前回のあらすじ
江差線に乗りに行ったら地元客が皆無だった件。
15時前にして日が暮れつつある木古内駅に戻ってきました。
ここで江差線とはお別れ。いよいよ本州に向かいます。
海峡線ホームから見た江差行き4174D。そこは座るところじゃないって、小学生でも分かるでしょうに。
やってきたのは本日2度目の「スーパー白鳥」。増結されていますが、今度は正規の789系でした。
[海峡線・津軽線 4034M 特急 スーパー白鳥34号 函館13:56→新青森15:59]
《木古内 14:35発》
2013/12/26 15:15 青森県側新在分岐点付近
トンネルから開放されたその先は青森県。新幹線の高架が離れていきます。
ここから線路のグレードが大きく下がります。三厩方面の線路と合流する新中小国信号場からは単線になり、速度は半分(140km/h→70km/h)へ。
《蟹田 15:22着》
今回は「北海道&東日本パス」を使用しているので蟹田で下車。木造駅舎が残る本州最北の特急停車駅です。
「北海道&東日本パス」を使用する場合、青森~函館に限り自由席特急券を買えば自由席が利用できますが、そこまで急いでいないというのと、自由席とはいえ1300円を払うのはもったいないため「青春18きっぷ」利用者ともども素直に蟹田で降りました。
駅前に立つ石碑には「はじまりは 風がつくった 1ページ」と記されています。ホームにある太宰治の詩(「津軽」)が有名なせいか、詠み人知らずのこの詩は目立ちません。
最近リニューアルの手が入った蟹田駅。木造駅舎を感じさせない近代的な内装です。便利とはいえ、なんとも風情がありません。
駅舎に面した1番線で次の普通列車を待ちます。
三厩からやってきたキハ48。この列車で青森に向かいます。
[津軽線 340D 三厩15:21→青森17:09]
《蟹田 16:03発》
津軽線もまた、江差線同様青函トンネル開通で一躍幹線になりあがった路線です。
津軽半島の東側を縦断する津軽線は、戦後になって開通しました。1951年に青森~蟹田、1958年に三厩まで開通します。当初はさらに半島を回りこんで小泊、その先の五所川原までを結ぶ計画だったようですが、沿線人口の少ない津軽線の利用は延びず延伸されませんでした。
一ローカル線だった津軽線ですが、青函トンネルで江差線と同じ運命をたどることとなります。海峡線の列車が通る青森~新中小国信号場は一気に幹線格に上げられますが、三厩まではローカル線のまま取り残されてしまいました。蟹田~三厩は一日6往復で木古内~江差と同じ。車両も江差線と同じキハ40系。せめてもの救いは、今のところ新中小国信号場~三厩に廃止予定がないことでしょうか。
途中の中沢で10分近く停車。江差線に比べて交換設備が少ないため、行き違いや特急待避のための長時間停車がよく行われます。
《青森 17:10着(約5分遅れ)》
中沢の停車が長引いたため、青森には5分遅れで到着しました。
17時過ぎの青森駅はラッシュタイム。3方面の列車が休みなく発着します。「あれ」の時間もここでチェック。
ここで夕ご飯を買い込み、再びホームへ。
2番線に青い森鉄道の701系が入線。東北ではおなじみの車両です。正式な車両形式は「青い森701系」だったり。
青森駅をまたぐ青森ベイブリッジを背景に。青く光っているのがベイブリッジの橋脚です。
折り返し八戸行きとなる701系。
これで、「あれ」を向かいいれる準備は整いました。
2013/12/26 17:55 青森駅3番線
赤い機関車にはさまれて、「あれ」がやってきました。
そう。いまや希少種となったブルトレの生き残り、「あけぼの」です!!
ベイブリッジとの共演。赤と青のコントラストが夜闇に浮かびます。
青森と上野を奥羽本線経由で結ぶ寝台特急「あけぼの」。
今まで夜行バスに乗ったり知内駅まで往復したり申し訳程度に江差線に完乗したり蟹田で降りたりしていたのは、すべてこの「あけぼの」に時間を合わせるためでした。
それでは、恒例の各車紹介といきましょう!
~永遠の9号車・カニ24-109~
上野行では最後尾になるのがカニ24。「ニ」は本来荷物車の記号ですが、ブルートレインでは電源車を表す記号となっています。
車両の大半を車内電源用の発電機が占めます。申し訳程度に荷物を運ぶスペース(最後の写真右端)がありますが、今は何も載せられていません。
でかでかと張られたJRマーク。
~異色の8号車・オハネフ25-125~
8号車のオハネフ25-125。この何が異色かというと……
無精ひげが残る熊ゴロンとシートです。
「あけぼの」独自ともいえる設備がこのゴロンとシート。元はB寝台だった車両からリネン類をすべて排除。その代わり、運賃+指定席特急料金(上野~青森では3660円)で乗車することが出来ます。通常の寝台では自由席特急料金(同区間で3150円)+寝台料金(B寝台で6300円)がかかるので、値段的に利用しやすい車両です。
詳しい内装は後で見に行きましょう。
~孤高の7号車・スロネ24-552~
7号車のスロネ24-552。
「ロネ」の記号からも分かるとおり、編成唯一のA寝台車となっています。もちろんお値段は(略)。全て1人用個室の「シングルDX」です。
全個室なのを反映して、1車両の定員は驚きの11人。そりゃあ切符争奪戦になるわけです。今回「あけぼの」の切符を買った際は、一ヶ月前にもかかわらず売り切れていました。
~豪快な6号車・オハ24-553~
見る人の度肝を抜く窓割が特徴のオハ24-553。全てB寝台1人用個室ソロでなりたっていますが、車両限界いっぱいまで個室を詰め込んだ結果がこれです。
B寝台の脇に「ソロ」と書かれています。
個室ながら車両重量もオハネ24と変わらず。
~窮屈な5号車・オハ24-551~
隣のオハ24-551も同じ構造です。今回乗車するのはこの5号車になります。
『窮屈』というのは編成中央で両隣に挟まれているからというのが一つですが……詳細は後ほど。
~年配な4号車・オハネフ24-7~
編成中央に挟まれたオハネフ24-7。他と違い白帯になっています。
オハネフ24といえば、24系客車でも初期型の車両。ブルトレが大幅に減少した2013年でも残っていることがすごいことです。
~普通な3号車・オハネ24-19~
同じく24系グループ初期車に当たるオハネ24-19。まあ、中は普通のB寝台なので紹介するまでもないですが(24系24型の遍歴を考えると普通じゃないけど)。
※24系24型……オハネ/オハネフ24は当初3段寝台で製造されたが、2段寝台のオハネ/オハネフ25の登場で順次2段寝台化された。前者を24系24型、後者を24系25型と呼ぶことが多い。
~平凡な2号車・オハネ24-51~
オハネ24-51。24系24型の一員ですが、説明はいらないでしょう。
~異端の1号車・オハネフ24-19~
一端(8号車)が異色なら、こちらは異端の車両です。
なにかというと、この車両は女性専用のゴロンとシートとなっているからです。設備はゴロンとシートと変わりません。
男の身で後々見に行くわけには行かないので、外から撮っておきます。他の車両は割りと埋まっていますが、この車両はガラガラです。
いよいよ機関車へ。
~赤色の機関車・EF81-138~
「あけぼの」を牽くのはオリジナル色を保つEF81-138。箱型の大きな機関車は、ブルートレインにふさわしい車両です。
反対ホームから。
跨線橋より。
発車時刻が迫ってきました。
機関車も発車準備が整っていました。
今回乗車するのは5号車の「ソロ」です。
それでは、上野に向けて出発進行!
しかし、この時静サツは気づいていなかったのです。
このブルートレインの旅が、波乱の道へ進もうとしていたことを……
(続く)
おまけ
6号車の大きなひび割れ。もう少し丁寧な補修をしてもよかったのでは……?
江差線に乗りに行ったら地元客が皆無だった件。
15時前にして日が暮れつつある木古内駅に戻ってきました。
ここで江差線とはお別れ。いよいよ本州に向かいます。
海峡線ホームから見た江差行き4174D。そこは座るところじゃないって、小学生でも分かるでしょうに。
やってきたのは本日2度目の「スーパー白鳥」。増結されていますが、今度は正規の789系でした。
[海峡線・津軽線 4034M 特急 スーパー白鳥34号 函館13:56→新青森15:59]
《木古内 14:35発》
2013/12/26 15:15 青森県側新在分岐点付近
トンネルから開放されたその先は青森県。新幹線の高架が離れていきます。
ここから線路のグレードが大きく下がります。三厩方面の線路と合流する新中小国信号場からは単線になり、速度は半分(140km/h→70km/h)へ。
《蟹田 15:22着》
今回は「北海道&東日本パス」を使用しているので蟹田で下車。木造駅舎が残る本州最北の特急停車駅です。
「北海道&東日本パス」を使用する場合、青森~函館に限り自由席特急券を買えば自由席が利用できますが、そこまで急いでいないというのと、自由席とはいえ1300円を払うのはもったいないため「青春18きっぷ」利用者ともども素直に蟹田で降りました。
駅前に立つ石碑には「はじまりは 風がつくった 1ページ」と記されています。ホームにある太宰治の詩(「津軽」)が有名なせいか、詠み人知らずのこの詩は目立ちません。
最近リニューアルの手が入った蟹田駅。木造駅舎を感じさせない近代的な内装です。便利とはいえ、なんとも風情がありません。
駅舎に面した1番線で次の普通列車を待ちます。
三厩からやってきたキハ48。この列車で青森に向かいます。
[津軽線 340D 三厩15:21→青森17:09]
《蟹田 16:03発》
津軽線もまた、江差線同様青函トンネル開通で一躍幹線になりあがった路線です。
津軽半島の東側を縦断する津軽線は、戦後になって開通しました。1951年に青森~蟹田、1958年に三厩まで開通します。当初はさらに半島を回りこんで小泊、その先の五所川原までを結ぶ計画だったようですが、沿線人口の少ない津軽線の利用は延びず延伸されませんでした。
一ローカル線だった津軽線ですが、青函トンネルで江差線と同じ運命をたどることとなります。海峡線の列車が通る青森~新中小国信号場は一気に幹線格に上げられますが、三厩まではローカル線のまま取り残されてしまいました。蟹田~三厩は一日6往復で木古内~江差と同じ。車両も江差線と同じキハ40系。せめてもの救いは、今のところ新中小国信号場~三厩に廃止予定がないことでしょうか。
途中の中沢で10分近く停車。江差線に比べて交換設備が少ないため、行き違いや特急待避のための長時間停車がよく行われます。
《青森 17:10着(約5分遅れ)》
中沢の停車が長引いたため、青森には5分遅れで到着しました。
17時過ぎの青森駅はラッシュタイム。3方面の列車が休みなく発着します。「あれ」の時間もここでチェック。
ここで夕ご飯を買い込み、再びホームへ。
2番線に青い森鉄道の701系が入線。東北ではおなじみの車両です。正式な車両形式は「青い森701系」だったり。
青森駅をまたぐ青森ベイブリッジを背景に。青く光っているのがベイブリッジの橋脚です。
折り返し八戸行きとなる701系。
これで、「あれ」を向かいいれる準備は整いました。
2013/12/26 17:55 青森駅3番線
赤い機関車にはさまれて、「あれ」がやってきました。
そう。いまや希少種となったブルトレの生き残り、「あけぼの」です!!
ベイブリッジとの共演。赤と青のコントラストが夜闇に浮かびます。
青森と上野を奥羽本線経由で結ぶ寝台特急「あけぼの」。
今まで夜行バスに乗ったり知内駅まで往復したり申し訳程度に江差線に完乗したり蟹田で降りたりしていたのは、すべてこの「あけぼの」に時間を合わせるためでした。
それでは、恒例の各車紹介といきましょう!
~永遠の9号車・カニ24-109~
上野行では最後尾になるのがカニ24。「ニ」は本来荷物車の記号ですが、ブルートレインでは電源車を表す記号となっています。
車両の大半を車内電源用の発電機が占めます。申し訳程度に荷物を運ぶスペース(最後の写真右端)がありますが、今は何も載せられていません。
でかでかと張られたJRマーク。
~異色の8号車・オハネフ25-125~
8号車のオハネフ25-125。この何が異色かというと……
「あけぼの」独自ともいえる設備がこのゴロンとシート。元はB寝台だった車両からリネン類をすべて排除。その代わり、運賃+指定席特急料金(上野~青森では3660円)で乗車することが出来ます。通常の寝台では自由席特急料金(同区間で3150円)+寝台料金(B寝台で6300円)がかかるので、値段的に利用しやすい車両です。
詳しい内装は後で見に行きましょう。
~孤高の7号車・スロネ24-552~
7号車のスロネ24-552。
「ロネ」の記号からも分かるとおり、編成唯一のA寝台車となっています。もちろんお値段は(略)。全て1人用個室の「シングルDX」です。
全個室なのを反映して、1車両の定員は驚きの11人。そりゃあ切符争奪戦になるわけです。今回「あけぼの」の切符を買った際は、一ヶ月前にもかかわらず売り切れていました。
~豪快な6号車・オハ24-553~
見る人の度肝を抜く窓割が特徴のオハ24-553。全てB寝台1人用個室ソロでなりたっていますが、車両限界いっぱいまで個室を詰め込んだ結果がこれです。
B寝台の脇に「ソロ」と書かれています。
個室ながら車両重量もオハネ24と変わらず。
~窮屈な5号車・オハ24-551~
隣のオハ24-551も同じ構造です。今回乗車するのはこの5号車になります。
『窮屈』というのは編成中央で両隣に挟まれているからというのが一つですが……詳細は後ほど。
~年配な4号車・オハネフ24-7~
編成中央に挟まれたオハネフ24-7。他と違い白帯になっています。
オハネフ24といえば、24系客車でも初期型の車両。ブルトレが大幅に減少した2013年でも残っていることがすごいことです。
~普通な3号車・オハネ24-19~
同じく24系グループ初期車に当たるオハネ24-19。まあ、中は普通のB寝台なので紹介するまでもないですが(24系24型の遍歴を考えると普通じゃないけど)。
※24系24型……オハネ/オハネフ24は当初3段寝台で製造されたが、2段寝台のオハネ/オハネフ25の登場で順次2段寝台化された。前者を24系24型、後者を24系25型と呼ぶことが多い。
~平凡な2号車・オハネ24-51~
オハネ24-51。24系24型の一員ですが、説明はいらないでしょう。
~異端の1号車・オハネフ24-19~
一端(8号車)が異色なら、こちらは異端の車両です。
なにかというと、この車両は女性専用のゴロンとシートとなっているからです。設備はゴロンとシートと変わりません。
男の身で後々見に行くわけには行かないので、外から撮っておきます。他の車両は割りと埋まっていますが、この車両はガラガラです。
いよいよ機関車へ。
~赤色の機関車・EF81-138~
「あけぼの」を牽くのはオリジナル色を保つEF81-138。箱型の大きな機関車は、ブルートレインにふさわしい車両です。
反対ホームから。
跨線橋より。
発車時刻が迫ってきました。
機関車も発車準備が整っていました。
今回乗車するのは5号車の「ソロ」です。
それでは、上野に向けて出発進行!
しかし、この時静サツは気づいていなかったのです。
このブルートレインの旅が、波乱の道へ進もうとしていたことを……
(続く)
おまけ
6号車の大きなひび割れ。もう少し丁寧な補修をしてもよかったのでは……?
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