軍事郵便の精度は明治27年(1894年)に出来た。ここに取り上げたのは
軍人・軍属の人が日本国内に当てたものだ。すべて明治時代のものであり、
日露戦争の時に書かれたものである。この手紙の裏にはとても細かい事柄が
書かれているが、すべて検閲を得て出されたものだ。従って、具体的な場所や舞台の事など軍事機密になり得ることは書かれていない。昔の人は家族、友人
などに対してきめ細かい配慮をしていることがうかがえる。テレビやラジオなど
の通信が全くない時代であり、手紙が唯一の連絡手段であった。戦争の現場に
行った軍人や軍属たちの家族への思いは計り知れない。