Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

2014春ダイヤ改正雑感

2013年12月21日 | 日記
 冬の帰省の準備やらなにやらで忙しさに身動きがとれず、実に2週間ぶりの記事となります。まめに更新することができず申し訳ありません。
 さて、久しぶりの記事となる今回は、年末恒例のJR各社からのダイヤ改正速報です。例年この時期になると来春のダイヤ改正の概要が発表されます。今年は12月20日でした。
 まず、全国的にみた注目ポイントは、

・寝台特急「あけぼの」廃止
・秋田新幹線の全列車がE3系→E6系に置き換え完了
・長野新幹線にE7系投入
・津軽海峡線竜飛海底・吉岡海底・知内駅が廃止
・「あかぎ」「草津」を185系→651系に置き換え


 あたりです。


[あけぼの]

 今回の改正で一番大きな出来事はこの「あけぼの」廃止でしょう。「富士/はやぶさ」(2009)・「北陸」(2010)以来の寝台特急廃止となります。

 夜行列車は近年急速に姿を消し、残るは「北斗星」「サンライズ瀬戸/出雲」「はまなす」「カシオペア(臨時)」「トワイライトエクスプレス(臨時)」が残るだけとなります。しかし、「サンライズ」を除く4列車は全て青函トンネルを通るため、北海道新幹線の工事が本格化する2015年に「北斗星」が、新函館開業の2016年に「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」が廃止されることが既に決定しています(「はまなす」は不明)。このため、2016年の時点で「サンライズ」だけになる模様です。

 安さが売りの「はまなす」、2階建て電車の「サンライズ」、観光色の強い「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」とは異なり、「あけぼの」はブルートレインの面影を残す最後の列車です。上野~青森を上越・奥羽本線経由で結ぶ地味な列車でしたが、庄内・秋田と東京を結ぶ列車として一定の需要があります。1970年の運転開始以来、ブルートレインとしての役割を粛々と行ってきた列車だったのでほかが消えても残ると思ったのですが、ここにきて廃止となってしまいました。

 「あけぼの」の特徴として、東北側で上下ともこまめに停車します。特に上り列車が顕著で、青森(18:23発)を出ると、新青森、弘前、大鰐温泉、碇ヶ関、大館(19:44発)、鷹ノ巣、二ツ井、東能代、森岳、八郎潟、秋田(21:23発)……と10分~20分おきに停車。庄内地域を過ぎ、あつみ温泉(23:53)を出ると日付を超えますが、さらに村上(0:38発)、新発田(1:07発)、新津(1:33発)ととまります。寝台特急らしからぬ停車駅の数です。太平洋側に比べて交通の便が悪い日本海側を通るからこそ、「あけぼの」は生き残ってきたといえるでしょう。

 実は「あけぼの」の廃止論議は、東北新幹線新青森開業の2010年にも起きています。そのときはJR東日本秋田支社が「当面運行を継続する」と発表したため胸を撫で下ろしました。青森まで新幹線ができてすら廃止されなかった寝台特急が、予想もしない形で消えてしまうことになりました。

 元からJRグループ全体が寝台特急自体に気を留めていませんでした。正直なところ、例年のように続いていた寝台特急廃止ラッシュの半分以上は、国鉄からのサービス・車両を踏襲し、それ以上の投資をしなかった結果、中途半端に快適で中途半端に高いものになってしまいました。各地で夜行バスが乱立し、全A寝台で2人個室「カシオペア」が閑散期でもそこそこの乗車率であることからもわかるとおり、需要自体は少なからず存在します。JRが国鉄時代に比べサービスの改善を謳っていながら、寝台列車に対してきちんと考えてこなかったのは、火を見るより明らかです。

 とはいえ、客車は既に40年選手。新製するにはお金がかかるので、JR一損得勘定のJR東日本があっさり切り捨てるだろうとは前から思っていましたが。


[新幹線]

 2015年の北陸新幹線開業、2016年の北海道新幹線開業が近づき、それの下準備ともいえる作業が始まりました。

 秋田新幹線開業以来使われてきたE3系がここで引退。現在「スーパーこまち」となっているE6系に置き換えられます。「はやぶさ」のE5系をベースとしたE6系は320km/hでの運転が可能で、ついに日本最速となる320km/h営業運転が始まることになります。

 320km/hは2011年3月から行う予定でしたが、東日本大震災で一旦取りやめとなり、2013年から「はやぶさ」単独列車が320km/hを行っています。この改正から現行の「こまち(E3系)」+「はやて(E2系)」から「こまち(E6系)」+「はやぶさ(E5系)」となり、全列車が現在の「スーパーこまち」と同じ形になります。

 一方の長野新幹線に投入されるE7系は、2015年に金沢まで開業する北陸新幹線で使われる予定の車両です……って書くと語弊がありそうですね。というのも、長野新幹線というのは愛称で、北陸新幹線が長野まで部分開業しているだけだからです。

 それはさておくとして、その北陸新幹線で使われる予定のE7系3編成が、足慣らしとして「あさま」に投入されることになりました。いずれは東京~金沢と直通する「はくたか」「かがやき」だけでなく、「あさま」のE2系も全て置き換えることになると思います。そして上越新幹線が新幹線中古車センターに……

 グランクラスが設定されるのも大きなポイントですが、最も注目すべきは12両編成であること。現在の8両編成ではいっぱいいっぱいなので、12両化はありがたいことです。特に大宮~軽井沢の混雑はひどいので……


[津軽海峡線]

 いよいよ北海道新幹線開業が迫り、青函トンネルは工事ラッシュ。それにともない、線路上にある3駅が廃止されることになりました。

 竜飛海底・吉岡海底は本来は駅ではなく定点、つまりは非常口程度の扱いでした。通常の駅とは違い、降りるには「海底駅見学整理券」が必要でした。竜飛海底には青函トンネル記念館(坑道ケーブルカーで地上に上がる)、吉岡海底にはドラえもん広場がありましたが、吉岡海底は2006年に、竜飛海底は2013年11月をもって列車が止まらなくなりました。現在は臨時駅扱いですが、今改正で定点へと戻ります。

 知内は新湯の里信号場を駅にしたものです。昔は近くを松前線が通っていたのですが、松前線が廃線となったために駅としての営業を始めました。しかし、町の中心部からは遠いために停車本数は少なく、現在一日上下4本がとまるのみとなっています。新幹線が走ることになる本線上にホームがあるため、ホームを撤去し湯の里信号場になる予定です。それをするぐらいなら、初めから副本線にホームを作ればよかったのに……


[185系→651系]

 3月から噂されていた転廃がついに実行に移されました。まさか直流電車を交直流電車で置き換えることになるとは……

 置き換えられるのは上野~万座・鹿沢口を結ぶ特急「草津」と新宿・上野~前橋間の特急「あかぎ」に使用されていた185系。特急格上げからずっと185系が使われていましたが、2012年に用済みとなった「スーパーひたち」の651系を交流機器停止の上で投入することになりました。これに伴い、651系は帯色を変え、1000番台となっています。485系→183系みたいなことにはなりませんでした(詳しくは当ブログの『ダイヤ改正に合わせて行った結果がこれだよ! その2』(2013春帰省)をご覧ください)。

 ここであまった185系は、同じ大宮車両センターにいる183系・189系に変わり波動用の任に就く予定です。国鉄色で人気のある大宮の183系・189系ですが、既に一部が長野送り(廃車的な意味で。一部は長野で残存)になっていますが、残る編成に関しては不明です。「ムーンライトながら」に使用されていた元田町車両センターの車両もいますが、既に運用終了がアナウンスされており、この冬から185系が投入される模様。183系・189系の最期が近づいています。


 以上、全国的なトピックをピックアップしてみました。
 
 個人的に一番びっくりしたニュースは、

・「スワローあかぎ」の新設

 です。

 まず名前がおかしい。
 由来は全席指定なので、座ろう→スワロー。国鉄並のネーミングセンスです。

 次に中身ですが、これは朝夕に運転されていた特急「あかぎ」と、夕方に運転されていた「ホームライナー鴻巣」をまとめたもので、全席指定の代わりに通常の特急料金よりも安い「スワロー特急券」が必要となります。早い話が、ちょっと高級なライナーです。全席指定のライナーとしては「中央ライナー」「青梅ライナー」に次ぐものです。
 詳しい内容はまだ発表されていないので、今後のプレスリリースを待つことにしましょう。


 下に各地域のダイヤ改正のプレスリリースを載せておきます。

 JR北海道(PDF)
 平成26年3月ダイヤ改正について

 JR東日本(PDF)
 全体:2014年3月ダイヤ改正について
 盛岡支社:2014年3月ダイヤ改正
 仙台支社:2014年3月ダイヤ改正について
 新潟支社:2014年3月ダイヤ改正について
 水戸支社:2014年3月ダイヤ改正について
 高崎支社:2014年3月ダイヤ改正について
 八王子支社:2014年3月ダイヤ改正について
 千葉支社:2014年3月ダイヤ改正について
 長野支社:2014年3月ダイヤ改正について

 JR東海(PDF)
 平成26年3月ダイヤ改正について

 JR西日本
 平成26年春ダイヤ改正について ――まとめページ
 (以下は全てPDF)
 全体:平成26年春ダイヤ改正について
 北陸エリア(金沢支社):平成26年春ダイヤ改正について
 京阪神エリア(近畿統括本部):平成26年春ダイヤ改正について
 和歌山・南紀エリア(和歌山支社):平成26年春ダイヤ改正について
 北近畿エリア(福知山支社):平成26年春のダイヤ改正について
 岡山エリア(岡山支社):平成26年春ダイヤ改正について
 広島・山口エリア(広島支社):平成26年春ダイヤ改正について
 山陰エリア(米子支社):平成26年春ダイヤ改正について
 博多・小倉エリア(福岡支社):平成26年春ダイヤ改正について

 JR四国
 平成26年3月ダイヤ改正について

 JR九州
 平成26年春ダイヤ改正


 各地域でも細かいところで変わっているところがありますが、それはおいおい取り上げていくことにします。

 そして、非常に申し上げにくいのですが……



 25日から帰省をするため、これが2013年最後の記事になる可能性が高いです。


 2週間ぶりに書いておいてそれかよ! と言われそうですが、残り数日も帰省の準備やら何やらで忙しいのでブログを更新できないと思います。申し訳ありません。
 それでは早いですが、よいお年を。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿