Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

列島縦断帰省記 ~めくるめく国鉄特急物語 第2回  厚化粧の下に 函館→青森

2015年10月15日 | 鉄道 ‐ 旅行(2015年)
●前回のあらすじ



 「北斗4号」が遅れたせいで、函館ダッシュが始まりました。



 本日二番手は「白鳥22号」。485系3000番台による、ある意味国鉄特急です。

 3000番台は1000番台を改造した車両で、元は「はつかり」(盛岡~青森・函館)用に登場しました。この「はつかり」は新幹線の八戸延長で「白鳥」となりますが、車両はそのままコンバートしました。

 車両そのものは国鉄時代のものなのですが、先頭は面影もないほどに整形改造、車内も大幅にリニューアルされています。



 青函トンネルを通り、終点の新青森で新幹線に連絡します。
 22号と数字が大きいですが、これは連絡する新幹線と号数を合わせているためです。函館発の特急としては、この列車で4番目となります。



[江差線・津軽海峡線・津軽線 4022M 特急 白鳥22号 函館11:19→新青森13:27]
《函館 11:20発(1分遅れ)》

 時間もないため、北斗からの乗客を待ってすぐに発車しました。



 外はあいにくの雨。



 豪雨と言うよりは、雨交じりの強風といったほうが正しいです。津軽海峡は今日も大荒れ。日本海と太平洋が直接繋がる上、一番狭い場所で14kmしかない津軽海峡は、風の通り道となって荒れやすいのです。

 実はこの2,3日前から本州に台風波の低気圧が接近しており、この前日(9月10日)には東北全域で列車の運休が発生していました。JR東日本はかつての事故の影響(羽越本線強風脱線事故:2005年)で風にはシビアになっているため、「白鳥」も遅れはともかく、場合によっては運休も考えうる状況でした。今思えばほぼ定時で運行していたのは幸運だったと思います。

 さて、リニューアルが入った485系3000番台といえど、国鉄型には違いありません。車内チェックのお時間です。



 先頭の6号車・クハ481-3006。車内は荷棚と座席が総取替えされています。
 指定席と言うこともあり、スーツケースが多く見受けられます。



 5号車・モハ484-3062。窓側は軒並み満席です。



 4号車・モハ485-3062。ここまでは指定席車両です。



 次いで自由席の3号車・・モハ484-3081……あれ、かなり空いてる。



 2号車・モハ485-3081も同様。まさか指定席の方が混んでるとは……



 1号車・クロハ481-3018は半室グリーン車のため遠慮。混んでそうにはなかったです。

 というわけで、6両全体として指定席よりも自由席の方が空いているということが発覚しました。



 あらかじめ指定券は用意していたのですが、この1号車3番Dというのは(青森方面行きの場合)窓の柱がかかる場所でした。自由席で自由に座席が選べるというならここに居座る意味はありません。
 ということで、私はこの先ずっと2号車で過ごすことになります。



 3000番台の特徴として、モハ484に車掌室があることが挙げられます。
 モハ484は改造車を除くと0番台、200番台、600番台、1000番台の4種類がいますが、0番台と200番台には車掌室がついていません。600番台は200番台に車掌室を追加した区分ですが、量数は多くありません。
 1000番台は初期車である0番台、200番台から設計をやり直した番台区分なのですが、その際モハ484形は600番台をベースとしたため、全てのモハ484形1000番台に車掌室がつくことになりました。



 泉沢駅で789系「スーパー白鳥95号」と交換。



 増結車が入っていました。



 木古内を出ると、右側に新幹線の線路が迫ります。



 かつての江差線分岐点を通過。廃止から約1年半が経ちましたが、レールは木古内周辺ではほとんど撤去されていませんでした。



 徐々に高度を上げていきます。



 新幹線の線路と合流。ここから青函トンネルをはさみ、およそ80kmの間標準軌(新幹線)と狭軌(在来線)が同居する新在共用区間となります。
 新幹線が開業しても在来線のレールは残されるわけですが、そこを走るのは貨物列車のみ。「白鳥」含む旅客列車で通れるのは、あと半年しかありません。



 しばらくは田園風景が広がります。



 青函トンネルまでの間にいくつか小さなトンネルをくぐります。



 知内町を通過。かつてあった知内駅は信号場(新湯の里信号場)になりました。



 12時10分。いよいよ青函トンネルに突入します。ここから約12パーミルの下り勾配が10分近く続きます。



 10分ほどすると棒状の光が通り過ぎていきます。第1の底となる吉岡定点の合図です。

 ここから最低点→竜飛定点と向かうわけですが、外はずっと暗い上に携帯の電波も届かず結構飽きます。
 しいて言うなら、2号車にいるため全力で唸りをあげるMT54型モーターを聞いていられることでしょうか。車内外は大幅に改造が加えられている485系3000番台ですが、足回りはそのままです。485系自体の設計最高速度は160km/hで、3000番台の営業最高速度は140km/h(青函トンネルのみ)となっていますが、上り勾配では120km/hが精一杯といったところ。外と中身のアンバランスさもまた、3000番台の特徴に一つです。
 トンネルの反響と相まって50分近くMT54を聞けるのは、モーター音が好きな方なら最良の環境といえます……というより、そうでない方にはあまりおすすめできない環境です。

 「白鳥」で静かな環境がお好みの人は、是非1号車か6号車を選びましょう(迫真)。



 トンネルを抜けてようやく長い上り勾配も終わります。



 本州に来ても景色はあまり変わりません。元々道南は早くから和人(本州からの移民)が住んでおり、気候その他も本州に近いです。



 12時39分。新在共用区間はポイントで終わりを告げます。



 木古内側とは異なり、しばらく新幹線の線路と平行します。



 ここには新幹線の奥津軽いまべつ駅が誕生する予定です。既に駅本体は完成を迎えつつあります。



 反対側から。
 この地点には津軽今別駅があり、しばらく新幹線駅横に仮ホームを設けて営業していました。その関係で線路が沿っているのです。



 駅から離れればいよいよ線路も分かれ始めます。



 新旧の高架線がクロス。津軽海峡線も新しいほうの路線ですが、薄茶けたコンクリート橋と、その上にかかるトラス橋を見比べれば、時代の差を感じずにはいられません。



 新幹線の高架が山に消えた後、右から津軽線の線路が合流してきます。



 津軽海峡線の終点・新中小国信号場で貨物列車を抜きました。



 牽引はEH500形。それまでのED79形重連を置き換えましたが、新幹線が開業すると架線電圧の問題でEH800形に置き換わることが決まっています。



 信号場を出ると住宅のそばを掠めるように走ります。



 中小国駅を通過。名称上はここが津軽海峡線の起点になっていますが、特急も停まらない1面1線の小さな駅です。



《蟹田 12:53着》

 津軽海峡線の事実上の起点・蟹田に到着しました。



 蟹田からはのんびりと走ります。「白鳥22号」は特に遅れもなく青森を目指します。



 青森到着目前にして、青森車両センターの脇を通過します。
 ここで211系を発見。元は東海道線や高崎線を走っていたのですが、置き換えに伴い東日本各地に分散して留置(”疎開”と呼んでいる)しています。とはいっても、東海道線の211系は撤退から既に4年が経過しており、留置と言うよりもはや××××(禁則事項です)。



 こっちにも大量の211系が。



 奥には651系の姿も見えます。



 3000番台も2本が休憩中。
 青森の485系3000番台は「白鳥」用に6両編成が3編成と、臨時4両編成が1本。予備車と増結ユニットをあわせて28両がいますが、実のところ定期運用は「白鳥」2往復しかなく、それも6両編成1本あれば事足りてしまいます。最近は増結もあまりされないため、ほとんど暇している状態なのです。



 大湊線用のキハ100系とDE10。



 EF81は奥羽本線系統の貨物列車に今でも充当されています。



 「はまなす」の編成が奥で休んでいます。



 青い森鉄道(東北本線)・奥羽本線・津軽線の線路を集めて、青森駅に入ります。



《青森 13:21着》

 青森に到着。列車はこのあと折り返して新青森に向かいますが、私はここで下車します。

 ということで、続きは次回へ。




●次回予告(※予告内容とは変更になる場合がございます)



 おや、なんか見えるぞ……


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