さてさて私が意中の人への恋心を自覚するまでのお話、第3回です。
大学のショーで彼女と関わる機会が一気に増えることになった新学期。(この時点ではまだ恋心を持っている自覚はありません。)ダンスの振付や歌の練習が始まりしばらくは慣れないことについていくのが精一杯で日々が怒涛のように流れていきました。
そうして3週間ほどがあっという間に過ぎていったある日、ショーの曲と曲の間に挟まれる短いドラマコーナーの練習がありました。そのお話は5組のカップルによる恋愛寸劇でまだ役は決まっていません。役を決める為、先生が仮で役を当てがいセリフを読んでみることを何パターンも繰り返していました。(学生はほとんど女性なので男役も女性が演じます。)
5回ほど違う役のセリフを読み、6回目。私と意中の人が相手役として組むことになりました。二人並んで立つように指示され、それまでと同じように相手役である意中の人の隣に立ちます。その時が私の運命の瞬間でした。今までの人生で感じたことがないような暖かく大きな安心感に包まれたのです。あの感覚をどう説明すれば良いのかとても難しいですが、後にも先にも経験がないとても特別な感覚に包まれたのです。
どうにかしてこの人の隣にずっといさせて欲しいと心から強く強く願ってしまうほどの特別な感覚でした。
こうして、可愛らしい同期の女の子に私は恋心を自覚してしまったのです。