 残念なことに185系の影に隠れてしまっていますが……
荒川を渡り、列車は埼玉県へ。
《大宮 10:50着》
大宮で下車。新幹線ホームに向かいます。
今度の北陸新幹線延伸でさらなるカオス化が予想される電光掲示板。
E6系「こまち15号」が登場。定期「こまち」と通し番号ながら、臨時列車です。スーパーこまち? 知らない子ですね……
11時8分。目当てのE2系「あさま517号」がやってきました。
ここから北へワープします。次なる目的地は長野です。
[北陸新幹線 あさま517号 東京10:44→長野12:30]
《大宮 11:10発》
大宮から乗ったのはもちろん節約のため。というより、大宮~上野では在来線と大して所要時間が変わらないくせに、880円もむしりとられるのは納得がいかない。
年末帰省時の「あさま517号」は満席。事前に指定席特急券をおさえておいて正解でした。
《長野 12:30着》
「北斗星」を降りてから僅か2時間で静サツは長野へやってきました。
北陸(長野)新幹線は途中駅での乗降が比較的多いですが、この日は7割近くが終点まで乗りとおしていました。
延伸に向けた改良工事のため、一部の通路が塞がれており、5分近くホームから出れませんでした。
さて、ここから乗車するのは、
飯山線のキハ110……ではなく、
信越本線の189系「妙高3号」です。
かつては高崎と新潟を長野経由で結び、様々な優等列車が行きかった信越本線ですが、新幹線長野開業の1997年に碓氷峠を挟む横川~軽井沢が廃止。軽井沢~篠ノ井がしなの鉄道として分離されました。
あれから18年。北陸新幹線が金沢まで延びることで、信越本線篠ノ井~長野~直江津もまた、しなの鉄道に移管されることとなりました。新幹線連絡列車としての役目もあった「妙高」も、2015年3月をもって廃止となります。
列車の大本は、一部直江津まで乗り入れていた特急「あさま」。列車名も、元をただせば「あさま」以前から上野~長野・直江津を結んでいた「妙高」。車両は「あさま」と同じ、国鉄色に塗り替えた189系。走る路線は120年以上の歴史を持ち、新幹線延伸と共に幹線としての使命を終える、信越本線長野~直江津。どこをとっても、貴重な要素ばかりです。
JRマーク自体も、最近は見られなくなりました。
車両は長野に所属するN101編成です。
(編成:長ナノN101)←直江津 クハ183-1525+モハ189-28+モハ188-28+モハ189-37+モハ189-37+クハ183-1528 →長野
最後尾のクハ183-1528。
このN101編成の特徴は、先頭車が183系となっていることです。これは、首都圏に乗り入れる「はまかいじ」に運用するため、ATCに対応した松本の183系と先頭車を交換したからです。
さて、この日の「妙高3号」は、ホームに付いた時点で窓側席の空きが皆無の状態でした。とりあえず通路側席を確保してから撮影に出かけましたが、数分でデッキに立ち客が出るほどになりました。長野~直江津では115系の3両編成が基本ですから、6両の189系が混んでいるのは一大事といえました。
客層はどちらかというとマニアより家族連れの方が多かったです(外人の方も)。
ともあれ、12時45分。わずかな時間で撮影を済ませ、「妙高3号」で出発!
[信越本線 3323M 妙高3号 長野12:45→直江津14:17]
《長野 12:45発》
いろいろな要素が重なり大繁盛の普通列車「妙高3号」。そう、「妙高」は特急形車両を使いながら普通列車なのです。「エアポート」や「わかしお」などといった間合い運用ではなく、専用(※注)の運用を組んでいる珍しい列車です。
※……最近はしなの鉄道のライナーに借り出されている
右手の長野車両センターには、南武線を追いやられた205系達が。
りんご園の脇を走る189系。
ここで昼ごはんとしましょう。大宮で買った照り焼き弁当。駅弁ではなく、駅ナカのお店で買った弁当です。お値段600円。駅弁だとこのサイズで1000円ぐらいしますから、意外と旅行中の食費の節約になります。
《豊野 12:59着》
飯山線と分岐する豊野。ここから山越えが始まります。
いきなり急旋回&急勾配で山を目指します。25パーミル勾配も、中央本線や信越本線で鍛えられてきた189系/183系にはお手の物。
豊野から数分で、大自然の中に飛び込みます。
牟礼で反対方向の普通列車と交換待ち。
このあたりで一端土地が開けます。
雪原にポツリと立つ古間駅。
長野県最後の駅・黒姫に到着。
《黒姫 13:20着》
峠越えの手前にある駅でもある黒姫。2面3線の構内は、6両の「妙高」であっても不相応に広大です。
次の妙高高原までは、直江津までの間で唯一複線となります。
あれはスキー場か、ただの山か……
《妙高高原 13:29着》
ついに新潟県に到着。列車名の由来となった妙高山のお膝元に当たります。
高原の線路を、60km/h前後で走る189系。古い路線だけ合って線形は芳しくありません。それでも、つい十数年前まで、ここには特急列車が行きかっていました。
辺りは一面雪景色。
関山発車後の車内。黒姫から空いたので、窓側の席に移りました。デッキにまで人があふれていたのが嘘のようです。
ここで、この区間の見所の一つ・二本木のスイッチバックに到着しました。
二本木駅には、現役のスイッチバックが残ります。二本木に停車する列車は、もれなく進行方向を帰ることになります。右手奥が直江津に繋がる線路、手前が引き上げ線です。
いくつものポイントを抜けた先にはカメラが待ち構えていました。
《二本木 13:43着》
停車ついでに交換待ちのため3分ほど停車。
《二本木 13:46発》
《新井 13:54着》
新井までくればあともう少し。
三才付近で別れた北陸新幹線の高架が、こちらに近づいてきます。
新幹線の新駅・上越妙高駅と接続するため、信越本線は一部路線変更を行いました。うっすらと、かつての線路の面影が見えます。
南高田は棒線駅。
上越市の中心・高田で最後の列車交換を行います。
かつての城下町であり、商業の中心でもある高田から、陸路と海路が交わる交通の中心・直江津へ。
たくさんの線路に挟まれるようにして、「妙高3号」は直江津駅5番線にたどり着いたのでした。
ということで、次回はこの直江津駅から。
続く!
おまけ
そこは傘立てじゃない。
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