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血糖との決闘(笑)


甘いの食べるのやめた。喫茶店でたまに食べるくらいにするつもり。コンビニとか自販機とかで、お菓子やジュースを飲み食いするようなことはもうやらない。キレのある体をつくるんだ。

とはいえ、血糖は人間のエネルギー源。血糖は高すぎるとやばいとよく言われるけど、低すぎるほうがもっとやばい。ボディービルダーのマッスル北村は、大会に出場するため、大幅な減量を行い、その結果、低血糖による心不全で死んでしまった。飴一つ口に入れることを拒んだという。

そもそも私たちの体は血糖が下がりすぎないようにできている。グルコガン、成長ホルモン、コルチゾールなど、血糖を上げるいろいろなホルモンが私たちの体には準備されている。他方、血糖を下げるホルモンは一つしかない。膵臓から出るインスリンである。なぜそうなのだろう?

昔はみんな貧乏だった。自身の血糖が低くなりすぎないよう、体がそのように出来ていたのである。だから、逆に、体はいつか血糖が高くなりがちな現代生活に適応するようになるはず。でも、人類の歴史は長く、私たちがそれなりに豊かになってからまだ間もない。時間が必要なのだ。

とはいえ、私たちの体を歴史が作るよりも早く、科学だの医学だのがその時間を短縮することになるだろう。これにはご都合主義で、短期的見通ししかできず、なんでもありがたがる現代人には否定するいかなる理由もありはしない。糖尿病にならずに済むのなら、そりゃありがたいというわけだ。

外部からの影響を受け、それに適応してゆく私たちの体とは何だろうか?そのような体とは私たちのこの体のことではない。目が見えないひとのほうが見えるひとよりも、もっとよく目が見えると言われたりするけれども、私たちの体にも、目が見えないひとの目のように、働かずして働きすぎる側面があるのだ。季節から季節感がなくなるように、そう遠くない日にでも、体からそのような体が失われてゆくのである。
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